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札幌ビエンナーレ・プレ企画 実行委員インタビュー004 山本 謙一 (やまもと・けんいち)

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札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員インタビュー004
運営委員長:山本 謙一(やまもと・けんいち)

 札幌初の国際的な芸術祭「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のために有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成され、第一弾として、今年4月に北海道立近代美術館で9日間(4/2-4/10)展覧会が開催される予定だ。 

 今回は運営委員長の山本 謙一(建築家/アウラ・アソシエーツ都市建築設計所長)にお話を聞いてみた。山本は海外からアーティストを招聘・滞在させて作品を制作してもらうアート事業を行っているS-AIRの元代表、現在は理事として見守っている立場で、その視点はビエンナーレにおける「ひとづくり」「まちづくり」にあるようだ。

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『札幌ビエンナーレは展示表現とそれを可能にする「持続性のあるクリエイティブなまちづくり」=「創造的なひとづくり」という地域目的で進めるべきだと思う』Interview with Kenichi Yamamoto

 

「私は運営委員長をしています。自分の仕事は本祭まで目を向けてどうアウトラインを作っていくか、札幌ビエンナーレを次世代の人間を育てる孵化器として機能させることを考えています。あと商工会議所等の関連活動も行っているので、そこと美術界をつなぎあわせるという役割もあると思います。

アートNPO法人S-AIRにおける10年の事業40か国のアーティストを招聘して作品制作と展示をしてもらいました。 そこでは限られた中でメデイアコンテンツ、食、観光、教育、医療福祉分野等とアートに関して、地域の生活芸術文化にどんな可能性があるのか官学民のコラボレーションを通じて国際市民交流のまちづくりをエクササイズしてきました。その経験と感触から、この札幌にはこうした事業を担う人的潜在力育ってきており、より充実した広がりのあるこの活動に関しては、意欲的な明日を担うスタッフに育成の場として、おまかせしたいと思っています。

ビエンナーレは本祭を2014年に想定しています。すると、今一番に考えるべきは中期計画の視点です。具体的にそれはチーフ・スタッフの育成だと私は思うのです。20代〜30代の人に力をつけてもらって、彼らの時代を作る足がかりをつくりたい。ひとづくりができれば良いアウトプットにもつながります。そして、それを更に次世代につないでいくというシステム構築の場でもありたいですね。その意味で志と視野を広げるお手伝いができればと思っています。

企画である程度成果を出すというのは確かに重要ですが、人材も予算も限られている為、無理をして、人が燃え尽きたり、経理が赤字になって持続性が無くなるのを私は一番心配をしています。プレ企画は規模の大きさを一番に求めるのではなくて、しっかりとした世界的な通時性と共時性、そして新たな地域性の予感を醸成したコンセプトワークを編出し、そしてここが重要ですが、それを共有、展開、そして浸透できるようキッチリすべきだと思います。そんな風に展示表現のコンセプトを小規模でもいいから語れる、そんな可能性のカタマリを表現してゆくことをめざすといいですね。

ビエンナーレの目的にはまちづくりも重要な位置づけとなります。まちづくりはひとづくり。それが札幌市のかかげる「創造都市」というテーマにもつながっていく。創造的なひとを作って創造的な場を作る。もちろん経済社会活動においてもより創造的な経済人や市民をより多く輩出してゆける地域を目指すべきです。それには持続性が必要となる。

従って、札幌ビエンナーレは2年一度やる美術展ですから、展示表現とそれを可能にする「持続性のあるクリエイティブなまちづくり」=「創造的なひとづくり」という地域目的で進めるべきだと思う。地球市民として絶えず世界最新動向を現場から嗅ぎ取る事ができ、そこから地域を見つめ、地域資源を国際交流互恵関係であらゆる分野へ繋ぎ、魅力発信し、そして常に見直し検証する、そんなプラットフォームとしてのひとづくり活動がビエンナーレ活動の本質の一つだと思ってます。」

Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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映画コラム「ザ・パッケージ/暴かれた陰謀」

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Film Review
「ザ・パッケージ/暴かれた陰謀(1989)」

● 冷戦舞台の前でハックマンは活躍。仲間とね。

ひと昔前の映画で国際モノならとりあえず「冷戦構造」というのをバックボーンにすれば、なんか頭の良さそうな作品になったのかもね。

本作は核兵器撤廃条約を妨害する陰謀という感じで、なんか古そうな設定だな、と思ったら20年以上前の作品だ。十分古い。アクションシーンもCG時代以前という感じですなぁ、といってもそんなにアクションないか。軍服をたくさん出るとアクションも多く感じる法則。

