« June 2009 | Main | August 2009 »

Mt洋画★シネフィルイマジカ
「皆殺しの天使」(1962)

 不条理を普通に描くという作品が好きだ。今の自分としては、アバギャルドなアバギャルドな舞台設定の作品より、奇妙なことは日常の中に巧みに差し込まれるほう
が、より奇妙な印象が強まる。そういった作品をもっと観たいと思う。

 ルイス・ブニュエルといえば、サルバドール・ダリとの共作映画「アンダルシアの犬」が有名。この作品はまさにシュールレアリズムを映像化したものであり、冒頭からして、非日常で、非現実な場面がシャワーのように続いていく。まさに、アバンギャルドの中のアバンギャルドがあった。

 しかし、本作は舞台は、ブルジョア達のパーティという、ある意味とても平凡な設定。話としては彼らは、唐突に屋敷から出られなくなってしまう。その理由については明確な説明はなく、なんら特殊効果的な演出もない。彼らは精神的な拘束を受けて、屋敷から出られなくなる。その不条理。非現実感。シーンの撮り方は必要以上に凝る訳ではなく、淡々と彼らが困り果てる様子を描いていく。パニック映画ともいえる状況を、煽ることなく描いていくところに本作の妙味がある。

| | TrackBack (0)

光景は不光景または非光景

W1 車の窓からの風景は、同じ場所でも異なるイメージを受ける。歩道から見る、車道から見るという違いがある。また、車では座っている訳だから、視線が歩きより下になる。

 わかっているようで、わかってはいない近所のおなじみの光景。「ありふれた、つまらない光景だ」と早めの結論を出すのも悪くない。割り切りから、次のステップにいくのも未知の可能性はあるかと思う。

でも、もう理解しきったと思う光景に、再び興味を持つのもひとつの方法ではないか。

 気持としては、別の場所に行ってほうが、自分にとっての進歩も感じられる。でも、本当にそれは進歩だろうか? ひらたくいえば、物理的な場所を移動しただけで「自分のなにかが変る」ならば世の中に苦労はないのではないか。一番、危険なのは「自分は変った」という錯覚だといえる。それは悲劇だといえる。進歩と気分転換は本質が違うのだ。

 自分のごく身近な光景から、何かを考える。そこから生まれるクリエイティブを僕は大事にしたい。そんなことを、車窓から見る「違った光景」に感じていた。

 

| | TrackBack (0)

焼肉店からみた思い出。見知らぬ人のライフスタイル。

Od 焼肉は、後味で決るような気がする。食べている最中よりその後なのだ。最中はそれほど、凄いレベルの違いは感じない。それは鈍感なだけか。

 食後に「ああ、食べちゃったなぁ」とやや後悔まじりの時はあまりよくなかった場合。逆に、「来週も食べたいなぁ」と思った時はいい場合。焼肉は、高いのと安いものの格差が激しいメニューだと思う。やはり質なんですかね。

 学生のころは、安い焼肉店ばかりだったが、それはそれで楽しかった。良く行っていた激安店は朝までやっていて、深夜3時〜4時になると、水商売らしいカップルの方々が食事をしている光景をよくみかけた。

 それは、特別の行事というよりも日常的な食事、という感じだった。安いお店だったので、ひとり1000円くらいで、食事として十分だったから、利用しやすかったに違いない。

 深夜の時間帯で、食事をやっているお店は少ない。夜遅くまで仕事をしている人にとっては激安焼肉店は、お肉から、野菜、ご飯もあるから、食事の場所として便利なのだろう。2人で言葉少なく淡々と食事をしている姿をみると、水商売の人々の生活パターンを垣間見た感じがしたものだ。

 今は激安の焼肉店に行く機会は少ない。昔に比べて、そういったお店も少なくなった気がする。焼肉のお店に行くのは半年に1回くらいだ。だから、ある程度贅沢なところに行くことになる。店内のお客さんは特別な行事として来ているような人ばかり。みんなハレの場所として楽しそうにも盛り上がっている。でも、ふと、激安店で見た日常的でサラリと食事をしている人々。そんな姿を、視線に中に感じたいことがある。














 














 

| | TrackBack (0)

酒と自分。

Co イタリアンを食べながら、お酒が飲めれば、食事がもっとおいしくなるかな、と考える。多分、そのとおりだと思うので、おいしい料理を食べているときは、少々くやしい。損した気分。ワインリストから頼めるようになれれば、人生も、もう10パーセントぐらい楽しくなるに違いない。

