なめたくなる映像。
「2001年宇宙の旅」(1968)
本作は「眠くなる映画」という印象を持ってはいけない。内容の深読みもいいや、と僕は思っている。
監督のキューブリックはとにかく「自慢の映像」をみせたかった、それだけの偉大なではないだろうか。
シーンは大きく4つに分れる。(1)類人猿とモノリス(2)月のモノリス(3)ディスカバリー号での出来事(4)木星到着である。
(1)は、類人猿のシーンは素晴らしい。初めて観た時は、ホンモノの猿だと思ったくらい。
(2)は、宇宙船、宇宙ステーションでの、食事からトイレまで無重力での一般的な様子が紹介されていく。楽しいしオシャレ。イームズ。
(3)は、宇宙船の本命、ディスカバリー号が紹介され、その中の生活。船外活動の無音の世界。そして、ピリッとしたサスペンスの要素が加味されてドキドキ。
(4)では、スターチャイルドの誕生。めくるめくるビジュアルが楽しめる。
ポイントは「映像美」。そのピンポイントの作戦は大成功しており、40年たった今でもハンデなしで楽しめる。いくらモノリスをめぐるミステリアスなストーリーが用意されていても、本作のような映像美がなければ、ここまで魅力的な作品にならなかっただろう。