話は最初に書いたとおり。だからオチも予想はできます。主人公のハックマンは叩き上げな感じの軍人で頼れる安心して観られる設定。共演のトミー・リー・ジョーンズが人気が出る少し前。若くて初々しくて、凡庸な敵キャラ実働部隊の中でキラリと光る。ハンサムな感じなのは新鮮。反骨的なキャラは昔からか。

本作を政治サスペンスというには、ちよっとヒネリはなさすぎ。ハックマンを活躍させるための書き割り舞台が冷戦構造。結局、ヒーローオヤジであるハックマンの都合の良い感じで進むので映画としては凡作。ハックマン、ワナにはまり指名手配されるのだけど、軍人で自分より偉い元奥さんや、ベトナム時代の戦友の助けを借りて活躍する様子は水戸黄門的楽しさ。めでたしめでたし。なんかラストのアクションシーンが「ジャッカルの日」ぽいのは僕の考えすぎか。

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11.01.20「押井守 ゲスト SAPPORO次世代コンテンツ産業創造プロジェクト 第2回プロジェクト会議」

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「SAPPORO次世代コンテンツ産業創造プロジェクト
   第2回プロジェクト会議」

 催:インタークロス・クリエイティブ・センター
日 時:2011年1月20日
会 場:札幌プリンスホテル別館パミール
ゲスト:押井 守(映画監督)・山下 卓(小説家)

押井守を招いたクリエイティブなプロジェクト

札幌市デジタル創造プラザ、通称インタークロス・クリエイティブ・センター(ICC)は豊平区にある市が運営するクリエイターの育成・支援施設。ここではクリエイターへオフィスやイベントスペース、映像編集室などの提供、機材の貸し出しから、マーケティング支援、ワークショップ等も行っている。これまでアニメーション作家、ミュージシャン、演劇関係者、映像作家等多種多様のクリエイターが入居して活躍をしている。

本施設にて昨年より「SAPPORO次世代コンテンツ産業創造プロジェクト」がスタートとした。これは、アニメーション・プロデューサーであり本施設のアドバイザーである竹内宏彰がリーダーとなり「クリエイター」と「企業」が取り組む産業創造を目指すプロジェクト。

全3回のシリーズで各2日間の日程で国内有力ゲストを迎え講演および札幌のクリエイターとのワークショップ行う内容だ。第一弾は昨年12月にゲストとして、現代美術家として世界的に知られる村上隆が登場した。

そして、今年1月の今回はアニメーション映画「攻殻機動隊」で世界に名を知られた映画監督、押井守が招かれ、1日目市内ホテルにて基調講演が行われた。その様子を紹介していこう。客席より壇上右側に席が用意され、ICCのチーフコーディネーター久保俊哉氏による紹介で押井守氏が登場した。カジュアルな格好で、髪は短くしていた。押井守氏というと長髪のイメージがあったので意外だった。

マイクにスイッチが入ると、自分は話すことは仕事ですが講演という形で一方的に話すのは得意ではないですね、と語りスタートした。それからは、自身が演出家として業界に入った当時のアニメ業界の状況から、「攻殻機動隊」で世界的な注目を浴びたことについての自分の状況の変化、世界に通用するためには表現を「特化」することが大切だと語っていった。

ここで、今回の企画のテーマに、一番、関係した発言を紹介したいと思う。

「札幌からクリエイターが世界に直結する、ということはとてもいいことだと思う。必ずしも東京を経由する必要はない。ただし、世界で活動しようと考えるクリエイターには『なぜ、世界なのか』というのを意識して欲しい。僕は重要なことを2回言います。『なぜ、世界なのか』というのを考えて欲しい」

また、講演最後に質問のコーナーがあった。学生より映画監督に必要なことを教えてください、という質問に対しては、

「人間関係を作れない人じゃないとダメですね。それができない人はやめたほうがいい。自分も得意ではないのですが、なんとかやってきた。人に伝える、飽きさせない、引きつける、こっちをむかせる、他人に自分の言うことを説得することが監督の仕事だと自分は思う。素質じゃなくてスキル。監督になりたかったら、まず、自分の家族を説得する、友人を説得する、職場のとなりの人を説得して、それができたら会社の上司を説得する。これらができないとなれないと思う」

