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11.11.27"Scene to Show from the Sound vol.4"

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SapporoArt Scene Repo Nov.2011
音楽を言葉で言葉で音楽。
Slow Flow Rec presents "Scene to Show from the Sound vol.4"
2011/11/26(sat) at kitchen TORONJA(南3条西9丁)

open / start 19:30 adv/door 2,000yen [1 drink]
Stage:Toshimura Nakamura / Mark Trayle/ YAMAOKA / kokoz


ンビエントとか、エレクトロニカとは電子音楽のジャンルを指す用語。具体的には、激しく踊るための音楽とは逆に位置する、ゆったりとした音楽であり、そこに電子音楽特有の音色の豊かさ深さや実験性が表現される。僕のイメージとしては、音の中に無音も含めた「間」のある音楽で、そこがまたいい。ここまで書いてみて、知らない方にはどこまで伝わっただろうか? 言葉で音楽を紹介するのは難しい。でも音楽で音楽を紹介できない以上、言葉で説明をしないといけない。それがテキストの役割だと思う。

11月の後半。師走の入口の直前の週末の夜、市内のカレーショップにてエレクトロニカ、アンビエントを感じさせるライブイベントが行われた。上写真は最初にライブパフォーマンスをみせてくれたYAMAOKA

お店は特に派手な装飾もなく、照明も明るめ。ステージ場所には各アーティストの機材があらかじめセットされており、それだけがライブを予感させる。シンプル。でも、そこがいい。一夜のステージはこの日だけのもの。演奏者とお客さんが共有することになる。気分転換になるなぁ、というのは素直な感想。ライブはやっぱりいい。

Text & Photo Shinichi Ishikawa / NUMERO DEUX

 
 

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映画コラム「RAILWAYS」

Railways

Film Review「RAILWAYS」(2010)

あらすじ:主人公は東京で妻と娘を持つ一流電器会社の49歳エリートサラリーマン。ある時、部下へのリストラ命令と同期の事故死、母の病気に直面して、会社を退職。地元で夢だった電車運転手になることを決意する。

● ファンタジーだから成立する作品。
  これは批判ではなくて、そうするべきなのだ。

運転手は子供の憧れ職業のひとつだと思う。子供からお年寄りまで乗せてあげて給料をもらう、という仕事内容のわかりやすさ、「乗り物の運転」という子供の興味のあるコト。それらの想いは年を重ね、社会というのを知るについて失われる場合も多い訳です。まぁ、そんな複雑な事情はヨコに置いておいて作品にしてみたのが本作であります。

上のあらすじとおりで展開も予想の範囲。ライトな娯楽作品で、家族でデートで若者からお年寄りまで楽しめます。キャストも主演の中井貴一、高島礼子、脇役も橋爪功、佐野史郎、宮崎美子という抜群の安定感のベテラン勢。ヒロインの本仮屋 ユイカもフレッシュで全方位な魅力も安心。王道の庶民派な素敵なお嬢様。彼女は別に鉄子じゃないけど「つかえるもは大事に使う」という視点で鉄道に理解アリというのが観客の共感を得ます。

主人公は一流会社員ですから、きっと早期退職で退職金タップリ、妻はお店オーナー、娘は父の退職に大変理解ありで、就活を放り出しての主人公母の看護。もう家族のスキなしです。その一体感は最後まで変わりません。主人公がクビになりそうになれば、お客さんらが社長に直談判。

理想論のファンタジー映画といえばそれまでですが、地方鉄道の待遇の問題というのも少しですが描かれてもいます。でも、基本的にはただ楽しむ映画だと思います。あえていえば自分なりの幸せの価値観を考えたくなる作品でありました。

本作は、同様のテーマで続編も作られるとのこと。多分、次作では、うまくいきすぎの本作に比べて、いろいろな軋轢が描かれるかと思います。ただ、リアル軋轢がありすぎると本作の「子供のころの夢を、年を取ってからの挑戦」というカルシタスが失われる訳で「こんなにうまくいく訳ないじゃん」とツッコミつつ、本作の抜群の安心感はキモだとは思う。そのあたりの釣り合いを、次作でどうとるか興味はあるので観たいですね。