   最近、アルコールゼロのビールが話題になっている。売れ行き好調だとのこと。僕はお酒はほとんど飲めない。その視点からみても「酔えないビール」ってどうかしら、と思う。

 これでも、ビールの味は知ってはいます。小さいコップの半分くらいなら飲めます。それで考るに、この味はアルコール成分と一緒だからうまさが出るのではないか、と考える。想像するにゼロ・ビールは、ニーズとしてはちょっとした気分転換にイイ!ということでしょうか。仕事中に飲んでもいいのかしら。

 この飲み物が、今後どのような飲み物のポジションを確立するのか、ブームで終るか興味がある。メニューでは、ソフトドリンクの欄に載るか、新たなカテゴリーを作られるのでしょうか。

 個人的には、お酒を少々飲めるようにはなりたいなと思う。アルコール修業として、家でワインを飲む時もあります。ビールよりワインがいいなぁ。イタリアンやフレンチに合いそうだし。


 

| | TrackBack (0)

ダークサイドは正しいか?

Suri

洋画★シネフィルイマジカ
「 スリ[掏摸]」(1959)

 ロベール・ブレッソンの古典的名作。10年以上前に本作を観た時はピンとこなかった。それどころか眠たかったです。正直にいいますと。

 でも、今回はバッチリです!とまではいかないけど、前回よりずっと楽しむことができた。ストーリーは、ほとんど主人公の青年の独言で進んでいく。貧乏学生が独自の哲学で犯罪を肯定し、スリの世界にのめりこんでいく様子が描かれる。

 それを本当に微妙に僅かに描いていく。普通、人が犯罪者に移行して行くことはダークサイドに落ちるがごとく、「(観ている側とは)別の人間になっていく」として描かれる場合が多い。しかし、本作では実に淡々と犯罪者になっていく主人公を描く。普通はコントラストを出すべき犯罪者前と犯罪者後がほとんと変らない。主人公を驚くほど変っていない。犯罪者になったこと以外は。

 主人公は多分、貧乏でなければ犯罪者にはならなかったと思う。犯罪者とは環境が作るものだろうか?環境が犯人ならば、環境を作るのは誰なのだろうか?ダークサイドという「サイド」は明確なものなのだろうか。

 ヒロインの出番は控えめではあるが、さりげなく主人公とリンクしていく様子がとてもいい。彼女の存在は本作で実に大切だと思う。前回観たときはそのことは、まったく気がつかなかっのだけど。現在でも通用しそうな魅力的な女優さんです。これは個人的な好みかな。ブレッソンのDVDBOXセットが欲しくなりました。

| | TrackBack (0)

雨とアイス

04 近所の大型スーパーに行くことにした。天気は良くなかった。雨がポツポツ。その微妙さ加減で自転車での出動を強行。

 チリもつもれば山となる。身体が少しづつ雨によって湿っぽくなっていく。帰宅したら服を全部替えたい気分になる。

 売場にて、おおよその予定の買物ができた。財布に入れたポストイットのメモで確認する。それにしても、メモをみながら買い物をする人は意外にみかけない。世界中で自分だけでは、と思うことがある。

 みなさんはそれくらいは余裕で記憶できるのか。僕はこういった暗記は苦手なのです。38円の歯ブラシを買ってみる。前回買ったものの十分の一くらいの値段。どんなものだろう。あと、冷蔵庫の飲料水用ポットにいれる炭を欲しかったのだけど、みつけられず。今思うとドラッグストアにあったのかな。水道水がまろやかになります。

 スターバックスでコーヒーを買う。お昼時だったので、ネギのとび出した袋をかかえながら、スーパー内のラーメン屋さんへ。冷やしラーメンに心を奪われつつ、鶏ダシの塩ワンタン麺をオーダー。おいしかったよ。食後はサーティワンで。食後にこのお店をみつけるといかずにはいられない。シングルで十分ですよ。





| | TrackBack (0)

09.07.17-07.29「Point of Color ー4人のいろ・4人の平面ー」

「Point of Color ー4人のいろ・4人の平面ー」
会期:7月17日(金)〜7月29日(水)13:00-23:00/日曜・祝日休館
会場:CAI02 (大通西5丁目 昭和ビルB2)
参加作家:笠見康大・蒲原みどり・西田卓司・森本めぐみ

