大人の階段、天国への階段。今の僕は、階段を上っているのか、下がっているのか、そんなこともわからない。暗中模索。でも、そのことにあまり悩んだことはない。
平凡な一日をいかに大切に過ごしていくか、ということにとても興味がある。つきつめればすべてはミニマムに収束する。
メールの返事をするか、しないか。電話をするかしないか、指示を出すか、止めるか、そんなものである。階段というものは上るというよりも気がつくと出来ているものかもしれない。
美しき建築物。それを想い出として、静かに観られれらばいいな、と思う。 最近、アクシデントがあった。プライベートな問題で、自分の心の中で、どう処理するか、という問題だった。こういう表現も変だけど、一種の気分転換になったと思う。世の中本当に、良いことも悪いことも平等に来るのかなと思う。この数日でどんな階段ができたのだろうか。 それはまだわからない。
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洋画★シネフィル・イマジカ
「ワンス・アンド・フォーエバー」(2002)
観るのは2度目。おもしろい。でも、あんまり話題にはならなかったような気がする。ベトナム戦争を舞台にした作品というのはどうしても、いろいろ考えさせるものが多い。
「地獄の黙示録」や「ブラトーン」「フルメタルジャケット」といった作品に比べると、本作はずいぶん深さの足りない作品だという批判もあるかもしれない。でも、僕は素直にひとつの戦争アクション映画として評価したい。そう観れば、近年まれにみるわかりやすいおもしろい映画だと思う。
ストーリーは不本意ながら、危険な任務を遂行することになるメル・ギブソン扮する指揮官。ヘリコプターによって、敵の本拠地付近に強行着陸。兵士を展開して、要塞を攻略するという大変危険な作戦である。そのための猛訓練。見守る妻たち。ギブソンの片腕な曹長のキリリとしたベテラン兵隊ぶり。敵の銃撃のあまりの激しさに逃げ出す医療部隊のヘリコプター。そこに強行着陸するベテラン・ヘリパイロット。
前線のあまりの危険ぶりに上層部は指揮官のギブソンのみに期間命令を出すが、「部下を置いて自分だけ帰れるか!」と啖呵を切るシーンなどなどベタベタだが、魅力的である。現実はそんなもんじゃない、ということもわかるのだけど、こんな素直に楽しめる戦争映画もあっても僕はいいと思う。
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「デザート」か「スイーツ」かといわれれば、僕は間違いなく「デザート」である。
ハンドガンのデザート・イーグルのゴツさは好きだし「太陽の牙ダクラム」に登場したコンバット・アーマー、デザート・ガンナーも、ガンナーシリーズでもっとも洗練されたものだと思っている。
さて、お菓子の話に戻ろうか。スイーツという言葉は女性向け雑誌等を見ると、すっかり普及したように思える。でも、僕は「デザート」のほうが圧倒的に好きだ。語感の問題だろうか。なぜか、スイーツにはかすかなノイズを感じる。多分、結果的に多義的な意味を持ったからかもしれない。スイーツという単語は。今も昔も「さて、デザートをいただこうか!」のほうがしっくりくるではないか。
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ロイヤルホストの鶏天丼。目の前に置かれた。なぜ?ロイホなのか。フレンチでもなく、イタリアンでもない。懐石でもない。そして、ガストではない。
それには実に明確な理由があるのだけど、それは今は言えない。すいません。ロイホに行くといつも同じような席に案内されます。これは偶然なのでしょうか。いつものようにメニュー選定じっくり時間をかけます。ここが勝負です。
ロイホで、注文を即答できる方はいるのでしょうか?僕はあの大きな何版かもわからない巨大メニューに、コントラスト強めの写真に圧倒されっぱなしです。グランド・メニューも結構変っていくので、安心できません。最近はドリンク・バーを必ずつける、という習慣をやや脱出しています。なぜなら、ほとんど一杯しか飲まないということに僕は気がついたのです、気がついたのです。そのささやかな、能動的な姿勢が自分とロイヤルホストとの関係性を変えていくかもしれません。
僕はレジのそばにあるおみやげが好きです。
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夜の打ち合わせ。ココは僕は集中しないといけない。なぜなら、下手したら僕は寝ている時間。大迷惑な人間である。意識が飛ぶこともある。
今の議題は、自分に直接関係あるのか?そこを認識するのが大切だ。耳を澄ますと「最新のMTナントカ」といっているので、大丈夫。「ココとココをリンクさせて、自動的に反映できない?」なんで話題でもボク大丈夫。クリアー。
でも、システム、デザインに関しても、僕が無関係だとは限らない。コンテンツの要素の配置も、読者の読みやすさ、認識のしやすさ、という部分では、意見を出させてもらうこともある。僕はウェブの技術的なことは、実務レベルの知識は無知だけど、少なくても編集者として「○○というのを使えば、こういったことができる」という最低限の知識は持つようにしている。それがないとウェブのメディア作りに、意見が出しにくいと思っている。
