「制度」と「生きかた」
DVD REVIEW
「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」(2003年・アメリカ)
GWといえば、自宅でDVD。午前中にはTVシリーズやライトなB級ものを観る。昼は、アクション系、ハリウッド映画、夜はアート系。これである。合間に家事や、ネット、あと部屋の掃除や整理もなかなか良いと思う。
アラン・パーカーの作品を観るのはひさびさ。僕の中ではハズレない監督のひとり。本作は死刑執行直前の囚人が、突然、主人公の女性ジャーナリストのインタビューに応じる。そして、事件の真相が明らかになっていく。「囚人の告白」というのはアメリカの映画のひとつパターンで、そのあたりは結構普通に思える。
しかし、本作は表面は「死刑制度」というのをテーマにしていると思うけど、実はそれは本質的なテーマではない。それは映画のタイトルでわかるはず。もっと、悲しくゆがんだ、しかし、ありうる人間ドラマであり「制度」についての映画ではなく「人の生きかた」についての作品になっている。登場人物がそれぞれ持っている生きかた、環境、そして問題。生と死の価値観。話のヒネリ方はアラン・パーカーらしいセンスだと思った。
「制度」というくくりの中で、反対とか賛成を論じるのは簡単だと思う。しかし、人間はひとりひとりが自分の人生を持っている。それは決して制度の中だけで消化できるものでもない。だが「制度」という枠組み、アウトラインがなければ人は集団の生活をすることができない。
DVD鑑賞から離れれば、僕にも生活がある。奥の部屋の片づけには手間をどりそうだ。まずは、もえるゴミを決めることにした。