  市内在住の新鋭アーティスト、笠見康大、蒲原みどり、西田卓司、森本めぐみによるエキシビションが開催されている。それぞれの作家のテイストは異なるが、作品自体にはしっかりとした作家の「意思」が感じられる展示となっている。それぞれの世界観を味わいに、ぜひ足を運んでいただきたい。

http://ameblo.jp/cai02/entry-10299069828.html

C1 C2 C3 C4








| | TrackBack (0)

09.07.20〜07.25「minaco. photo note exhibition "minaco no manaco"」

「minaco. photo note exhibition "minaco no manaco" 〜撮りましたわーしかし。〜」
会期:2009年7月20日(月)〜7月25日(土)
時間:11:00〜21:00(但し24日は15時まで)
会場:T&F hanaagura(札幌市中央区南1条西4丁目フリーデント1,4ビル3F)

★クロージングパーティー 会期:2009年7月25日(土)
時間:22:00〜会場:中目卓球ラウンジ札幌分室

M1_2

 市内在住のフォトグラファーとして活躍する佐藤美奈子が、18歳から10年間撮りためた写真を日々を切り貼りしたノート三十数冊を会場のテーブルに設置。

 来場者は椅子に座ってお茶やお菓子を食べながら写真のびっしりつまったさまざまな形のノートを見ることができる。プライベートな写真はすべて銀塩カメラで撮る、という彼女のポリシーを感じることもできる。会期中、佐藤美奈子は基本的に会場にいるので、お話のできる機会でもある。取材時、最新の写真ノートを作りながら来場者とお話をしていた。

 最終日に夜は別会場にてクロージングパーティを実施。カレーや、DJ、ギター弾き語り、ライブドローイング等が予定されている。(追記:残念ながら上記のカレーの予定は無くなったそうです)。

M1b M2 M3

| | TrackBack (0)

限定対バイキング

Kc3h0003 1日10食という限定のパスタを食べました。
それにしても、1日10食というのはかなり限定だと思う。限定の中の限定ともいえる。
 そこまでする理由はなぜかしら?と食べながら考える。作るのが難しい?? うーんパスタだからそれはなさそうな。具材が高級?いや、その線もないなぁ。フォークで具を調べたりして思う。

 

ソースが凝っていてたくさん作れない、というのが理由かしら。なめみてもソースの成分はわかりませんが。でも、おいしいのはたしか。  

 それにしても「限定」というのは心魅かれるフレーズです。食べ終って、キャッシャーにむかう途中、バイキングのメニューを横目でしっかりチェック。最初、バイキングにしようと思ったんだよね。でも、限定に負けたのです。

| | TrackBack (0)

自分を支配する方法。

Ad 仕事や日々の雑務。それらをどおスケジューリングして、加えて行動リストを作っていくかは、なかなか悩ましいテーマです。

 悩ましくも、僕は趣味的に好きだったりします。デジタルツール(アプリケーション、ネットサービス、PDA等)、アナルログツール(手帳、ノート、ダファイリング)などを活用する方法について、仕事術やライフハック系の書かれたのを読んで試すのが好き。本やネットの記事よりいろいろ試しています。

 なんだか、それによって時間やお金も無駄使いしたかな?〜と感じることもしばしば。そういった管理の方法を途中で変えると、かえってロスが出ます。例えば、管理の中心ツールをデジタルからアナログに移行したり、同じアナログでも綴じ手帳からシステム・バインダにすると、データーを移す作業は時間がかかります。

 これらの方法を試すことは全然役に立たないことは思います。自分の生活全体を見直す良い機会にもなります。

 だけど、世の中にはこういったメソッドを試さなくても、自己流で普通に仕事がよくできる方もたくさんいますので、自分にツッコミを入れたくなることもあります。「そんな暇あったら仕事しろ!」ってね。でも、趣味的に好きなんで、なにかあれば飛びつく訳です。ループしていく自分がいます。楽しみでもあるからしょうがないですね。

| | TrackBack (0)

気楽な時間・食べ物

Hb 「気楽」というのはいい言葉。気楽に生きてみたい。

 18時ころ。まだ店内はお客さんはまばらだった。ハンバーガーが名物のお店にて。その時、メニューを見ながら、そのお店一番のオススメのハンバーガーを頼むことにした。

 350円を足すとオニオンリングとフライドポテトのセットになる。オニオンリングに目のない僕は躊躇なくセットにする。飲み物は、ジンジャエールにする。バナナジュースでも良かったけど、炭酸が欲しかった。ジンジャエールは甘口と辛口があり、いつもなら辛口が好きなんだけど、ハンバーガーと一緒なら甘口のほうがいいと思った。甘口をオーダーする。