押井守氏は、話し始めるとよどみなく言葉が続いていく。決してハッキリとした聞きやすい話し方ではないのだが講演というよりも、もっと身近で話をしているような感じで、その魅力に引き込まれていく内容だった。

現在の自分の国内での作品作りの難しさを話しつつ、最後に「でも、今、とっても楽しいですよ」と語り、プライベートで凝っている空手についても触れて「空手をやると、体にもいいし、お酒もうまい」と微笑みながら語る押井守氏は、なんともつかみ難い印象もあり、同時に強いバイタリティを感じた。 次回の本プロジェクトも注目して欲しい。

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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映画コラム「金閣寺」(1976)

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Film Review
「金閣寺」(1976)

 日本映画専門チャンネルの番組、「ATGアーカイブ」で観た。
原作、三島由紀夫の「金閣寺」は読んでいません。

主演の篠田三郎といえば、僕の記憶は「ウルトラマンタロウ」の主人公なのですが本作では絶対にウルトラシリーズの主役が無理なキャラクターを演じています。

話は太平洋戦争の終わりころから始まります。主人公は子どもの頃から、父親からこの世でもっとも美しいものとして「金閣寺」を教えられます。空襲の激化から、金閣寺は近日、失われていることを予感します。同時に自分の死も予感する訳です。戦争のため。死にむかう方向に結構ワクワクな主人公。

しかし、間もなく終戦になり金閣寺は相変わらず健在。主人公はしょうがなく大学に行くのですが、どうもヤル気がでません。友達もできません。でも、足が生まれつき曲がっていて、それでモテモテの友人ができて、そのおこぼれで、いろいろラブなチャンスがまわってきますが、それでもヤル気が出ません。いつも顔はしかめっ面。人生いいことないなぁと思います。母親の市原悦子は無駄にプレッシャーかけてきますし。

この作品戦時中のシーンから、主人公は恋心をもった女性が彼氏に殺されて心中という事態になったり、戦地を赴く兵隊に母乳を杯で飲ませるシーンをのぞき観たり、戦後は米兵に無理矢理妊娠した売春婦の腹を蹴るのを強要されて、最初イヤイヤだったのがだんだん本気になってきたり、比喩なのか、単にねじれているのか、わからないシーンがわんさか出現します。

それでも品よくアートな感じでまとまるのは篠田三郎のなんとも潔癖な雰囲気かもしれません。さすがウルトラマンタロウ。あと市原悦子のセックス・シーンが何度も出てくるのもなんとも得しない気持ですが、かといって不快でもないのが、この名女優の存在かもしれません。イコン的なんだよね。アートです。

みんな知ってるネタバレですが、最後は主人公が金閣寺に放火して、とっても素敵な笑顔をみせてくれる篠田三郎が素晴らしい。ホント嬉しそう。画面にむかって、良かったね!と肩を叩きたい気分。僕も思わず前向きな気持ちになってきたぞ。僕も自分が一番美しいと感じているものが燃えるいると嬉しい気分になるのかしら。自分の手によっての破壊というのがいいのかなぁ。

本作は、金閣寺を使って撮影できず、かといってセットも作れず「金閣寺」というタイトルなのに金閣寺がほとんど登場しないのが無駄にアートな雰囲気を盛り上げてくれます。










 

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札幌ビエンナーレ・プレ企画 実行委員インタビュー003 中森 秀一(なかもり・しゅういち)

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札幌ビエンナーレ・プレ企画
実行委員インタビュー003
プレ企画副実行委員長: 中森 秀一(なかもり・しゅういち)

札幌初の国際的な芸術祭「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のために有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成され、第一弾として、今年4月に北海道立近代美術館で9日間(4/2-4/10)展覧会が開催される予定だ。

今回は副実行委員長の中森 秀一(建築家)にお話を聞いてみた。その中で一番注目すべき情報として 今年11月に札幌芸術の森美術館にて開催されるプレ企画の第二弾について興味深い情報を教えていただいた。それは「全方位」というコンセプトに通じる、国内でも初となるコンセプトの美術展が開催されるようだ。

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『北海道はよく特色は食べ物とか、自然が注目されるけど僕は自由で新しい表現ができる「精神性」も特色なんじゃないかと感じる。』

『アウトサイダーアート(知的障がい者の作品)という言葉を無くして、みんな一緒で「いいものはいい」という考え方で美術展をやりたいと思った』
Interview with Shuichi Nakamori

