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映画コラム「ホリディ」

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Film Review 「ホリディ」

さぁ、正月だ。録画だめした映画を観る時期である。それがとっても大切。この時期を逃して「録画から1年越え」した作品は観る確立がぐっと低くなりそう。近ごろは全然、レンタル店を利用していない。CSの映画チャンネルから一日の合間に適当な番組をピコポコ録画しておく。そして、暇な時、観るというスタイルだ。

録画するチャンネルは「シネフィル・イマジカ」「ザ・シネマ」「ムービープラス」あたりかな。最近は「日本映画専門ch」も。JCOMの基本チャンネルです。有料のペーパービューは観ない。もったいない。

そうなると、レンタルの新作コーナーに並ぶような作品は観ることができない。当初は少し寂しい感じだったけど、慣れるとそうでもない。これで十分な気がするレンタルの会員証も随分使ってないな…観方が変わったのは、どうせお金がかかる訳ではないので(基本料金以外に)ホント、適当にセレクトすること。

おかげで、レンタルだったら絶対観ない(100円でも!)観ることになる。そのほうがいろいろ発見があっておもしろい。まったくつまらない映画というのは意外にないものだし、あったらあったで「完璧に退屈な映画」というのも貴重なのだ。どっちに転んでも損はない。

前置きが長くなった。そう、僕はレンタルだったら本作のようなキャメロン・ディアスが主演のラブコメって絶対借りないと思う。この女優基本的苦手なんだ。なんというか、いかにも「アメリカ!」という感じだよね。まぁ「メリーに首ったけ」や「チャーリーズエンジェル」は観てるけどさぁ。それは彼女目当てで観た訳じゃない。いや、別に不快感があるということではなくて、すごく典型的なキャラクターというか、同じというか演技下手なんですかね?

内容はライトなラブコメディ的。アメリカ、イギリスで失恋した女性2人が気分転換に2週間の休暇を取って、お互いの自宅を交換するというもの。そのやりとりはネットを行われる。これを「ホーム・エクスチェンジ」といって実際にあるみたい。へーたしかに、部屋や立地が決まり切ったホテルより楽しいかもねまぁ、僕は普通のホテルで十分嬉しいけどね。

それで、ディアスはイギリスのこじんまりとした家へ。そこでジュード・ロウに出会う。イギリス在住のケイト・ウィンスレットは、LAのディアスの豪邸へ行くことに。そして、ジャック・ブラックに出会うことになる。そこで新たな恋の予感、そんな話です。なんか、あっという間に恋仲になるのが旅先マジック!?と突っ込みたくなるけど、それは野暮な話。別にリアル指向の内容でないしね、ちよっとしたファンタジーとして十分楽しい。嫌みもない。話は予定調和なんで、2時間以上あるけど、ちよっと目をはなしても大丈夫。深読みすると、なんかいろいろありそうですが、まぁそれはいいやと思いました。

  他のキャストの話を。ウィンスレットはいい感じ。演技の幅もディアスよりずっとあって感情移入もしやすい。ロウといえば「エグジステンス」しか思いつかない僕ですが (嘘「ガタカ」もあったか)女心をとらえるイイ男を好演。同性も唸るところです。ブラックはいったい何をしてくれるのだろう?、と思っていて最後まで何もしてくなかった(笑)というのは少しジョークなんだけど、他作品のエクセントリックな要素は控えめなで、ロウとはタイプの違うイイ男を演じていた。演技は十分魅力的だ。

 最後に、ディアスのステロタイプさが、本作の脇役の演技を光らせ、魅力的にしているのかな、と思った次第です。

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フリーペーパーのお店「Only Free Paper」(東京)にマグネットが設置されました。

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「Only Free Paper」
東京都渋谷区渋谷一丁目22番11号 1F
Open / Close 11:00~20:00(火曜定休)



東京のフリーペーパーの専門店「Only Free Paper」
にマグネットが設置されました。


今年の12月10日、東京渋谷にフリーペーパー&フリーマガジンの専門店がオープンした。雑貨店やカフェにフリーペーパーが置いてあるのはよくあるが、この「Only Free Paper」(写真上)のようなフリーペーパーの専門店は全国的にも珍しいのではないだろうか。しかも東京の渋谷という立地も魅力的だといえる。店内は(写真下)はオシャレなアート系書店という雰囲気。

