猫よりタクシー
FilmReview
「ねこタクシー」(2010)
(封切作品・ディノスシネマズ札幌劇場)
動物を使った映画とか本は注目される。その中でも猫は永遠のスタンダートな気がする。書店にいけば猫のスナップ写真集がベストセラーになることもよくある。これだけ流行廃りのある世の中で数少ない「たしかなもの」だなぁと思う。
さて、本作はTVシリーズからの映画らしいが、知らなかったし、カンニング竹山についても名前を知っている程度。観に行った理由としては、週末、邦画を観たいと思ってネットで調べてみると、その中で一番興味をそそられたから。軽すぎず、重すぎず気軽に観られるかな、と。
「猫」と「タクシー」という単語がタイトルな訳だけど、内容では比率的には「タクシー」のシーンのほうがずっと多い。これは意外だった。うんざりするほど猫のシーンがあって猫ファン大満足!かと思っていたのだけど、そこはポイント絞っている。その点はいいなぁと思う。
話自体は再生の物語とテーマを説明をできるかもしれない。後半はやや駆け足な印象をうけたが、伏線もキチンと回収されラストを迎える。106分という長さも丁度いい感じ。もっと長くもできたとは思うけど、このテーマで2時間越えはツライと思うので、駆け足も良かったと思う。カンニング竹山の演技は、ウマイというところは感じないのだけど、雰囲気はあったと思う。元教師で今はタクシー運転手という設定は無理なく感じられた。
タクシーの夜走るシーンや停車するシーンがあって、これが良かったな。そういいうシーン大好きなんです。あと、竹山が運転するのを前方から撮ったショットが多くて、これも好きだった。タクシーのシーンが多いのは正しい方向性だと思う。
作品内では大悪人は出ない世界観になっていて、殺伐てしてないのがいい。僕はごく普通のドラマで、やたら死があったり傷つく人がいるのはとっても苦手なんですよ。ドーンと気分が重くなる。
本作はコメディではないし、過激な展開もないけど、しっかりみせてくれるドラマがあったし、タクシーのシーン等は映画じゃないとできないスケールがあったと思う。主題歌の水木一郎がチョイ役で出演していたのも楽しかった。主題歌もいい。