NUMERO DEUX

MAGNET 29 「litero&bildo01」

発行：2010年9月発行  / 版型：A5、オールカラー16P
作家：ワタナベサオリ / 編集：MAGNET
配布：札幌市内カフェ、アート施設等に配布予定。（→配布先情報）
　　　★ 郵送料(1冊120円）をいただければ郵送いたします。
　　　ご希望の方は qzj12432@nifty.com までご連絡ください。

2002年に創刊された札幌発のフリーペーパー「マグネット」の最新号は、絵本を作ってみた。そのシリーズ名は「litero&bildo」（リテロ＆ビルド）。コンセプトは「過去でも未来でも現在でもない。どこにもなく、近くにありそうな」ショートストーリー集。

第一弾の作家は市内の作家ワタナベサオリによる文章とイラストレーションの５本の作品「旅路」を収録。１０月より市内カフェ等飲食店、アパレルストア、映画館、アート関係施設に配布しております。

以下その内容を紹介していきますね▼

▲表紙デザインは初の試みがあります。それは平面と立体の組み合わせです。バックは油絵。手前の人形がオブジェです。その二つの組み合わせで、いろいろなデザインが考えられます。撮影はテイクを重ねました。でもバックの塔と人形を生かす配置は意外と限られており、当初考えていた案で落ち着きました。表紙と表４（裏表紙）はつながっていて、ひとつのショートストーリーになっています。

▲誌面本文基本デザイン。見開きのイラストレーションに、横書きでタイトル、縦書きで本文を配置しています。絵であり物語なのです。最初の作品は「頭が破裂する話」。つかみというところでインパクトがあり、本文も短めのものをセレクトしてみました。５作品収録しています。

▲　今回は本誌の発行と関連して展示やイベントを開催したので、その告知用フライヤーも制作しました。ポストカードサイズで両面４色の仕様です。表面は、本誌収録の物語の原画をトリミング。下部にシンプルにタイトル等を配置してます。タイトルは当初案では赤っぽい配色でしたが、上掲載の色に変更しました。このほうが落ち着きがいいし、原画ともマッチしていると思います。裏面は、基本スミのテキストですが、色も使っていてさりげなく４色印刷です。掲載情報が結構あるものですから、原稿を整理するのに少々苦労いたしました。企画が固まっていないとフライヤーが作れない。フライヤーを作ることは企画全体を見直す良い機会でもあります。

▲　クロージングパーティでは、作家の映像作品上映をおこないました。それには、プログラムがあったほうがいいかと思いまして。それで、来ていただいたお客さんへのノベルティ的な意味で、ポストカードでありプログラムであるアイテムを制作しました。表面は本誌には未収録のショートストーリーを収録。裏面がプログラムになっています。記録としても、ポストカードとしてもいい感じだな、と思います。

▲　ムジカホールカフェでのオープングパーティの様子。プロジェクターをセッティングしました。開場と同時に、今回のマグネットのコンセプトを説明したスライドショーを上映。パーティ中のBGVとしました。

▲　オープニングパーティでのスペシャルショー。原画をプロジェクターで投射し、女性ナレーションで朗読。外園一馬（BASIL）によるギター伴奏つけました。絵本を立体的に演出した内容でイイ感じでできたな、と思ってます。原画と可愛らしくクールなナレーション。外園くんの変幻自在のギターは魔法のサウンドトラック。自分で結構感動しました（笑）。ホント良かった。　

▲　クロージングパーティでは、ワタナベサオリの映像作品の上映が作家のトークをたっぷりはさみながら行われました。２１時までの予定でしたが、その後も時間オーバーで続いていきました。トークのお相手は本企画のイベント担当ATTICのカジタ氏。

▲　クロージングパーティでの一場面。作品のキャラクター設定のコンセプトボードです。制作した映像作品のキャラクターの設定資料や映像ソフト使用の様子や、制作メモ、撮影の仕方などスライドで紹介しながら作家自身のトークで進んでいきました。そのあたりにはクリエイターに大変興味深い内容になっていました。

　フリーペーパー「マグネット」による絵本「litero&buildo」のシリーズは今後も継続予定。次号の「マグネット」では通常の取材を中心とした内容を予定しているが、次の絵本の構想進めていきたいと考えています。

本企画について、ウェブマガジン、シフトにも寄稿いたしました。
http://www.shift.jp.org/ja/archives/2010/10/magnet29.html

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)