内面の戦争
FilmReview 「勇者たちの戦場」(2006年)
内面が気になる。昔よりずっと。
イラクに派兵された兵士たちが帰国。戦いのない国へ帰った彼らの精神的に苦しみを描いた作品。
上記のあらすじのとおりなので、戦争アクションを期待してはいけない。メインの舞台は帰国後のアメリカである。しかし、冒頭に現地での戦いの場面があって、短いけどヒリヒリとした緊張感があって観ごたえがある。
戦争体験というのは、僕には想像できない世界であるけど、それを体験した以降の通常の社会に戻る難しさ、というのはわかるような気がする。
全編、彼らの苦悩が描かれていて、非常に途方にくれてしまう作品。だけど、戦争の及ぼす精神への影響というのを考えさせる。その影響について、アート的に抽象的ではなく、就職事情や、家族との関係、恋愛などふつうの人々の視点でリアル描かれるのが切実。ただ、希望の光もみせてはくれる。
サミュエル・L・ジャクソンはこういった作品では抑制的で良い演技を見せる。それは予想とおりの良さ。ジェシカ・ピールは、僕にとって想定外にいい役やってます。