「僕はプレ企画実行委員の副委員長で、全体を総括して進行管理をしています。簡単にいえば、進み具合を見て「遅いぞ!」と文句をいう係(笑)。皆の憎まれ役を買ってるつもりです。なぜなら、こういった大きな企画は、みんなでなぁなぁでやってはうまくいかない。約束事を守って、できるだけ予定どおりに進めていくのがとても大事なんです。今の状況としては4月の近美での企画にむけてフライヤーのデザインやチケットの販売体制を進めています。全体の4割くらいが決まりつつあります。まずまず順調に進行していると思いますよ。

次にお話ししたいのは、私の発案で11月に札幌芸術の森美術館で開催されるプレ企画の第二弾のひとつに、アウトサイダーアートと呼ばれる知的障がいのある作家の作品展示をすることです。それはなぜか?今からお話していきますね。これは札幌ビエンナーレ・プレ企画のコンセプトにもつながるものだと僕は思っています。話はさかのぼりますが、93年に東京の世田谷美術館で「パラレル・ヴィジョン」という企画を観ました。それは出品作家は、みんな知的障がいのある方で美術界では「アウトサイダーアート」と呼ばれるものでした。僕はこの美術を初めて観てえらい衝撃を受けましたね。こういうジャンルがあるんだと。これだけ文化や芸術が越境して垣根のない世の中になっているのに、アウトサイダーアートというふうに分けることはナンセンスなんじゃないかな、と考えた。これを壊したい、アウトサイダーアートという言葉を無くして、みんな一緒で「いいものはいい」という考え方で美術展をやりたいと思った。それが札幌ビエンナーレ・プレ企画のコンセプトである「全方位」にも通じるものだと僕は思っている。

11月の芸森では、今、話した私の想いに基づく障がいのある作家の作品展示をやります。ただ、それは看板としては出さない予定です。プロフィールを見たらわかる、という程度にとどめて他の現代美術作品と一緒に展示したい。そして同時に必ずやりたいのは、この展示をテーマにしたシンポジウムの開催。この企画には僕は一番燃えています。ビエンナーレ・プレ企画第二弾のひとつの重要な柱になると思う。道外よりゲストキュレーターとして、はたよしこさん、小出由紀子さんにご協力いただく予定です。ふたりともアウトサイダーアートについて第一人者です。

北海道には細かいところにはこだわらない大陸的な良さがある。こうした企画をやるのに国内ではふさわしい土地なんじゃないかな。北海道はよく特色は食べ物とか、自然が注目されるけど、僕は自由で新しい表現ができる「精神性」も特色なんじゃないかと感じる。この企画が「北海道だからできたんだ」といわれることが、とても重要な意味があると思ってます。」

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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11.10.29-12.18 札幌ビエンナーレ・プレ企画 2011 in 札幌芸術の森

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札幌ビエンナーレ・プレ企画 2011
—アートから出て、アートに出よ。

会 場:札幌芸術の森美術館
会 期: 2011年10月29日(火)- 12月18日(日)
主催:札幌ビエンナーレ・プレ企画 実行委員会




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札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員 インタビュー002大平 具彦(おおひら・ともひこ)

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札幌ビエンナーレ・プレ企画
実行委員インタビュー002
プレ企画実行委員長:大平 具彦(おおひら・ともひこ)

札幌初の国際的な芸術祭「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のために有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成され、第一弾として、今年4月に北海道立近代美術館で9日間(4/2-4/10)展覧会が開催される予定だ。

前回、美術監督である端 聡に話を聞いて出展作家の選定が進んでいることがわかった。今回は実行委員長の大平 具彦(北海道大学名誉教授)に札幌ビエンナーレのコンセプトについて話を聞いてみた。その内容から札幌ビエンナーレは単なる国際美術展ではなく北海道の経済にも深く結びついた、この地に大きな創造力をもたらす可能性のある出来事だということがわかる。



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『アートがアートという枠組みそのものから出て、社会環境や経済活動の中にまで入り込み、その血管となってゆくということですね。』
Interview with Tomohiko Ohira

「札幌ビエンナーレは、めざす本開催は少し先で、先ず「プレ企画」から始まるのですが、考え方やテーマは、実は大変アンビシャスです。それは、札幌ビエンナーレのコンセプトである「アートから出て、アートに出よ」という言葉に凝縮されています。私自身とても気に入っているのですよ。

