味わいの2人
Film Review
「ナイトホークス」(1981)
あらすじ:主人公(スターローン)はNYのおとり捜査官。爆破テロリスト(ハウアー)捜査のために特別任務に命じられることになる。
スターローン映画というと「ロッキー」や「ランボー」のイメージ。だけど、そのくくりで考えてしまうと、この俳優の魅力を語るのはもったいない。アクションだけに注目するのはもったいない。そんなことを最近ふと思うのです。冷やし玄米茶を作りながら。過去に想いめぐらせます。
ブーム当時はシュワルツネッガーのほうが好みでした。シュワは「ターミネーター」がなければ成功はなかったのかな、と思う。スターローンの場合、もし「ロッキー」や「ランボー」がなければどうなったのだろう。「ターミーネーター」がなかった場合、シュワは早々と映画俳優から足を洗っていた気がする。もともと強い俳優への意思はなかったように感じられるし。
でも、スターローンはずっと俳優(映画界)で生きているようなタイプ。もし、2大ヒットがなかったら…それでも俳優をやっていたのでは。そんなパラレルワールドのスターローンをも観てみたい。脚本・監督もこなすタイプだから、目立たないけど味わい深い俳優(監督・脚本家)になっていたのではないか、どうだろうそんな印象を本作を観ながら思う。
本作のスターローンは普段は時には女装して、ひったくりを捕まえる刑事である。別れた妻にも未練があって修正中。実はベトナム戦争では優秀な兵士である隠された経歴もあるだけど、それを元にスーパーヒーローにはなっていない。スパイス程度。
スーパーではない、ところに本作の魅力はある。悪役はルドガー・ハウアー。彼といえば「ブレードランナー」である。本作では良くも悪くもブレランを引きずる感じでしたね。でも、彼は本作ではブレランのような超人ではない。彼女役のパーシス・カンバータとは良い組み合わせだった。
本作はあえて控えめな2人。ニューヨークを舞台に地味めに活躍するのはなかなかの見所。最初の夜の追跡シーンが良かったなぁ。
ラストは作品世界やハウアーの存在感が妙にこじんまりした気がしますが、若干のガッカリ感が味にはなってる。
冷やし玄米茶は8時後にできます。楽しみです。そう、本作は僕にとって玄米茶かな。渋く味わい深い。だけど、とっても貴重という訳でもない。