いつものトムでした。
「ワルキューレ」(封切り作品)
僕は、歴史の本も好きでよく読みます。一番興味深いのは、第二次世界大戦あたり。世界規模で戦争が行なわれていた激動の時代であるし、客観的な資料も残されているので、自分が「結末」を知っている者として、なぜその結果になったのか?と考えながら「過程」を知っていくのが好きなのです。
歴史を知ると、つくづく歴史を作るのは「人間」なんだな、と思います。高度な政治判断や、事件の首謀者なんて、自分にはまったく無縁なものに思えます。でも、彼らの原動力は案外、「怒り」や、または「保身」といったシンプルな人間の感情の連続です。それがわかると歴史がとても身近なもの感じられれます。
本作はサスペンス作品ですが、史実をベースにしているので、オチがバレている作品な訳です。でも、十分楽しめます。オチがすべて、という作品もありますし、そうでもない作品もあります。本作は後者でしょう。
内容は第二次世界大戦のベルリンを舞台に、ヒトラー暗殺という、当時、口にしただけでも逮捕されそうなことを計画した人々を描いてます。構成はあまり歴史的事実を知らなくても、大丈夫なように冒頭から、説明的にわかりやすくスイスイ進みます。
まぁ、そのわかりやすさが、ちょっと背景を薄味にした感じもします。 正直、主演のトム・クルーズは、どう見ても史実のドイツ人大佐には見えなくて、いかにもアメリカ人的な熱血漢です。そこはマイナスかもしれないけど、でも、ハリウッドスターの華やかさが楽しめて見ごたえのある作品になっていると感じました。
トム・クルーズを生かすなら、本作のわかりやすい方向は正解でしょう。賛否両論だと思いますが、僕はトータルで考えると本作のトム・クルーズ「華」を取ったのはいい選択だと思いました。