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「表象としてのサブカルチャー「変容する」ファノンーメタモルフォーゼ・ファノンの複数形」

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札幌芸術の森の展示の中の札幌市立大学と北海道大学の研究展示ブース

生のファノン
Sapporo Art/Culture News

札幌ビエンナーレ・プレ企画「表現するファノン−サブカルチャーの表象たち」学生ブース、「表象としてのサブカルチャー「変容する」ファノンーメタモルフォーゼ・ファノンの複数形」


札幌芸術の森にて展示されるサブカルチャー

現在、先のニュースでお知らせしたとおり、札幌芸術の森にて公的な美術館としては大変珍しいサブカルチャーをテーマにした展示企画が行われている。1ヶ月におよぶ期間も11月23日(水)までと、終わりに近づきつつある。興味のある方はお見逃しなく。ホントこんな企画はしばらく札幌ではないと思う。

会場は札幌郊外だが地下鉄とバスのアクセスは良い。体感としてはそんなに遠くないですよ。個人的に地下鉄真駒内駅の出た光景が好きなので、それも楽しみです。車の方には駐車場もありますしね。僕は取材の関係でもう何度も足を運んでいるのですが不思議に飽きない企画です。展示室内にメイドカフェやイベントがあったり動的な要素があるかもしれない。また、展示が「作品=作家」という構造にこだわっていないからかもしれません。

学生によるサブカルチャー、「ファノン」の考察、図録も。

さて、今回は本展示のひとつの話題として、学生によるゾーン「表象としてのサブカルチャー「変容する」ファノンーメタモルフォーゼ・ファノンの複数形」をピックアップして紹介しようと思う。これは、札幌市立大学デザイン学部メディアデザインコース有志、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院有志による展示である。タイトルにあるファノンとは、表現する個人が オリジナルを題材に二次創作作品を生み出すことを指す。消費者が消費するだけでなく能動的に創作を始め、二次創作の連鎖それ自体が文化を形成しているのである。

社会人でもアーティストでもない学生による表現。ファノンに対しての彼らの視点はなんらフィルターのない「生」のものである。ここには「生のファノン」に対する彼らの考察がある。この展示はファノンというテーマをより立体的に理解するために有意義なものだろう。

本学生展示については図録もネット上でアップされている。
http://issuu.com/sbpre.scu/docs/sbpre.scu_exhibitioncatalog_japanese/1


Shinichi Ishikawa / NUMERO DEUX

2011.10.29-11.23
札幌ビエンナーレ・プレ企画「表現するファノン−サブカルチャーの表象たち」
会   場:札幌芸術の森 
開館時間: 9:45〜17:00(入場は16:30まで)月曜休館、ただし10月31日は開館
入場料:前売一般800円(当日1,000円)、高大生500円(当日600円)、小中生無料
チケット販売:道新プレイガイド、大丸プレイガイド
http://www.sapporo-biennale.jp/

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2011.10.28-11.20「蒲原みどり絵画展」

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News / Sapporo Art Scene

アート×家具>地産。
2011.10.28-11.20「蒲原みどり絵画展」

会   場:
カンディハウス札幌道央支店(札幌市東区北13条東1丁目)

ここ10年くらいインテリアの選択肢はとても増えた。僕が中学生のころには家具は「家具屋さん」という婚礼タンスのイメージが浮かぶ郊外の大型店で買うものであった。しかし、今はフランフランや無印良品のような雑貨店の延長で家具を扱うお店がいろいろできたし、個人のユニークなお店も増えた。インターネットで国内外のお店から直接購入もできる。僕はインテリアはシンプル、木目で、ちょいと観葉植物が似合うインテリアがいいですね。いいものは高価でついつい間に合わせで買う場合も多いですが…。