フリーペーパーは全国から集められ、僕の発行している「マグネット」も設置されています。このお店の方はブログで取り扱っているフリーペーパーのレビューも書かれていてマグネットも紹介されてます。フリーペーパーの発行は、制作はもちろんなんだけど、それを置いてもらうリアルなスペースも同じくらい大切。このようなお店がオープンしたのは、全国のフリーペーパー発行人に大きな励みになる出来事だと思う。

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Photograph by 「Only Free Paper」
Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)
 

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10.12.16 「札幌ビエンナーレキックオフパーティー」

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「札幌ビエンナーレキックオフパーティー」
日 時:2010年12月16日(木)18:30~
会 場:札幌パークホテル(南10西3)  


最近「ビエンナーレ」や「トリエンナーレ」という言葉を耳にしたことはないだろうか?これは、前者はイタリア語で「2年に一度」後者は「3年に一度」という意味。世界的には1990年代から活発になった国際美術展覧会を意味している。

国内でもさまざまな都市で開催されていて、例えば「横浜トリエンナーレ」は2001年より2年に一度開催。つまり、トリエンナーレ、ビエンナーレというのは美術展の開催のスパンを指している。こうした大規模な国際美術展の動きは「神戸ビエンナーレ」(2007)、瀬戸内国際芸術祭(2010)、あいちトリエンナーレ(2010)等、現代のアートを語る上で重要なキーワードとなっている。

 こうした国際美術展を札幌でも開催を実現する動きが今進行している。  

札幌初の国際的な芸術祭「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のために有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成され、昨年度よりフォーラム等のさまざまな活動を行ってきた。そして、去る12月16日市内ホテルのホールにて「札幌ビエンナーレ」のコンセプトについての基本構想の発表が行われ、市内の多くの経済人やアーティストが集まった。

基調講演としては、美術評論家 吉田豪介氏「北海道の美術史 異端と正統のダイナミズム」をもとに、今までの北海道の美術活動についてレクチャーがあり次に札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員長大平具彦氏の全体計画案概要の説明、そして、同美術監督端聡氏から主催事業と、アートプロジェクト構想の説明が行われた。本イベントには、上田札幌市長や北海道経済連合会会長・北海道電力会長 近藤龍夫氏も出席し、札幌ビエンナーレの方向性に賛同の意を表明した。

「札幌ビエンナーレ」は札幌を中心にしつつ北海道全体を視野に産業にもつながる「都市体験型ビエンナーレ」を構想している。そのプレイベントが2011年4月に北海道立近代美術館、同年11月に札幌芸術の森美術館で予定されている。今後の動きについては追って紹介していきたい。

▼ 以下、会場の様子を紹介していく。

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▲ 大型プロジェクターを使った説明の様子。

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▲ 会場には、経済人とアーティストという珍しくも思える組み合わせが集まったが、これらの融合が本ビエンナーレのコンセプトにもなっている。

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▲ 企画実行委員長 大平具彦氏(左)と芸術監督端聡氏(右)

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▲ 上田市長による挨拶。

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▲パーティ後半ではダンスパフォーマンスのショーが行われ、会場を盛り上げた

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▲ 来場者に配布されたノベルティのポストカード。

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)  

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映画コラム「森崎書店の日々」

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映画レビュー
「森崎書店の日々」(封切作品)

シアターキノにて。結論、主演の菊地亜希子が可愛い。可愛い。可愛い。可愛い。可愛い…歩いても可愛い。座っても可愛い。ふて寝でも可愛い。古本屋の店番なら僕はもうなにもいらない。これをあと100回ほど繰り返します。でも、やめます。まあ、なんか書くか。つまんない話でも。僕のゼミなしサークルなしの学生時代。よく北大近辺の古本屋めぐりをしていた。今よりずっと店舗があって、ちよっとした路地裏に小さな小さな古本屋がいくつかあって。中に入ると薄暗い湿っぽい店内。飾り気のなし。でも棚に並ぶ本の並び方は店主のセンスが鋭く光る。それはマニアックなDJのセレクトのよう。そう古本屋はクラブであり、レジはDJブース。それで、客はこの空間に並ぶ古本の背表紙に感銘を受ける…

おっ、なんかいい話だが、実はいいたいことは、さんざんは古本屋には行きましたが、菊地亜希子のようなお店番はいませんでした。いや、店番どころか、お客さんでもそんな方はまったくみたことがありません、というか女性をほとんどみたことがない。皆無。それがリアルです。今はいるのかなぁ。