もちろん、技術的な知識が無くても、提案は可能なんだけど、実際、予算とか時間的な制約がある以上、できるだけデザイン・技術部門の方々にも、実務がイメージしやすい提案をするのが大事だと思っている…なんてカッコいいなぁ、と思いつつ静かに時間が流れていくのである。そろそろ日付が変るのかな?夕食は帰りにマックかしら。
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お店にある調味料の列。なかなか種類がある。最近のお店ではあんまり見かけないですよね。
最近のカフェでも砂糖を置いてあるお店も少ない。
僕は結構、こういった調味料が好きで、自宅にも結構種類があります。コショーにしてもやっぱり多少高価なほうが風味がいいですし、使うときにミルで挽いたもののほうがうまい。塩も岩塩とかのほうが、それだけで味付けができておいしい。多少値が高くても調味料というのはかなり賞味期限の長いので、デパートの地下食品売場等で、いろいろ探して楽しんでいます。
と書きつつ、最近は「毎日お味噌汁」計画というを実施中でございまして、その内容は「毎日、お味噌汁を作る。もちろん、ゴハンを炊くのも大前提!」という広大なものです。夜の台所で超スピードでお味噌汁の具を用意してます。頭と腹ワタを取った煮干しも使用予定。なんという広大な計画なのだろうか。僕の内部が変っていく。
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洋画★シネフィル・イマジカ
「狼よさらば」(1974)
アクション映画。チャールズ・ブロンソンの代表作(なのかな)。本作が好評で「ロサンゼルス」「バトルガンM16」などの続編が制作された。
続編のほうは、僕が中学・高校のころよくTVで繰り返し放映されていて、記憶に残っている。ストーリーは、主人公のポール・カージーは、単なる一般人なのだけど「自警団」を名乗り、警察では処理しきれない悪人達をバサバサと撃ちまくって倒すという内容。
大抵、冒頭で罪の無い人が暴行を受けたり、殺されたりして、それに立ち向かっていく感じ。正直、一連の続編はそんなに深いレベルの話ではなくて、ラストのバッサバッサと同情の余地のない悪人を倒すブロンソンに拍手を贈る!という話です。
本作は、なぜ主人公が「自警団」になったのか、というあたりから始っており、続編とはかなり違う雰囲気が出ています。アクション的には、続編に比べてかなり地味ですが、ひとつひとつのシーンにズシンと重みがありドラマパートが興味深い。ハービー・ハンコックの音楽も素晴らしい。
もともと、ニューヨークで設計の仕事をしていて、妻と娘がいる都会のビジネスマンという感じの主人公。ところが、チンピラに妻を殺され、娘が廃人にされて事件から、銃嫌いの都会的な主人公が、復讐のため、夜の街を徘徊し、悪人達を適当に殺してまわるようになります。本作の魅力は、ごく普通な男が「自警団」となっていく様子です。
だんだん妻と娘への復讐、というより「とにかく悪人を適当に殺す男」にシフトしていくのが、おっかなくリアルで、最後にはもう妻や娘のことなど忘れてしまったように思えます。そこがおっかなくリアルです。ラストのブロンソンの表情!これが最大の見どころですなぁ。
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● 小説「溶けた彼女」
第2話 ”溶けた彼女の香り”
目の前で彼女は溶けてしまった。白くなってしまって、アンティークな椅子の布製のシートにしみ込んでいった。シートは緑だ。見ることはできないが、恐らく中身のスプリングの中を濡らしていっているだろう。いやらしい様子で椅子の脚の外側に液体は回り込み床に流れていった、その中でいくつかの汚れを吸い取ったためか、汚れたところどころ黒い点のある液体となった。どこかで、少年が笑ったような声がした。
椅子の下には液体による30センチくらいの水たまりができた。椅子の上には彼女の着ていた服が抜け殻のように残った。落ち着いた茶色のスーツ。白いブラウス。モダンともトラッドの中間くらいのライン。首回りのアクセサリー無し。崩れこむブラウスの下には下着が少し見えた。コトリと音がして、彼女は1分ほど前にはつけていた手首の腕時計が床に落ちた。そこには彼女のパンブスがキレイに並んでいた。
時が動きはじめた。そう、お店の中は僕達だけの世界ではない。この異変に、店の店員が気づいて、僕達の席のほうに近づいてきた。恐らくオーナーではないと思う。雇われ店長というところか。彼が近づくほど僕は視線を外す。何を話せばいいのか。彼はどこまで、この自体を理解しているのか?また、少年の笑い声が聞こえるような気がした。(続く)
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小説「溶けた彼女」
第1話 ”はじまり”(または、終わりの始まり)