ひとつは、アートは人間の脳の創造的インフラだという認識です。これまでは日常感覚的にも文化制度的にも、芸術とは衣食住が足りてたしなむ高尚なもの、何か特別の才能を持った人が表現する独特の世界として考えられてきたのですが、そんな風に狭く限られるようなものではなく、私たちの生き方やスタイル、知覚や脳の働きの構成成分そのものだととらえられるようになってきたのではないかと思います。そうでなければ、日本も含め世界中でこんなに多くの芸術祭やビエンナーレが開催されるはずはありません。何か大きな地殻変動のようなものが起きている気がします。おう、ならばシガラミのないこの札幌で、その輪郭を太く描いて、芸術そのものを再起動させてみようではないか、それが「アートから出て、アートに出よ」という言葉の一つ目の意味です。その最初の試みが4月の道立近代美術館での展覧会。楽しみにしていて下さい。

でも、そのようにつくられたアートも、実際に社会的に流通しなければ、従来までのままです。今、世界の色々な都市で「創造都市」が大きな潮流になっていて、札幌も「創造都市宣言」をしています。アートが持つ創造的な価値を生かして、アート自体が製品を新たに開発してゆく創造産業を立ち上げ、それを通して都市環境を豊かにしてゆく、そうした考え方です。アートがアートという枠組みそのものから出て、社会環境や経済活動の中にまで入り込み、その血管となってゆくということですね。これが「アートから出て、アートに出よ」という言葉の二つ目の考え。札幌ビエンナーレはアンビシャスにそれを大きな目標に立てています。現在、実行委員会の中で、そのためにはどういう枠組みをつくり出してゆくか議論中です。4月の道立近代美術館での催しの中で、経済とアートをテーマにしたシンポジウムなどできればと考えています。美術館でアートと経済が出会う——、斬新でしょう?

私自身、芸術と文化を研究テーマに大学勤めをしてきましたが、2年前に大学(北大)を定年退職し、大学とは別のことをしたいと思い、今や札幌ビエンナーレにすっかりハマっています。やりがいのあるプロジェクトに関わることができ、とてもハッピーと思っているんですよ。」

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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Intervew 関係者インタビュー

Interview
「札幌ビエンナーレ・プレ」を支える実行委員
のインタビュー。
 

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001 美術監督 端 聡 
002 実行委員長 大 平  具 彦
003 副実行委員長 中 森  秀 一 

004 運営委員長 山 本  謙 一
005 事務局長 西 川  吉 武 
006 実行委員 木 野  哲也 

007 実行委員 柴 田   尚    
008 実行委員 沼 山 良明 

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11.03.16-04.27 「THE BEGINNING −Exhibition of Hybrid Generation」

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"THE BEGINNING −Exhibition of Hybrid Generation"
会 期:2011年3月16日(水)ー 同月27日(日)/ 10:00−20:00
会 場: 札幌PARCO新館5F
料 金:入場無料

参加アーティスト:analog / 森本めぐみ / 冨田哲司 / 藤井晋也 / 石黒翔 / 阿部真大 / 小助川裕康 / 富樫幹 / John Miles Runner / 千葉有造 / 樫見菜々子 / 武田浩志 / 菊地和広 / 藤倉翼 / 斉藤幹男 / 川上大雅 / tera / 森迫暁夫 / DKC with KEY PHOTO / 野沢桐子 / EXTRACT(フライヤー・ポスター制作)

● パルコ新館5階を会場にした作品展示イベント。

「日常を刺激するものは、何だろう? 新しい価値を創造するのは、誰だろう? あらゆるジャンルを融和し昇華する、新世代のアーティストたち。 北海道に拠点を置きながら、国内外で活躍する彼らの表現が、 札幌におけるカルチャーの中心地・PARCOに集結。 その「現在進行形」のクリエイションが、 新たな地平を切り拓く!」

[オープニングパーティー]3/19(土)18:30-20:30 入場無料
[スペシャルトークセッション] 3月26日(土)18:00

sapporo 6hによるUST中継あり/来場者多数の際、立ち見の場合あり。

 

ゲストレクチャー:「社会、アート、コレクション」宮津大輔(現代アートコレクター) シンポジウム:宮津大輔 × 武邑光裕(札幌市立大学デザイン学部教授)× 木野哲也(RAW PLAN )× 地元アーティスト等

展覧会に関する問い合わせ:RAW PLAN Tel. 011-299-6380(TO OV cafe内)
会場に関する問い合わせ:札幌PARCO Tel. 011-214-2111(代表)

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11.04.02-10 札幌ビエンナーレ・プレ企画 2011 in 北海道立近代美術館

