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それは、それで好き

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FimlReview「スーパーコップ90」(1990)

 まぁ、左のチラシとおり作品。思いきったデザイン、フッきれた感じが好き。欲しくはないですが…タイトル文字黄色もいい感じ。いわゆるB級映画。つまり、スケールも内容も華やかさのない作品です。どうもB級映画という表現がしっくりこない。「低予算映画」といいたいけど、お金だけの問題でもないしなぁ。

 「ロボコップ」主演のピーターウェラーが、本作では「ロボ」ではなく「スーパー」に。「90」というのは、単に90年に上映されたからでしょう。これはもちろん邦題なんで、劇中でそう呼ばれる訳ではないです(原題は「RAINBOW DRIVE」)。確認してみると、「ロボコップ」の後に上映された作品なんだねぇ。だから、こんな邦題なんだろうね。

 あらすじは、ウェラーはすご腕だが、上司に反抗的な刑事。ある事件の捜査を止められるが、独自に捜査を進めていく…まぁ、よくある話ですよね。映画の刑事はこうでなきゃ!という設定。目新しさはありません。

 本作の味としては暴力的なシーンや銃撃戦はあまりなくて、B級作品特有のハッタリな見せ物的な部分は控えめなんだよね。ウェラーは、泥臭い感じはない、タフで神経質なキャラクターを演じている。部屋が妙にキレイでモダンな絵とかもあってね。テーブルの上もシンプル。そこで事件の考え事とかをしてる場面が好き。また、シーンごとの衣替えも素敵。ジャケットと派手なカラーシャツが似合ってます。

 こういったハードボイルドの主人公は、フッとみせる弱み、哀愁みたいのが大事だと思うのだけど、ウェラーはその点演技としては弱いかも。行動理由としては友人のカタキという部分はあるのだけど、あんまりそんな感じはしない。ひたすら、自分のポリシーで神経質に捜査をやっていく感じである。その動きは「スーパーコップ」というより「ロボコップ」。

 ウェラーといえばクローネンバーグ監督の「裸のランチ」主演のバロウズ役でしたね。キャラクター性がデザインのパーツみたいで、すっと抜けた人間味がないのが残念なんだけど、その点は「裸のランチ」ではハマリ役だと思う。あの作品で、主人公は人間味タップリだとシラけるからな。

 本作の監督は、もしかしたらカサヴェテスの「グロリア」みたいなオシャレな作品を作りたかったのかしら。それだと、ウェラーだと演技が硬質すぎたと思うし、他の登場人物も典型的すぎて、安っぽかったな。キャスティングでかなり印象変るかも。あと、サントラの安いシンセサウンドもヤメたほうがいいな…と昼下がり、冷蔵庫のあまりもので作った、キムチ&スパム炒飯と、わかめ&ネギ・スープを飲みながら思った。そのランチもまさに「B級」であるが、それはそれで好き。

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