本作では、お店の常連に奥さんに本捨てられる本ウンチクおじさんが登場するのだけど、そんな人はいた。いたいた。それはリアルだと思う。

さて、サブカルっぽい考察をしてみると、ついに「オシャレ映画」は神保町にも手を伸ばした訳だが、それだけでは、雰囲気映画のつまらない作品になっていたと思う。本作では、その点を最後のほうに主人公が「対決」するシーンがあって、これが凄くいい。これがなければ、本作はただのゆるゆるの「オシャレ」映画で終ってしまって、「なんだかなー」な感じなんだけど、その寒々としたシーンでひとつの主人公のドラマとしてピシッとした。そうそう、こういうのがないとダメなんだよなぁ。

キャストの書店長 内藤剛志はハマリ役。これも実際にはいなさそうなんだけど映画としてリアルだった。対して田中麗奈の文学部学生というのはやや謎かな。でも、主人公とのコントラストという部分ではいいと思う。主人公の表情で鏡で捉えたシーンがいくつかあって好きでした。あと、コインランドリーシーンで、なんとも女性のもやもやした心情が映画にウェットな感触を与えていたのは、後半の「対決」シーンにつながるいい伏線かな。

鏡を使った演出

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10.11.19-11.01.23 「カラー・パワー!色って不思議!!展」

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「カラー・パワー!色って不思議!!展」
会 期:2010年11月19日(金)〜2011年01月23日(日)
会 場:北海道立近代美術館(北1西17)
料 金:一般¥800/高大生¥400/小中生¥200

「どの色にしょうか」というのは普段の生活であまりにありふれた出来事。でも「色」には「歴史」があり、さまざまな「文化」が隠されており、そして高度な「技術」でもあるのだ。そんな「色」をテーマにした企画が開催された。この企画は本美術館学芸員によるオリジナルのものである。

「色」は芸術だけではなく、服、民芸品、おもちゃ等の工業製品、食べ物等あらゆるものに存在しており「色」について知り、考えることはざまざまな文化や表現の意味を考えることだと思う。

本展示では「色」について「暮らしの色」「花の色、空の色」「夢の色」「色の国」(ワークショップ作品)に分けて、身近にある色から、アーティストが取り組む色の表現まで展示がされている。ロビーには特別出品として、消防車「占風号」が展示(上写真)されている。消防車といえば赤!ですよね。展示の空間作りも魅力的で、身近で深い「色」というテーマでさまざまなジャンルの作品を楽しめるのは魅力的な企画だと思う。

以下、展示の様子を紹介していきます▼

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▲ 展示の最初にある服の展示。コム・デ・ギャルソンなどのブランドが「黒」を基調としたことは画期的な点のひとつだった。また和服の展示もおこなわれている。

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▲いろいろな展示の様子。全体の照明は暗めになっていて、作品にスポットで照明が当たり個々の作品の「色」について集中できるようになっている。平面、立体、インスタレーションふうの作品などバリエーションは多彩で飽きさせない。

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▲本展示の作品の会場レイアウトは、暗めの空間作りの中で「色」の世界に迷い込んでいるようで歩いいても楽しい。写真は田中敬一のオリジナルの照明効果機を使った作品「Amibient colors 色光霞」。

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▲ ダム・ダン・ライと札幌市立二条小学校4年生とのワークショップから生まれた作品「色の国」

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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10.10.29-11.01.23「モンパルナスの灯 エコール・ド・パリの群像」「Northern Aspects #03 中江紀洋 時の彼方へ」

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「モンパルナスの灯  エコール・ド・パリの群像」
「Northern Aspects #03  中江紀洋 時の彼方へ」

会 期:2010年10月29日(金)〜2011年01月23日(日)
会 場:北海道立近代美術館(北1西17)
料 金:一般¥500/高大生¥250

「これくしょん・ぎゃらりぃ」とは本美術館の常設展。現在、上記の2つの展示が開催されている。ひとつ目の「モンパルスの灯」(▲上写真 展示風景)は芸術家街として知られるパリのモンパルナスにて1910から30年代、様々な芸術家たちがこの街で創作してきた作品を展示されている。ふたつめの「Northern Aspects#03」(▼写真下2点)は道内の作家を紹介していくシリーズ。今回の作家 中江紀洋は「一貫して過去と現在をつむぐ『時』をテーマ」にしてきたという。とてもダイナミックで魅力的な作品が展示されていた。

