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映画コラム。潜水艦は狭い。

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Film Review 「ビロウ」 (2002)

 あらすじ:舞台は第二次世界大戦中のイギリス潜水艦。任務を終え本国へ帰還中に撃沈された医療船の3人の生存者を救出する。それから艦内では怪現象が続出。加えて敵攻撃の恐怖も。そして、この潜水艦には艦長がいなかった。その真相は?

密閉感のある映画が好き。その訳は自分が映画の出演者になったように気分にひたりやすい。逃げられない、逃げ切れない感じがイイ。代表的なジャンルとしては、ハイジャックものとか宇宙船ものね。

そして、その次は潜水艦ものかなぁ。これも逃げられない。宇宙船なみに密閉感高くスリルが高い。軍用潜水艦の殺伐として、人がようやく一人歩ける感じの通路いいなぁ。密閉感を盛り上げる。

さて、本作は戦争中が舞台なので、いつ敵駆逐艦から爆雷攻撃をうけるかスリル満点。一個でも爆雷が至近距離で爆発すれば海の藻くず。そんな交戦のスリル感と密閉感、そこにさらにホラー、サスペンスの要素を盛り込んだの本作である。

  まず、いいとこ。映像がキレイ。艦内セットもかなり良く出来てる。リアルです。また爆雷を耐えるシーンでは潜水艦の怖さがが出ていて、僕もオシッコ漏らしそうです。爆雷こわい。

次にわるいとこ。ホラーとサスペンスの処理がどうも良くない。僕はサスペンスだけで良かったような気がする。監督としては非現実(ホラー)と現実(サスペンス)を絡み合わせて、よりオリジナルティの高い作品にしたかっのだと思うのだけど…そのせいで、なんかよくわからないだけの作品になった感じがする。

きっと、デビッド・リンチみたいな感じを狙ったのかなと今思ったけど、それならもっと全体的に非現実オーラがあったほうが良かったよなぁ。もっと歪んだ感じがね。ホラーシーンが「13日の金曜日」のようなコケ脅し感があってガッカリ。

「敵攻撃の恐怖」「3人の救出者」「艦長の謎の死」という魅力的な要素があるのだから、映像に凝りつつ、ストーリーは現実的な路線が良かったのかな、と思った次第です。すごく惜しい感じ。魅力とカッガリ感が交差するモヤモヤとした映画でした。

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MAGNET 31 「函館の観察点」2011.05

Mag31

MAGNET31号
仕様:A5サイズ/オールカラー18ページ
2011年5月中旬配布予定

特集:函館の観察点
View Point Hakodate
観光ではなく、「観察」。「街」を考えるための函館案内 With 渡辺保史

今回は、北大準教授であり情報デザインについて著作もある渡辺保史と「函館」の文化的な考察をとおして「まち」について考えてみました。

目 次
Spole 特集

"Observe Hakodate Thinking Spot×7" P3-P6
函館のスポット紹介。
本誌編集長が渡辺保史の函館おすすめのスポットを
ひとり週末取材。

「渡辺さんとの立ち話」P7-P10
まちづくりの方法、マグネットの企てのために(対談記事)

Npole 小特集 P11-P14
「函館で『営む』人の声を聞く」
セレクトショップアンディ/カフェやまじょう
ギャラリー村岡/カフェ マウンテンブックス 

 

 

 

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11.04.03 MAGNETフォーラム「札幌というまちを編集する」レポ

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▲フォーラムの様子。左から石川伸一(MAGNET),後藤 一也(UHBディレクター), 猪熊 梨恵(札幌オオドオリ大学学長),加賀城 匡貴(スケルツォ),渡辺 保史 

【札幌ビエンナーレ・プレ 連携企画】
Free Paper MAGNET主催フォーラム
「札幌というまちを編集する」
〜「まちづくり」は「まちをデザイン/アートすること」

日 時:2011年4月3日(日)14:00〜16:30

会 場:北海道立近代美術館 2階映像室


料 金:メール予約700 / 当日1,000円   入場者50名限定
進 行 :石川 伸一 / 渡辺 保史 
ゲスト:
後藤 一也(UHBディレクター),猪熊 梨恵(札幌オオドオリ大学学長),加賀城 匡貴(スケルツォ

札幌ビエナーレ・プレの連携企画として、僕の発行しているフリーペーパー「マグネット」主催のフォーラムを4月に開催しました。テーマは「まちづくり」。これを企画したワケと当日の様子を以下紹介していきます。