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札幌ビエンナーレ・プレ企画 2011
—アートから出て、アートに出よ。
― 美術館が消える9日間

会 場:北海道立近代美術館 
会 期: 2011年4月2日(土)- 4月10日(日)
休館日:4月3日(月)
開館時間: 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
入場料:
一般1,000円、学生600円、 小中生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料
団体は10名以上
チケット販売:道新プレイガイド、大丸プレイガイド、4プラプレイガイド
主催:札幌ビエンナーレ・プレ企画 実行委員会
http://www.sapporo-biennale.jp/

お詫び:2011.3.4までの上記 入場料の表記について間違えがありました。
「一般前売券800円(当日1,000円)」は「
一般 1,000円」の誤りです。訂正いたしました。


【出品アーティスト】

石倉 美萌菜 / 磯崎 道佳 /伊東 篤宏/伊藤 隆介/梅田哲也/金子 良(のびアニキ)/黒田晃弘/contact Gonzo/鈴木 涼子/高橋 幾郎/トーチカ/初音“スクラッチ”ミク/結城幸司

【美術館内イベント】

★印は、本展覧会のチケットまたは半券で入場できます。

●[オープニングレセプション] ご招待制
日時:2011年4月2日(土)17:00〜
会場:北海道立近代美術館1Fエントランスホール
パフォーマンス予定:トーチカ/contact Gonzo/祭太郎/熊谷拓明&ダンススタジオマインド(舞人)

●アニメーション上映[現代アニメーション総進撃!]

札幌発アニメーションプロジェクト共催

※本展チケットとは別に、下記チケットが必要。


日 時:4/3(日)11:00〜15:30

会 場:北海道立近代美術館 講堂

料金:3プログラム通し券・・・1,500円(限定100枚)シアターキノにて2/19(土)発売開始
1プログラム入場券・・・一般800円/学生500円(当日のみ)※各回完全入替制、「シンポジウム」は無料


<上映プログラム>


11:00〜Aプログラム・・・「インディーズレーベルCALF特集 〜
             
日本を代表する作家たちの短編アニメーション」
12:15〜Bプログラム・・・「札幌・注目のアニメーション作家たち」


13:30〜シンポジウム・・・「現代アニメーションの進撃を大いに語る!」
          
※ゲスト:水江未来、TOCHKA、他札幌の作家も予定

14:15〜Cプログラム・・・「現代アニメーションの祭典『TOKYO ANIMA!』札幌上陸編!」


Web  http://a-yaneura.com/shingeki/
お問い合せ:札幌発アニメーションプロジェクトono@a-yaneura.com (担当:小野)

★トークショー[ハーブ&ドロシーにあこがれて トーク編]シアターキノ共催

「ハーブ&ドロシー」の佐々木芽生監督によるトークショー。
アートとともに暮らす、ハーブ&ドロシー的な生き方って?
日 時:4月3日(日)15:45〜  

会 場:北海道立近代美術館 講堂

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★ダンスパフォーマンス[as if・・・]

日 時:4月3日(日)16:00〜

会 場:北海道立近代美術館 展示スペース内

出 演:熊谷拓明、北海道ダンスプロジェクト(HDP)
———————————————————————————————————————————————★ライブパフォーマンス 

ご招待制※入場の際に、本展覧会のチケットまたは半券を提示してください。
東京、大阪から、国内外の音楽および美術シーンはもとより広範囲に活躍する二人を招き、日本を代表するサウンドアーティストに札幌のユニットを加えた3組による、先鋭的で衝撃的なライブパフォーマンス!
日 時:4月3日(日) Open 17:30 / Start 18:00 / Close 20:00

会 場:北海道立近代美術館 展示スペース内

出 演:伊東篤宏(オプトロン奏者、サウンドアーティスト)
梅田哲也(サウンドアーティスト)
「あの世のできごと」(高橋幾郎:音楽/室野井洋子:コンテンポラリーダンス)
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★公開授業[展覧会の舞台裏 —キュレーターって何をする人?]札幌オオドオリ大学共催

日 時:4月9日(土)13:00-15:00

会 場:北海道立近代美術館 展示スペース内

講 師:札幌ビエンナーレ・プレ企画2011 キュレーター
参加方法:札幌オオドオリ大学HP上にて、学生登録(無料)と授業申込が必要です。
※授業詳細は、3月上旬に札幌オオドオリ大学HPにてお知らせいたします。http://odori.univnet.jp/
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★ダンスパフォーマンス[DAY BREAK]