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Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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10.10.30-11.01.16「三岸美術館でマ〜ルみつけた!」

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●「三岸美術館でマ〜ルみつけた!」
会 場:三岸好太郎美術館(北2西15)

期 間:2010年10月30日(土)〜1月16 日(日)/ 9:30 -17:00(入場16:30まで)
休館月曜(12/29-1/3,1/11休館) /料 金:一般¥500・高校大学生¥250

*中学生以下&65歳以上は無料。毎週土曜日は高校生無料・団体割引あり

 「おばけのマール」とは、札幌在住のイラストレーター中井 令と石狩市在住のライターけーたろうによる絵本「おばけのマールシリーズ」の主人公。2008年に発行された第4作目「おばけのマールとちいさなびじゅつかん」中西出版)では北海道立三岸好太郎美術館を舞台にマールが三岸作品のマリオネットや女の子と交流していく作品となっている。今回、その絵本の原画と新作も加えた展示が開催されている(▲写真上)。冬のふと時間が空いた時、この美術館を訪ねてみてはどうだろうか。この企画展示と常設展も見応えがあるし、併設のカフェでお茶を楽しむの素敵な時間の過ごし方だと思う。以下、館内の様子を紹介していこう▼

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▲ 1Fの常設展示の様子。2Fにもあり三岸好太郎の世界をじっくり楽しむことができる。観るごとにその作品の世界観に発見がありそうで楽しい。

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▲2Fにあるマールの絵本の制作過程についての展示。興味深い内容。

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▲1階併設カフェに展示されていたマールの作品。このカフェにいるマール。

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)  

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10.9.18-09.20『リトルプレス+』

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「高遠ブックフェスティバル『リトルプレス+』」
会 期:2010年9月18日〜20日(月・祝)
会 場:高遠図書館(長野県伊那市高遠町西高遠810-1)
料 金:入場無料

「高遠ブックフェスティバル」とは、長野県伊那市高遠町で開催されている、「ブックツーリズム」(本を核とした観光のスタイル)を基本とする町おこしのイベント。今回で第二回目を迎えた。

期間中「本」をテーマにしたさまざまな催しが町全体を会場にして開催され、同時にこの町の自然や町の雰囲気も楽しんでもらう内容になっている。イベントのひとつ「リトルプレス+」では、高遠図書館(▲写真・上)を会場にリトルプレス(小規模出版物)やフリーペーパーが全国から50誌以上が集められ販売・展示が行われた(▼写真・中)。また、発行人を迎えたトークセッションも開催。本誌「マグネット」も展示させていただきました(▼写真・下)。機会があれば足を運んでみたくなる素敵なイベントだと思います。

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Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)
Photograph by 「高遠ブックフェスティバル」

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自炊について考える。

ひとりの仕事の帰り道。もう20時すぎ。以前なら夕食作るの面倒くさいから、「食べていこう」「買っていこう」の2択だったのだけど、最近、両方苦手になっている。

まず、前者については、ひとりという状況では近所で、よほど家では食べられないおいしさ!という感じでないと、店に行くテンションがなくなってきている。後者については、手近なところでコンビニに入ってもホント、食べたいものがない。立ち読みなどをしながら思い出したように店内をグルグルまわるのみ。4年前くらいなら、毎日外食オッケー、コンビニ弁当大好きだったんですけどね。きっと、人間にはコンビニ利用のリミッターがあって、僕はもう一生分食べてしまったのかもしれない。

そういう訳で、今は「店に行ったり、買ったりするのが面倒だから、家で作ろう」という思考パターンになってしまった。自炊をするようになると家になんだかんだ食材があるので、なんとかなりそう。まず、パン、パスタ、米、うどん、お好み焼きの粉、ホットケーキ粉は必ずある。冷蔵庫にはお肉、野菜2〜3種類、魚はなにかはある。味噌もある。これに缶詰もあるから、食事はどうにでも作れる。後は組み合わせのと組み合わせである。