 運ばれてきた。ハンバーガーは山のように具材が積まれ、金串が上から下まで刺さっている。それをナイフとフォークで食べる。その作業が不慣れでなんともスムーズでないのだけど、それも楽しい。合間に飲む瓶で出てきたジンジェエールがうまい。甘口で正解だった。食べ終ったら、このお店の近くのホーマックに行くことにする。木材と熱帯魚でも見よう。以上が僕の大好きな気楽な時間の過ごし方。それは楽しい。



| | TrackBack (0)

週末いろいろ

Mk 「美しい 暮しの手帖」が」好きです。「美しい」がなくてもいいけどね。昭和20年代のこの雑誌の編集風景が観たい。

そんな現実逃避をしながら、ここ2〜3日はいろいろ考えたり、考えが足りなかったり。

写真の意味は?

それは、編集をやらせてもらっているウェブの
ブログ担当日なんで、そっちのほうでわかる感じです。
http://www.curator-web.jp/blog/2009/000061.html

| | TrackBack (0)

スープ学

Sp メインデッシュ前のスープがなんともホッとする。シンプルなコンソメがとってもおいしいなぁと思う。

 空腹をとりあえず忘れられる存在。当然、満腹にはなない訳だけど、お腹も満足できて、次のメニューも楽しめる。前菜もそうだけど、前菜はもうメインデッシュと変らない気持に僕はなる。だからシンプルなスープなのだ。

 何事も感じ方にも順番というか、流れがあると思う。いきなりメインを出すよりも、メインを楽しみにさせる「シンプルなスープ」のような存在が必要だ。

 クリエイティブもメインに力を注ぐのは当たり前だけど、スープのような存在に神経がまわらないことがある。惰性でスープを作ることがある。お湯を入れてかき混ぜるだけでいいや、という気持ちで作ることがある。でも、ユーザーの立場でいうと一番最初に接する存在。それの印象が悪ければ、後のメインにも影響する。

 おいしいシンプルなスープを作りたい。




 

| | TrackBack (0)

09.06.14 「オタックスフェスタ2009」

「オタックスフェスタ2009」
期  日:2009年6月14日(日)11:00-17:30
会  場:ノルベサ3階(南3条西5)/ 入場料:1,000円

Zenkei

  札幌発ライトサブカルチャー情報フリーペーパー「札幌ヲタガイド」&情報ポータルサイト「オタックス」リリース記念イベントがススキノ近くのテナントビルのワンフロアを貸しきって開催された。ライブステージ、出張メイドカフェ、コスプレイヤー撮影会、アニメ・ゲーム関連企業のブース出展、ビンゴ大会等が行われ、多くの来場者が札幌市内外より訪れた。

Oguide

  創刊されたフリーペーパーである「札幌ヲタガイド」は、A5サイズで24ページ・オールカラーのフリーペーパー。

 市内のオタク・スポットを中心にメイドさんの紹介記事等を掲載されている。巻末にあるメイド系のお店のマップも便利。

  会場にて発行・制作を行った市内の印刷・デザイン会社NIPPON PRINTの八城氏に話を聞いてみた。本誌については、これからも予定されている「オタックスフェスタ」の開催に合わせて年に4回程度発行していきたいとのこと。内容について、今回は結果的にメイドさん系のスポット紹介が多くなってしまったが、これからはプラモデルや、鉄道、エアガン関連など幅広くサブ・カルチャーを紹介していきたい、とお話をいただいた。

Ot



     情報ポータルサイト「オタックス」は、2009年4月にスタートした、札幌・北海道圏のライト・サブカルチャーの情報サイト。これは前身として2年間続いた「札幌『ヲ』印ガイド」が発展したもので、道内のメイド喫茶、アキバ系コンセプトカフェ、オタク系クラブイベント、オフ会、ダメ系バンドライブについて、告知からレポートまでコアな情報を掲載していきたいとのことである。

Uketuki

   加えて、本イベントには市内て1997年より札幌地区を中心とした、北海道地区での同人誌文化発展のため、同人誌展示会、コスプレイヤーのイベントを精力的に行っている「寒軍べくたあ」も協力。ステージ関連を中心にサポートを行い、広いスペースをフルに使ったさまざまなブースでいろいろ楽しめるイベントになっていた。

St3

St2

▲ 会場の中心にあるライブスペースでは、開演から最後までずっとステージが行われていた。写真はメイド系のお店、ロミオクロスジュリエッタフェアリーキャットリトルキングダムのパフォーマンス。