日 時:4月9日(土)15:00〜

会 場:北海道立近代美術館 展示スペース内

出演:EXCEED、北海道ダンスプロジェクト(HDP)
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ライブ演奏&ダンスパフォーマンス ご招待制
※入場の際に、本展覧会のチケットまたは半券を提示してください。

札幌を拠点に活動し多分野からも注目を集める、アヴァンギャルドかつ先鋭的なアーティスト3組によるライブ演奏と、ダンススタジオマインド(舞人)によるダンスパフォーマンスの競演!
日 時:4月9日(土) Open 17:30 / Start 18:00 / Close 20:00

会 場:北海道立近代美術館 展示スペース内
出演:ダンススタジオマインド(舞人),角煮(まえだあおい:ギター&うた、おざきゆみ:ドラム&うた)
,塚原義弘(musical-instruments)古立太一(live-electronics)
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●シンポジウム[札幌ビエンナーレはどうあるべきか?]

日 時:4月10日(日)14:00-16:00 

会 場:北海道立近代美術館 講堂

料 金:入場無料

ゲストコメンテーター:加藤種男(アサヒビール芸術文化財団事務局長),パネラー:武邑光裕(札幌市立大学デザイン学部教授),柴田尚(NPO法人S-AIR ディレクター)
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●【美術館内イベント 連携企画】
フォーラム[MAGNET主催フォーラム—札幌というまちを編集する]


日 時:4月3日(日)14時より2時間程度(13:30開場)

会 場:北海道立近代美術館 2階 映像室

料 金:メール予約 700円・当日1,000円 ※入場者50名限定

お問い合わせ:qzj12432@nifty.com

詳 細:http://numerodeux.jp.org
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【関連イベント】

■ 映画上映[アートを楽しむ映画鑑賞]協賛企画
日 時:2/12(土)〜3/4(金)『バスキアのすべて』 
   
    3/12(土)〜3/25(金)『ようこそ、アムステルダム美術館へ』
   
    4/2(土)〜4/22(金)『ハーブ&ドロシー』

会 場:シアターキノ(札幌市中央区狸小路6丁目南3条グランドビル2F)

<アートを楽しむ映画鑑賞ラリー>
3作品有料でご覧の方、先着50名様に「札幌ビエンナーレ・プレ企画2011」入場チケットをプレゼント!

お問い合せ:011-231-9355
http://theaterkino.net
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■[THE BEGINNING —Exhibition of Hybrid Generation]共催企画

日 時:2011年3月16日(水)〜3月27日(日)10:00—20:00/土曜10:00—20:30 
※会期中、営業時間が変更となる場合がございます。
会 場:札幌PARCO新館5F、大通〜札幌駅地下歩行空間北2条交差点

料 金:入場無料
参加アーティスト:Analog/森本めぐみ/冨田哲司/藤井晋也/石黒翔/阿部真大/小助川裕康/富樫幹/John Miles Runner/千葉有造/樫見菜々子/武田浩志/菊地和広/藤倉翼/斉藤幹男/川上大雅/tera/森迫暁夫/DKC with KEY PHOTO/野沢桐子/EXTRACT(フライヤー・ポスター制作)
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■パフォーマンス[札幌ハプニング —酔っぱらいゴーズオン]

マンガや映画でしか見たことのないベタな光景を、現実世界に作り出す札幌ハプニング。その脱力系街頭ハプニング・パフォーマンスは、誰でも参加可能!会期中、展覧会会場にてパフォーマンス記録映像も上映予定。4月2日(土)は、札幌市内に、頭にネクタイを巻いて千鳥足で歩く“絵に描いたような酔っ払い”が大量発生!?詳細は本展HPにて!
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■ワークショップ[観光大使はアーティスト]


コンテンポラリーダンサーの木野彩子が、映像作家の石田勝也と日帰り道内旅行を決行!この旅で制作された映像スケッチ作品は、最終日のシンポジウムでお披露目されるのでお楽しみに!
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■オークション[ハーブ&ドロシーにあこがれて アートフェア&オークション編]共催企画

日 時:4月4日(月)〜4月16日(土)※出品作家、オークション開催日は、本展ホームページとCAIホームページ上にて発表します。

会 場:CAI02(札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2)
営業時間:13:00〜23:00 日祝休

料 金:入場無料

お問い合せ:011-802-6438(email:sano@cai-net.jp)
URL:http://www.cai-net.jp/
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【連携企画】