さて、お好みの家具があればインテリアが完成するのか。いや、もうひとつ大切なものがあります。それは「アート」。アートは家具とちがって、座ったり、しまったりする実用面がない代わりに、より好みが大切になってくる。家具の選択肢が増えたわりには、アートの選択肢がまだ足りない気がする。

北海道旭川を拠点とする家具メーカーカンディハウス。その道央店にて、市内在住のグラフィックデザイナーでありアーティストでもある蒲原みどりの個展が行われた。彼女の作品は先鋭的でモダンな部分と同時にどこかホッさせるナチュアラルな作風であり、個性がありながら主張しすぎない、インテリアとよくとけ込む条件がクリアされていると思う。カンディハウスの家具は木目を生かしたモダンな家具だが、北欧家具とはひと味違う日本的モダンを僕は感じる。

北海道の家具とアートを家に飾る。僕は地産地消は無理をしてまで行う必要はまったくないと思う。でも、結果的にはこの地で生まれたものはこの地で使うのが一番しっくりくるのではないだろうか。インテリアやアートを探す時、まず地元で作っているものも探してみる、というのもひとつの方法だと思う。良いものは案外身近にあるのかもしれない。

Shinichi Ishikawa / NUMERO DEUX

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11.11.01-13"APPROACH to ART and DESIGN"

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News / Sapporo Art Scene
アート/と/デザイン相思。

2011.11.01-11.13"APPROACH to ART and DESIGN"

会   場:Room11 artspace 
出品作家:伊藤千織 プロダクトデザイナー 藤沢レオ (彫刻家)/村田佳彦 (漆作家)/山本雄基 (画家)/Julia Lohmann (デザイナー)

アートとデザイン。その違いというのは深いテーマ。取材で「僕はアーティストだからデザイナーにはなれない」とか、逆に「私はデザイナーだからアーティストとは違う」といった話を受けることがある。さて、これは分けて考える必要があるのか?自問してみる。理屈として分けて考えることは可能だし、分けて考えないといけない場合もある。反面、いやいや分けずに自由に考えようぜ!というのもまた必要なのだろう。結局のところ、アートとデザインは敵でも味方同士でもない微妙な相互関係かと思う。それによって、お互いの存在意義を説明できるのではないか。

「デザインとアートの接近」というコンセプトの展示がおこなわれた。僕にはとても興味のあるところだ。作品を観で感じたのは、少し緊張感のある居心地の良さ。リビングではなくオフィスという感じか。上記のとおり僕はアートとデザインは決して、仲良し友達ではないと思うし、なってはいけないと思っている。なぜならアートとデザインが仲良くなったら、お互いのアインディティの危機ではないかと感じるのだ。それは両方を弱めてしまう。その点、5人の作家の作品はとてもシャープな形でアートとデザインを「接近」していると感じた。

アートの持つ自由感と、デザインの持つストイック感が良い感じに作品となっていた。少し距離を置いた気持ち良さを僕は感じたのだ。

Shinichi Ishikawa / NUMERO DEUX

 

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11.10.18-10.30「佐々木秀明展」

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News / Sapporo Art Scene
静かな中に何かがある。

2011.10.18-10.30「
佐々木秀明展」
会   場:ト・オン・カフェ


僕はその空間の中にずっといたい。

静粛な場が好きである。なにもない場ではなくて、なにかが確実にあって、でも静かな空間がいい。身を置きたい。そんな場所は自然や都市の中に、ふと偶然のように存在する。またアートとして作られる場合もある。それはインスタレーション(空間芸術)という形で表現されることが多い。静粛な中のにある、なにかを感じたい。その時、時間の流れが変るような気分になる。

中島公園そばのギャラリーカフェにて、市内在住の現代美術作家、佐々木秀明の個展がおこなわれた。佐々木秀明は光を用いた立体作品を中心に制作している。会場では、立体作品より発せられる光が壁面を照らすことによって、独特の空間が作られていた。立体作品の存在や光は人工的なものだが、どこかアナログ的で心が落ちつく。僕の好きな静粛な空間がここにあった。

Shinichi Ishikawa / NUMERO DEUX


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