Mc

▲ ステージスペース内に設置された出張メイドカフェ。

Back ▲ パフォーマー等関係者がお客さんの多く、午前中から夕方までの長時間のイベントであった。ステージあり、カフェスペースあり、物販ありといろいろな楽しみ方のできる内容であり、お客さんも楽しんでいるように感じられた。

 今回の実績をもとに、よりパワーアップした次回の札幌の新しいサブ・カルチャーの発信源としての「オタックスフェスタ」に期待したい。

| | TrackBack (0)

泥臭さ

Rg スーパードラマ!TV
「レネゲイズ」(1989)

 「24」のキーファー・サザーランドが秘密捜査官役で出演している。でも、髭を生やした金髪で「24」のクールな感じとは遠い。性格もどこか投げやりな感じ。野暮ったい。

 この主人公サザーランドのキャラクターが本作のすべてを物語る。ヒネた感じであるが優秀。そんな警察官が宝石強奪殺人犯を追いつめるアクション作品。

 話はこういった映画の定石通り進むので、意外なオチとか、スタイリッシュな演出もオシャレなサントラもない。「そういえば、ひと昔の刑事ものってこんな感じだったなぁ」と思いだしました。泥臭い感じね。

 本作の唯一の特徴は主人公とともに捜査をするインディアン、ルー・ダイアモンド・フィリップス。強盗犯人が、インディアンの伝説の槍も強奪したことから、主人公と組むことになる。この存在は、インディアンのムードを作品に出すことと、主人公と対照的にクールなキャラクターを演じていて、凸凹コンビ的なコントラストが楽しめる作品になっている。

 今の時代、なかなか「ごくごく普通の刑事アクションもの」というのを出しづらい時代だと思う。だけど本作のような安心して観ることのできるシンプルな作品はあってもいいなと思う。どこか懐かしく、安心できる作品だった。後、泥臭い感じね。

| | TrackBack (0)

どうしてこうなるのか。

P2001 ミステリチャンネル
「サイコ2001」(1999)

 「サイコ」というとヒッチコックの名作スリラー。それに関係あるかな思わせるけど、実はまったく関係なし。これは予想とおり。だがうしろの「2001」まで本編とまったく関係なし。これは驚いた。

原題は「共犯」といった意味だろうか。このまんまだと地味すぎるのはわかりますが。

 殺人シーンが妙に残酷で凝っていて、狂信的でバスルームでの犯行もあるので邦題担当者が「サイコでいいかな」と思ったのだろうか。「2001」とは本作の国内リリースの年度のよう。

 作品内容は、原題の「共犯」がマッチする作品だと思う。スリラーどころか、サスペンスともいえないかもしれない。ドラマ作品である。ストーリーは、かつて幼なじみの4人の男女の現在の生活が、ある連続殺人をキッカケにその4人のひとりの主人公が過去の記憶を回想するという内向的なドラマ。展開やオチについては、スリラーやホラーを期待すると大変な肩透かしだと思う。

 原作を読んだ訳ではないので、はっきりいえませんがメインのテーマは殺人鬼うんぬんよりも「4人の男女の関係性」のドラマだと思う。その視点で観るとそんな悪くもないとは思うけど…でもやっぱりドラマとしても説明不足で唐突なオチなんで、あまりよくないなぁ、と思いました。

| | TrackBack (0)

いろいろなテクニック。

Kt洋画★シネフィル・イマジカ
「殺しのテクニック」(1966)

 孤独はみんな嫌いなハズなのに孤独な主人公がなぜ望まれるのだろうか?

  本作は「引退を決意した孤独な殺し屋(狙撃者)の出来事」と書いて、どこかで観たような…と思ったら先日観た「ハイパーウェポン/最終狙撃者」と似てますね。

 これは真似というより、ひとつのパターンでしょう。その「よくある」設定をどういった魅力ある作品にまとめていくのか監督の手腕が観るのも楽しみ。

  「ハイパー…」の印象としては実に全編を貫いてストイックな形でまとめ上げた。この作品パターンはストイックな主人公というのが決り事なんだけど、それを作品全体のすべてにおいて徹底して純度の高い形でまとめあげた。

 ロマンスや、主人公が遊ぶようなシーンもない。サントラもかなり抑えていて「音のない音」の選出がストイックさに拍車をかける。その中で狙撃の時に流れるブライアン・イーノによる冷たく乾いたシンセ・サウンドが最高にカッコ良かった。

