映画コラム「ウォール・ストリート」(2011年2月全国封切予定)
FilmReview
「ウォール・ストリート」(2011年2月全国封切予定)
「今、売りだ!」「ここで買え!」「FX」「ホリエモン」といったマネーゲームは自分にはまったく無縁。ニュースを見ても「ふーん」という感じ。正直、それで大儲けした人に憧れはないなぁ。「お金があっていいなー、アマゾンでいろいろ買物できるなー」とは感じるけどね。
儲けるならなにか「製品」を作って…それは洗濯機でも、コーヒーメーカーでいいのだけど、それで大儲けのほうがずっと憧れる。「あのカッコいい洗濯機を作ったのは僕なんです!」というふうに語れるのがいいなぁ。いや、別に大儲けでなくてもいい、ちよっと儲けでいいから自分の作った製品で、それに人に喜んでもらうほうが精神的にずっと楽しい。マネーゲームで儲けてもそんな楽しみはないでしょう。まぁ、本を書いたり、講演したり、TVに出たりするけど、それはあくまでメインじゃないしね。僕はやっぱりなにかを作るほうがいいねぇ。
本作はチャーリーシーン主演の「ウォール街」の続編。24年ぶりの続編ってなかなかないんじゃない。よほどファンの人じゃないかぎり前作を忘れてるかも。でも、心配無用。別にコレだけ観ても話はわかります。
最初にマネーゲームには興味ない〜みたいに書いたけどさぁ、お金をめぐって欲望丸出しのドラマが、オシャレなスーツを着込んだ男たちの中で展開するのは映画の題材として魅力的だと思う。映画だと現実と違って結果だけじゃなくて裏側まで見えるから、おもしろく感じるかと思う。とっても下世話だけどね。
本作を観るのに、証券の仕組みに詳しい必要は全然ない。ストーリーはわかりやすい。証券マンで成り上がろうという野心的な主人公が、伝説の証券マンと出会う。主人公の恋人は実は伝説の証券マンの娘だった…複雑なプロットとかはないので、サラリと見せる。展開もありがちなんだけど、その分安心して観られる感じ。これは嫌みじゃなくて、安心できる作品って大切だと思う。キモはマイケル・ダグラスのうさん臭さの魅力で、最後まで引っ張ってくれる感じかな。
本作を観て、ちよっとおもしろく感じたら、前作の「ウォール街」を観るのもおすすめ。これも安心できますよ。