[NMA presents 宝示戸亮二 SOLO PIANO + ゲスト瀬尾高志]

日 時:2011年 3月22日 (火)20:00〜

会 場:くう(札幌市中央区南1西20(南大通沿い 北向き)LOGビルB1)
料 金:前売券2,500円 当日3,000円
出演:宝示戸亮二 (piano) 瀬尾高志 (contrabass)

お問い合せ:NMA 011-742-3458 
詳細:http://homepage2.nifty.com/nma/
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[NMA presents FOOD Japan tour 2011]

日 時:2011年 4月19日 (火) 20:00〜

会 場:くう(札幌市中央区南1西20(南大通沿い 北向き)LOGビルB1)
料 金:前売券4,000円 当日4,500円

出 演:FOOD:Iain Ballamy (sax) Thomas Stronen (ds, per, electronics)
   guest:Nils Petter Molvaer (tp) Makigami Koichi (voice, theremin)

お問い合せ:NMA 011-742-3458 / 
詳細:http://homepage2.nifty.com/nma/
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[CAI現代芸術研究所主催 上遠野 敏 個展]

日 時:2011年7月23日(土)〜8月26日(金)

会 場:CAI02(札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2)
営業時間:13:00〜23:00 日祝休

料 金:入場無料

お問い合せ:011-802-6438(email:sano@cai-net.jp)
URL:http://www.cai-net.jp/
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■[夕張・清水沢アートプロジェクト]

現地設営:8月29日(月)〜9月16日(金)

展 示:9月17日(土)〜10月16日(日)

公開日:土、日、祭日、13日間公開
料金:入場無料
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■[飛生芸術祭2011]
地域資源とアート・音楽を融合した、地域発信の創造の祭典!
日 時:2011年9月11日(日)〜9月18日(日)

会 場:飛生アートコミュニティー(北海道白老町・旧飛生小学校)
北海道白老郡白老町字竹浦520
料金:入場無料 ※17日(土)、18日(日)は有料

詳 細:飛生アートコミュニティーhttp://tobiu.com/
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11.01.13-11.02.08「大森みゆき作品展『フェルトの野鳥達』」

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「大森みゆき作品展「フェルトの野鳥達」」
期 間:2011年01月13日 〜 2011年2月8日
会 場:カフェ エスキス(北1西23)

 幼い頃から大好きな野鳥をフェルトという身近な素材を使って作品にしたカフェでの作品展。大森みゆきにとって、野鳥とは「愛らしく美しいけれど近づいてじっくり眺める事のできない存在」だという。作品は素材がフェルトとは思えないリアルさにあふれている。カフェを訪れたお客さんの中には、剥製ですか?と聞かれたこともあるという。彼女が捉えた野鳥の世界をお茶を飲みながら楽しんで欲しい。なお、作品は販売もされている。自宅のインテリアにもいいと思う。

 

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E2

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)  

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札幌ビエンナーレについて


札幌ビエンナーレ・プレについて

ここ10年、国内外からアーティストを呼ぶ大規模美術展、国際美術展が活発になっている。具体的な事例として「横浜トリエンナーレ」(2001)「神戸ビエンナーレ」(2007)、瀬戸内国際芸術祭(2010)、あいちトリエンナーレ(2010)などがある。

北海道でも「札幌ビエンナーレ」を2014年開催実現のため、札幌の美術界・経済界の有志による「札幌ビエンナーレ・プレ企画実行委員会」が結成された。2010年 12月にキックオフパーティが開催され、2011年4月に北海道近代美術館、同年10月に札幌芸術の森にてプレ・イベントを開催することが公式にアナウスされた。プレ企画では、国内外のアーティスによる美術展示ほか、音楽のライブやパフォーマンス、芸術・文化をテーマにした等も含まれている。

本サイト、ニュメロデューでは札幌ビエンナーレ・プレのこうした動きについて、順次ニュースをアップ&更新していきたいと思っています。

札幌ビエンナーレ・プレ公式サイト

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http://www.sapporo-biennale.jp/


 

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Report

▼ 札幌ビエンナーレ・プレ
  の展示・イベントについてのレポート。

2010.12.16「キックオフパーティー」in 札幌パークホテル
2011.03.16-04.27 「THE BEGINNING −」
2011.04.02-04.10 プレ企画 「美術館が消える日」in 北海道立近代美術館

2011.04.03連携企画「MAGNETフォーラム」 in 北海道立近代美術館













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