僕自身、もちろん「まちづくり」というコトバを知っていましたし、そういう活動が札幌であるのも知っていました。でも、ではそれはなんだろう?という素朴な疑問がありました。その本質がどうも僕には理解が難しくて、そういった活動には傍観者でありました。

ただ、ここ数年自分でもこのテーマについて、活動をしてみよう、してみたいという要求が生まれてきました。でも、いったい何をすればいいのだろう?、自分は何ができるのだろう? それらを考えるために僕はフォーラムを開催することにしたのです。北大で教えていて情報デザインについて著作もある渡辺保史さんと一緒に。

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▲参加者には後半ではグループを作ってもらって、ディスカッションをしていただきました。

ゼロから一緒に考えたかったので、ゲストの方々も表現活動をしていても直接的に「まちづくり」活動をしていない方に出演をお願いしました。会場の受付は札幌のデザイン・ユニットFutabaの2人が担当。来場者にスムーズな対応をができました。

「まちづくり」関係者がひとりもいない「まちづくり」フォーラム。それで有料。はたして足を運んでいただけるだろうか?と正直とても不安でしたが、札幌ビエンナーレ・プレと同一会場であって来やすかったためか補助椅子も出すほどお客さんに来ていただきました。年齢層も高校生からご年配の方と幅広いのも嬉しかった。いろいろな人に来て欲しかったのです。

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▲今回のフォーラムのフライヤー(左)と会場エントランス受付のサインボード。札幌というまちの版下をアナログな版下作業で作っているデザインイメージです。デザインはMAGNETのアートディレクター菊池信悟(rocketdesign)

フォーラムは全部で2時間半ほど。前半ではゲストの紹介。僕がインタビュー形式で、それぞれの表現活動についてお話をお聞きしました。そして休憩を挟んで、第二部では、大喜利形式でゲストにお題の回答をスケッチブックにマジック書いて回答。この進行は渡辺保史さんが中心に。

お題は「札幌のまちを何を編集したいですか?」「まちの編集するためには何が必要?」「10年後の札幌はどうなって欲しい?」ということです。それぞれの回答にゲストの個性が出てとっても興味深い話題が展開ができたと思います。

また加賀城 匡貴(スケルツォ)にフォーラムの中でオープニングや、休憩前、テーマの転換のところで2〜3分程度のライブ・パフォーマンスを入れました。フォーラムという固くなりやすい場の中で、いいアクセントになりました。こういうパフォーマンスを入れるスタイルは今後もやりたいですね。

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▲参加者のみなさんに配布した「まち」をテーマにした僕たちが発行しているフリーペーパー2種。左は札幌出身の作家、森田たまの特集。右は最新号「函館」を取材した一冊。

ゲストのトークが終わった後に、お客さん同士で今回のテーマについて、少し話してもらうことを提案。そして話したことをグループごとに発表してもらいました。見ず知らずの方と話し合いをしてもらってことは、とてもいいことだったと思います。そして最後に質問コーナーを経て終了しました。

アンケートの回収率も9割という手応えもありました。この結果はゲストの方々が忙しい中、真剣に取り組んでいただいたことと、ゲストトーク後会場の参加者のトーク、質問コーナーの盛り上がりがあったからかと思います。

本フォーラムはまた、やりたいと考えています。今後もよろしくおねがいいたします。

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▲ これは下準備の時の会場チエックの様子。この会場はプロジェクターがあるのとメモができるテーブル付の椅子がいいな、と思いました。

※本フォーラムについては、マグネットのアートディレクターも菊池信悟もブログ書いてます。http://rocketdesign.org/blog/?p=812

Photograph by Shingo Kikuchi(rocketdesign)(最後の写真はのぞく)
Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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(最終日)11.04.02-04.10 「札幌ビエンナーレ・プレ企画2011 美術館が消える9日間」

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「札幌ビエンナーレ・プレ企画 2011
—アートから出て、アートに出よ。― 美術館が消える9日間」

会 場:北海道立近代美術館 
会 期: 2011年4月2日(土)- 4月10日(日)

主催:札幌ビエンナーレ・プレ企画 実行委員会
http://www.sapporo-biennale.jp/

【出品アーティスト石倉 美萌菜 / 磯崎 道佳 /伊東 篤宏/伊藤 隆介/梅田哲也/金子 良(のびアニキ)/黒田晃弘/contact Gonzo/鈴木 涼子/高橋 幾郎/トーチカ/初音“スクラッチ”ミク/結城幸司