 僕はこのまとめ方は凄く好きだけど、主人公に感情移入できないと流れがとても平坦で地味すぎる印象を受けるかもしれない。 作品の世界観がすべてにおいてストイック。主人公も敵も、風景も。そしてラストシーンすらも。世界観にハマれないと退屈だという感想が出てもしかたがない。

  それに比べると、本作「殺しのテクニック」は一般的でバランスがとれている。主人公の性格設定は「ハイパー…」とほぼ同じなんだけど、兄の仇という動機づけや、血気盛んな若い相棒といきずりのヒロインの存在があり、標的も整形手術をして居所不明というミステリアスな仕掛けもある。サントラも全面で出ていてジャジーなサウンドがシーンを盛り上げていく。

 つまり、本作では主人公のストイックさと対照的に周辺をドタバタさせて、いいコントラストを出している。同時に娯楽作品として一般的にわかりやすく、退屈しない仕掛けちりばめている。

 似たような設定の作品でも監督によって、いろいろな演出の仕方があって、雰囲気の違う作品になるのは興味深いし、その違いを観る側として考えるのは楽しいひとときです。

 人は自分が思ってるより孤独ではない。でも、常に孤独を感じる。孤独を嫌う。でも、同時にあらゆるわずらわしさから開放された孤独に憧れもある。そのためスクリーンの主人公に理想の孤独を求めるのだろうか。

| | TrackBack (0)

クオーターパウンドな人生

Mac_2 最近、マクドナルドに行ってます。ただ、長居はしないで食べたらスグ出るという感じ。混雑している場合が多いしなぁ。

 人生を考えるというのは一番大事ことだと思うのに、考えることをほとんどしない。反省はするのだけど。

 考えることは、エヴァの前売が売り切れだったことが少しショックとか、T4の前売りチケットのデザインはピンとこないとか、そんなことばかり。

 スケジューリングをするのは好きだが、具体性にこだわるあまり、手帳に「夕食 冷凍庫に鶏肉あり」なんて書いているのは情けないようだが、ひどく大事なことだと思う。人生を考えるよりも?

 自分は人生の指針というのがないのである。人生の思想性というのが極端に欠如していて、まず結果を出してから理屈づけをするという少々変な癖がついてしまった。だから、コセンプチュアルに物事を考えるのが苦手なのである。コンセプトから、成果物が生まれるのではなく、成果物からコンセプトが出来るのだ。コンセプトなしでモノができるのか?、というとそれはできてしまうと思う。普通に考えて普通にやれば。

 マックのクオーターパウンドを食べてみた。これはどんなものかというと、普通のハンバーガーのお肉を厚みをもたせたもの。ソースはケチャップ。モス等でいろいろなソースのある今、このシンプルさは珍しい。食べると、ハンバーガー=メインデッシュはお肉 というのが再認識できる。

 僕はマックでは、ハンバーガーや、チーズバーガーといったシンプルなものが一番ウマイと思っていたので、クオーターパウンドは気に入っています。こぼさないように食べながら、考えない、というコンセプトもあるのかな、とふと思う。

 

| | TrackBack (0)

男好き。

Hw

Super!dramaTV
「ハイパー・ウェポン/最終狙撃者」

 邦題はいかにもB級アクションぽいのだけど、録画しておいた。早めに帰宅した夕食後にスタバのコーヒーゼリーのやつを飲みながら観る。

 観てみればかなりの掘り出し物。主演がパトリック・マクグーハン。この名前にピンとくる方は損はしないと思う。ストーリーは主人公は腕利きの狙撃者。もう引退を考えている。だが彼のボスが最後の大仕事を振ってくる。一度は断るが、離れて暮らしている妻の写真を見せられ間接的に脅迫。仕事を受けることにする…

 ストーリーは決して新しいものではない。アクションも控えめで、過剰な演出や特集撮影もないところが、逆にリアルな味が滲み出ている。実際の狙撃シーンよりも、狙撃日までのプロセスのほうに重点が置かれている。そこでのやりとりのドラマは、男達のさまざまな思惑が感じられ飽きさせないおもしろさがある。また、ひとつひとつのシーンの撮り方が静かなのに魅力的なんだよなぁ。

 びっくりしたのは、サントラにブライアン・イーノのアンビエントシリーズ「MUSIC FOR FILMS」の曲が使われていたこと。エッジの効いたシンセサウンドが孤独な狙撃者という主人公の雰囲気と合っていて実にカッコ良かった。男好きする美学がある映画です。