なんて、偉そうに書いたけど僕が作る料理なんで、ナベ、フライパンでひとつで作れる簡単なものばかり。カレーを作るのは僕では凝った料理になる(笑)。最近は、ブームになっているルクエ(シリコンのレンジ調理容器)は前から使っていて、これはホント便利である。冷蔵庫の残り物を適当にカットして、塩、コショウでもかけて、バターか、オリーブ油でも使って、調理するば自分的にはおいしい食事となる。あと、炊飯器で作るまぜこはんもいいなぁ。

 「自炊すると、お金の節約になる」というはちょっと考える必要があると僕は思う。それは、同時にイコールではなくて「自炊すると、お金の節約の可能性がある」というところじゃないかな。今の感覚。

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「仮面ライダー THE NEXT」

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FilmReview
「仮面ライダー THE NEXT」

 まずは、マズイ話から。映画に大切なポイントのひとつは最初のシーンだと思う。その点、本作はダメダメな感じがした。

 引きこもりでアイドルオタクが怪奇現象に襲われるシーンなんだけど、それがなんともよろしくない。ジメジメした暗いシーンで、いや暗いのはまったくいいのだけど、そこはファンタジーな怖さというかホラーな演出が欲しかった。でも、このシーンは、ひきこもりの息子に対して食事を用意する母親という「家庭問題」を見せられるのは、こんな母親がきっと現実にいるんだろうなぁ、と想像させてただツライ。本当ツライ。僕なんの作品観ていたのかしら。「仮面ライダー」だよなぁ。この違和感は、ほかの静的なシーンにもあり最後まで違和感があった。違和感が、おもしろい意外性に転化してればいいのだけど、そうでもないんだよなぁ。

 ただ!アクションシーンは最高。ホント凄い。ライダーの魅力いえば「バイク」と「格闘アクション」。これが迫力満点でキチンと描かれているのが素晴らしい。これがいいんだよなぁ。アクションのひとつひとつにキチンと考えてぬいて、洗練させていった印象があって好感がもてる。クリエイティブな愛がここにはある。

 僕はオリジナルのライダーが持っていた「怪奇」のイメージは好きなので、本作の基本的なアイディアがいいと思う。ただ、ストーリーや演出がどこかで観たようなJホラー風味なのが残念。

 本作はアクションはこのままのクオリティを維持しつつ、また意欲的なリメイクを期待したいなぁ。

 

 

 

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FilmRview
ウェドロック(1991)

 
最近ふと「ブレードランナー」のことを思い出して、この作品主要キャストがみんないい味だしているけど、結果的に大スターになったのはハリソン・フォードだけだよねーと思う。そんで「ブレードランナー」でのフォードの普通具合というのがなんとも良い味を出している。ハリソンフォードとSF。この水と油なところが実は作品にリアリティを与えるのだな、と僕はふと思うのです。「スターウォーズ」も同様。そういえば、フォードのわりと最近の現代舞台作品「ファイヤーウォール」では役柄がコンピューター技術者というのも違和感あったしね。

 さて、今回観たのは「ブレードランナー」では、フォードの敵役として強烈な印象を与えたルトガーハウアーの主演作。近未来アクションという感じかしら。舞台がかなり近未来らしく、気を抜くと現代かなと思ってしまう。結構、低予算の映画なのかな。セット類がショボく91年の作品だがさらに10年前くらいの作品に思えてきて、テンションはやや下がる。ただ、そこさえ割り切ってしまえば、刑務所脱出という最後まで観させるテーマはあるので、悪くはない。

 しかし、ハウアー太ってるのがキツイかな。役で太ってる必然性がないので、単なる不摂生な感じがしてややマイナス。でも、恋人に裏切られたコンピューター技術者で犯罪者という味はうまく出してると思う。これはフォードには難しいだろう。

「ブレードランナー」のような、強烈なビジュアルイメージも謎も余韻もない作品だけど、101分というワクで退屈させない佳作としておもしろかった。



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MAGNET 30 「札幌演劇 納谷真大 過去 現在 未来」

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「札幌演劇 納谷真大 過去 現在 未来」
 

発 行:2010年11月発行  / 版型:B5、オールカラー16P
編  集:MAGNET  協 力:北海道舞台塾実行委員会
配 布:公演会場、札幌市内カフェ、アート施設等に配布予定。
問い合わせ:qzj12432@nifty.com