● 感じれれた未来への方向性。
   札幌ビエンナーレ・プレ最終日レポ。

先日、初日のレポートを書いてみた。それに対になるレポートとして最終日のレポートと全体的な感想も書きたいと思う。

本プレ企画には4000人の来場者があったそうだ。札幌ビエンナーレ・プレは地元発の企画であり、かつ特定の主催スポンサーはいない。実行委員会はボランティアを基本とした有志の団体である。その点を考えると、とても注目を集めた企画であったと思う。

僕はこの9日間は、慣れ親しんでいた「近美」が違って見えたと感じた。今までのイメージは公共の施設然とした静粛な美術館空間であった。それが、今回のビエンナーレ・プレでは、展示と同時にフォーラム、ライブやダンスパフォーマンス、映画上映などが17時以降も開催されたためか、美術館は活動的な空間になっていたように感じる。そこが新鮮だった。

美術館は、過去の記録を展示したり、現在の一部を切り取って展示するためだけの密室空間ではない。外の社会に密接に結びついて、活気ある表現を現在進行形で紹介でする場であっても欲しいと思う。

僕は札幌でのビエンナーレに一番必要なのはこの地で人々を引きつける「活気」だと思う。その点について今回のプレ企画から「活気」感じられたし、それは正しい方向性だと思う。

ビエンナーレ・プレの第二弾は秋の10月29日から、札幌の芸術の森で開催される。次回もぜひ注目して欲しい。

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▲by 金子 良(のびアニキ) ドジ、他者とのコミニュケーションがうまくとれない、というキャラクターをテーマに展示会場から街中でも活動を展開。今回の展示では複数のインターホンで観客と会話をすろというアートパフォーマンスをみせてくれた。

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▲by 磯崎 道佳 カラフルに装飾されたビニールに覆われた空間が作られていた。中には木製のテーブルが配置され、そこに来場者が「言葉」を刻みこめるようになっている。体験型の作品であり子どもからお年寄りまで自分の言葉を書いたり、目を通していた。

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▲ by トーチカ 男女2人組のユニット。空中にペンライトで絵を描いていくワークシップを全国で行っている。今回は、東日本大震災にむけた応援メッセージの作品を展示していた。オープニングイベントでも素晴らしいパフォーマンスをみせてくれた。トーチカの展示の様子。インタビューも実施しました。

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▲ by 初音“スクラッチ”ミク   パーテションに仕切られた独立した光のない空間。中に入ると中心に置かれるオブジェ。その前に立つと、オブジェが光を放ち、サウンドが響く。初音ミクが作り出す「音」と「映像」の世界。

 

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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11.04.29-05.01 "LOPPIS 2011〜SAPPORO INTERIOR & CAFE WEEKEND" 

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LOPPIS 2011 SAPPORO INTERIOR & CAFE WEEKEND 

日  時:4月29日(金)〜5月1日(日)11:00-19:00時(最終日17時まで)
場  所:札幌市中央区北3東5 岩佐ビル1F 
   (サッポロファクトリーの北側にある赤茶色の建物)

http://loppis.tumblr.com/

●GWは旅行もいいけど、ゆっくり自宅のインテリアを考えるのも楽しい。好きです自宅。そんな方々には嬉しいイベントです!

LOPPIS(ロッピス)とは道内の個性的なインテリアや雑貨のお店&カフェ等が、この日だけに集まって3日開催される週末マーケット。今年で2回目をむかえる。会場は札幌ファクトリー隣にある築70年の岩佐ビル。ここは現在はデザイン事務所や、演劇スペース、お菓子屋さん等に使われているが、もともとはラムネ工場。ふつうのオフィスビルとは違う雰囲気が魅力的。魅力ある場所での魅力的なマーケット、楽しみに行ってみよう。

出店<インテリア・雑貨> スーク札幌メトロクス札幌プレッセ、ヴァーサ、カナタアートショップピッコリーナリアリズムウェッセンゾーイデザイントロニカ36ポトボアノラックシティnouerベッカン、<花> BREATHVERY <クラフト> 点と線模様製作所、旭川クラフト、
<フード>pippin寿珈琲建築とカフェカンナ、ラムヤート、ドロッピエ、エルダー、チルアウトクック、ロヴァニエミ, マルシェ・ド・ピエール

<ワークショップ>
Ribbonesia


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▲ 会場は2つのスペースに分かれる。上写真はインテリア・雑貨系のスペース。

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▲リボンを使ったアートプロジェクト「Ribbonesia(リボニシア)」のブース。ここでは小鳥を作るワークショップ及び作品の販売も。上は特注のリボンを使用した作品。動物がモチーフに使われている。

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▲ これは作品と作品カードとのセット。パッケージも魅力的。

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▲ Ribbonesiaのアートディレクター上田亮COMMUNE)

Text&Photo by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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