 

 

| | TrackBack (0)

2つのメニュー

Oc_2 オムライスと、カレーでオムカレーとは考えた方は偉い。雨の日の富良野にて初めて食べてみました。瓶牛乳がついているの楽しい。お子様なイメージのメニューですが、カレーソースと、オムライスのバランスも考えられている奥行きの深さを感じさせます。

 どれぞれカレーとオムという独立したメニューを組み合わせた時のコンビネーションというのがポイントなんでしょうね。

 本メニューは2つがミックスした時が一番おいしい感じに調理されているよう。それぞれはやや淡泊なんです。それらが組み合わさった時が実に素敵なんです。

 

| | TrackBack (0)

どうしますかね。

Cs 「どうしょうかな」と考えながら1日が流れていく。ベッドに入る時間になってしまう。ベッドでもどうしょう。タオルケットをかぶる。

 保留とか、ペンディングとか言えばカッコいいけど、要するに先延ばしをしてしまうのであるダメだなぁ。

 先延ばしというのは、よくありませんよ!と思えば、思うほど先に延ばしたくなる気分へ。そこにはある種の快楽が隠されている。その快楽って何なのだろう。

 間違いなく先延ばしはするより、しないほうがいいのは絶対なのに意識的に先延ばしをしてしまうコトがある。その場合、問題について先延ばしをするか、しないかという二択が自分の中で論点になるのだけど、それはよくないと思う。

 それよりも、問題について集中するほうがいいかな。問題の要素を分解して、フィニッシュまでいかなくてもいいから、今すぐできる気楽に実行する方法を考えたい。例えば、メールの返信完了まではできなくても、下書きぐらいはできると思う。宛先を設定した程度でもいい。その下書きは実に偉大な一歩なのである。なにかはあるはず。0メートルより1ミリ進めればバッチリと考えたい。

| | TrackBack (0)

様子が流れる時に考える。

Kl  窓ごしの光景はDVDの画像を観ているような気持ちになる。

「様子を見る」というのは決して立ち止まることではないと思う。DVDプレイヤーの「一時停止」とは違うのではないか。

 DVDの場合は、再度ボタンを押した時は続き観られる。それだけできれば問題はないし、みんな幸せだ。

 でも、僕は機械ではないし、DVDプレイヤーでもない。なにかが止まった時に、同時にそれに伴う思考をスタートさせなければならない。そう考えると、人間には「一時停止」はないのだろうか。常に考えなければならない、ということが幸福なのか不幸なのか、よくわからない。
 考えることは常にやっかいなことなんだけど、考えないと先に行けない場合が多い。先に行くのがいいのか、悪いのかということも考えなければならない。「人生は思考で作られる」というはもっとも。ただ、人生を作ることがこわい時もある。

 


| | TrackBack (0)

薄めのふたり

Sp_2

FILM REVIEW
「スピード」(1994)

土曜の夜、TVで放映されているのを観た。週末の夜、そんな過ごし方も悪くない。観終わったら、11時すぎ。もう、寝る時間。

ひさびさに観だよ。もう15年前の作品とは。

15年前のキアヌ・リーブス(短髪がカッコいい)。15年前のサンドラ・ブロック(僕の愛するとなりのお姉さん)。15年前のデニス・ホッパー(相変わらず)。

速度を落とすと、爆発してしまうバスのサスペンスを中心に、爆破犯ホッパーと対決するリーブス。

 話の作り自体は、今観るとひどくスダンダートだけど、そこがわかりやすくラストがわかっていても楽しむことができた。いろんな意味でお約束な登場人物、展開であるが、そこが当時の「ダイ・ハード」という新しいスタイルのアクション映画以来、ヒットのない状況の中でいろいろな模索が行われていた時期に、逆に新しかったのかもしれない。低予算映画ということが堅実でムダのない作りが、うまく行った好例だろう。

 正直、ファンの僕から観て本作でのリーブスもブロックもはそんな魅力のあるキャラクターとはいえない。でも、ストーリーの流れの中で相性が良かったのかな、と思う。


 

| | TrackBack (0)

うまくいかない。

Su

 まぁ、世の中の90%は自分の思い通りいかないものである。さらに、残りの10%のうち9%くらいは、うまくいったと勘違い。つまり、思い通りは1%くらい。「ずいぶん少なくない?」と思うかもしれないが、よく考えて欲しい。