2002年に創刊された札幌発のフリーペーパー「マグネット」の30号は北海道舞台塾公演「ぐるぐる、しない」の公式ペーパーとして、上演作の演出・脚本・出演をおこなう富良野塾出身の納谷真大のロングインタビューと、本作のキャストについてインタビューさせていただきました。お聞ききしたテーマとして札幌演劇についての「過去・現在・未来」について、お話いただいているので大変興味深い内容になっているかと思います。

▼ 以下、誌面のメイキング的なお話です。

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▲ さて、今回の納谷さんの北海道舞台塾作品では3回目の今号は表紙をどうするか悩みました。1号目では納谷さんの顔アップ。2号目ではキャストの写真。さて、次は?というところで、今回内容を考えた時、3年にわたって納谷さんの作品を制作、上演するという本企画の今回は3年目ということで、納谷さんが富良野塾から、札幌で活動を始めたころから、舞台塾での本企画、そして今回の作品の意気込みについて納谷さんにロングインタビュー行うことにしました。そうなると、表紙は納谷さんにしよう、ということに決めました。モノクロの写真というのは1号と同じパターンですが、メガネをかけて、タイトル類をカラフルにしてます。ちよっと風変わりな昔の映画ポスターふうな感じは気に入っています。撮影はコンカリーニョの舞台で撮影です。


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▲ 誌面。納谷さんロングインタビューページ記事。全4ページの最初の2ページです。撮影は同じくコンカリーニョ。今回は撮影写真は表紙からバック黒というパターンで統一してます。黒比率高いです。上の写真では座席に座った納谷さんに対してスポット照明をあてて撮影してます。今回はコンカリの照明スタッフの方に協力いただいて、いろいろなテイクを試させていただきました。僕も照明の設置してある天井ゾーンにあがってみたのですが、コレが怖かった。簡単な足場で照明機材がずらり。下は座席。高い!ちよっとクラクラ。照明の方は縦横無尽に動いていて照明を調整していました。凄いな〜感心するばかり。照明の足場がカッコ良かったんで、ここで撮影できなかなーと一瞬考えたりしました。 

インタビュー記事は、納谷さんの札幌に来てからの演劇の制作について、かなり本音で書いてあって、読み応えのあるものになっております。演劇の興味のある人はもちろん、そうでない人にもクリエイターが作品の裏で考えているコトがリアルに感じられるかと思います。

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▲ 3つあるキャストインタビューのひとつです。今までキャストのインタビューの写真については1号目では、教育文化会館の、エレベーター、トイレ、敷地内等。2号目では取材先のカフェ等で。今回はどんなパターンでいこうかな〜と思った時、今回のテーマが「札幌演劇の過去 現在 未来」ということですから、写真は舞台でということでコンカリーニョ。要するに今回の撮影はすべてコンカリです。それで、役者の方にちょっと演技ぽい雰囲気でステージに出てもらい撮影しました。この演出は納谷さんにディレクションしてもらいました。

インタビューは、演劇のキッカケから、現在に至るまでの話と札幌の演劇全般についてお話をいただいております。役者さんの世代によって、答えが変ってくるのがおもしろい。上記の写真の、武田さん、今井さん、児玉さんの組み合わせはジェネレーションがそれぞれ違うので、答えも変ってきて居興味深いです。それに武田さんのユニークな語り口は、演劇をあまり知らない人にもおもしろいかと思います。

 今回は、インタビューと撮影を別々に実施して、手間はかかりましたが舞台での撮影というのはなかなかおもしろかったです。またトライしてみたいですね。


Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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Free paper MAGNET  「札幌演劇 納屋真大 過去 現在 未来」
MAGNET29  マグネット・生活をデザインする無料の読物 

Cover Design:rocketdesign  
フォトグラファー:奥山奈々
発行人&編集者:石川 伸一(NUMERO DEUX) 
アートディレクター&デザイナー:菊池 信悟(rocketdesign
制作協力:北海道舞台塾実行委員会

Publisher:NUMERO DEUX ニュメロデュー
お問い合わせ:qzj12432@nifty.com

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ありきたり毎日について思う。

日々について、記憶すべきテーマがないことはない。あって忘れてしまっているのだ。誰でもなにも語るべきテーマのない一日はないと思う。自分がありきたりだと思うから、ありきたりとなる。本当は平凡な一日というのはどこにもないのだ。平凡だと思うから、平凡になる。ありきたりや、平凡に逃げてはいけない。今の時代、どこにも逃げ場はないのだ。それが閉塞感となっている。

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