 今、自分が住む場所は、働いていることは、食べている物は、着ている服は、使っているパソコンは純粋に自分の意思なのか、というと僕には自信はない。もちろん、ある程度の自分の意思があるのはたしかだが、純度という部分で疑問は残る。広告を見て、それを買うというのは本当の意味で自分の意思なのだろうか?
 ただ、僕は自分の意思というのは重視したことはない。別に誰の意思でもいいのだ。自分が気持ち良く過ごせれば。世の中そんなもんでしょう。それともただの刹那的な快楽主義者なのだろうか。

| | TrackBack (0)

不穏な空気で胸いっぱい。

Us 洋画★シネフィル・イマジカ
「アンダー・サスピション」(2000)

 モーガン・フリーマンが刑事。ジーン・ハックマンが地元の名士で、少女レイプ殺人犯の容疑者。

 全編、ほぼこの2人の取り調べの会話進んでいく。普通なら舞台は殺風景な机とデスクライトの取調室が定番であるが、二人が旧知の中というのもあって、舞台はフリーマンの警察内オフィス。ソファのある広めの空間で、2人が立ったり座ったりの、いろいろな動きがあるのがおもしろい。この舞台セレクトは画的に退屈にさせない制作意図もあると思う。

 フリーマンの鋭い質問の連続に、最初っからやられっぱしのハックマンが興味をそそる。「刑事コロンボ」のように余裕な態度の犯人が最後の最後でボロを出すのではなく、本編の容疑者は最初っからみえみえの嘘の証言をする。それはすべて嘘だとフリーマンに調査済みの状況があるので、捜査の妨害になる訳でもなく、どんどんハックマンは不利になっていくのみ。

 おまけに、自分の妻と不仲な私生活や性的志向まで暴露されるのではたまらない。ハックマンの美しい若妻モニカ・ベルッチを警察に呼ばれ、マジックミラーから取り調べの様子を見ている。

 主なキャストは以上の3人に加えて、血気盛んな若い刑事の4人の登場人物で進んでいく。ハックマンの不安定感は先に書いたとおりだが、他の3人も不安定・不穏な雰囲気を出しており、観る側も誰を信じていいかわからない。普通の警察サスペンスにある正義の立ち位置が見えないのだ。そのため不穏な気分になってくる。追いつめる者、追いつめられる者、善と悪、真実と嘘といった単純な2極の構造はここにはない。

 犯罪自体が、少女レイプ殺人という異様さもあり、外はカーニバルで盛り上がる最中の警察オフィス内のドラマというコントラストも効いている。ラストは賛否両論あるかもしれない。しかし、現実の世の中はすべて善・悪の2つのみで構成されている訳ではない。犯罪者ではない人間がすべてあらゆる面で善とは限らない。そんなグレーの世界を描いた本作は警察サスペンスにひと味加えた、余韻あるドラマになっている。

| | TrackBack (0)

テキストの不在。

Sboard

 街の中に浮遊している、ある言葉はそれは眩しい言葉。素敵な言葉、困難な言葉。自分は都市や街の光景が好きなのはたしかなこと。そこから文章が引きだせればいいなと思っている。

 「フレーズの不在」。今の都市はコトバを失っていると感じる。いや、なんでもそうだ。実はアート・カルチャーに関して、なんらかのフレーズ、そしてその背後に控えるテキストの存在が大切ではないのだろうか。たしか、言葉で表せないイメージも大事だと思う。ただ、それでもテキストが必要なのだ。そのテキストはネットの中で一日、または数時間で消費されるものではなく、この時代を捉えて、
生き残るものでないといけない。今の時代のバイブルというものを、僕は作ってみたい。

| | TrackBack (0)

食の嗜好&思考

Rb

 ススキノの近くのお店でミックス・グリルを食べながら考える。うまい。

 最近の自炊率が高いのですが、時々外食もしております。昔ある知人は体質的に「外食は全然ダメ」という方がいました。自分の味付けしたものではないと嫌だということです。

 その話をした時、僕の外食率は相当高い時期だったので、ほとんどリアリティが感じられない話でした。 

 今はその知人の話は半分くらいわかる。和洋中というジャンルを超えて自分の好きな「味付け」というのがあるとは思う。濃いとか、薄いとかではなくて一種のティストなのだ。もっと自炊をしていければ、それについて説明できるようにできるだろうか。味が意識的に作れて、説明できることは実は深いことだと思う。まだまだ、あまり考えないで、コショウや塩をふっている僕でした。そこを考えるのだ。これから。

| | TrackBack (0)

« June 2009 | Main | August 2009 »