もう、終わったことだ。忘れるほうがいいあの1時間前のことは。
脳の中に残された断片がコラージュされて、グラスに落とされたミルクのしずくのように…というより床に落とされてクラスというほうが適当だろうか?すべては、混乱に収束されていくようで気分がますます悪くなる。
1時間前。真駒内にある喫茶店にて。この地は札幌なんだけど、市内のほかの場所にはない、街として表情がある。駅から20分ほど歩いた中通り。木材で縁取る透明なガラスのドア。7つほどのカウンター席。4人席が2つ。2人席が2つ。シックな木目調の家具。壁面は灰色。
テーブルの上には砂糖のポッド。このポッドの位置がいつも気になっていた。少し大きめの雑誌を読むとき、誌面の左端がぶつかるのだ。そのたびに位置変えなければならない。雑誌との、小さな楽しみが邪魔された気持ちになる。
1時間前、僕は今よりずっと気分良くお茶を飲んでいた、と少なくても僕は記憶している。しかしながら、僕と対峙していた彼女はそれほどでもなかったとように思える。今の冗談だ。実は彼女の態度など僕は1ミリも興味を持っていなかった。関心のあるフリをしていただけなんだ。それでも僕は真剣だった。彼女の髪型から、ブルネットの髪について話をした。そこから、彼女の変化ははじまった。(第2話に続く)
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「高橋靖子展 −巡りくる刻のなかで− YASUKO TAKAHASHI EXHIBITION 2008」
期 間:2008年11月20日 〜 2008年12月16日
会 場:カフェ エスキス(北1西23)
美瑛清掃センターステンドグラスデザインや、道庁地下歩道タイルデザインを手がけた帯広出身のアーティスト、高橋靖子のエキシビションが行われた。
素材には、古布・糸・切手・ボタンが使われているのが大変ユニーク。素材にも歴史や時間の流れが感じられて作品自体に深みが感じられた。アートの先鋭さと、懐かしが共存する親しみやすい、不思議な魅力のある作品がならんでいた。
お茶を飲みながら、作品を見て自分の過去の記憶をたどってみてはどうだろうか。
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「北海道教育大学情報デザイン研究室展vol.8」
期 日:2008年11月1日(火)ー11月16日(日)
会 場:コンチネンタルギャラリー(南1西11)
情報デザインと(Information Design)は、その用語としては馴染みのあるものではないと思う。しかし、その意味は「人間とモノや環境との関係性にかたちを与える方法論、生活の中にあふれる無数の情報をわかりやすく提示する手法、あるいは、それらの考え方」と定義されている。そう考えると、私たちが普段目にする広告や、お知らせや、指示など「伝える」ものとして無数に存在することがわかる。
本校にて8回目を迎える今回は、「伝えるを形にする」というテーマで行われた。会場では伝えるスタイルとして、平面から、立体、コンピュータ、インテリア作品等が展示されていた。内容的には、商品広告的なものから、アート性の高いものまで多彩であり、「伝える」ということについて、さまざな可能性が示唆されていたと思う。
また、先鋭だったり、ポップで楽しげなものも多く、アート作品として鑑賞しても楽しいものであった。
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「CLARK THEATER」
会 期:2008年10月30日(木)-11月3日(月)
会 場:北海道大学 クラーク会館「講堂」(北区北8西8)
2006年よりスタートした「CLARK THEATER(クラーク・シアター)」とは北大映画館プロジェクトによる“映像・映画教育やコミュニケーションの場の創造”などを目指し、一般にはあまり観る機会はないが文化的に優れた映画(短編・長編)を上映する映画祭。北大生を中心にすべて学生で運営されている。本年度5日に渡り開催された。
期間中、学生から熱心な映画ファンまでたくさん人が北大内な会場に集まった。
「ローズ・イン・タイドランド」(監督:テリー・ギリアム)「花とアリス(監督:岩井俊二)など他の映画館では観られない国内外作品や市内在住の監督作品の上映が行われた。
また、日本に数十人しかいない活動弁士の佐々木亜希子+北大ジャズ研究会による「カリガリ博士」「チャップリンの移民」上映イベント、映画監督らの舞台挨拶や、その他映画関係者のトークイベントなどで会場は盛り上がった。上田札幌市長もゲストとして会場にてトークを行なったり上映室を訪れた。
来年にもどんな作品が上映されるか期待したい映画祭である。
http://www.clarktheater.jp/
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「『2.5D』モビールとデザインシートの展示」」
期 間:2008年11月11日(火)〜30日(日)/水休/11:00ー20:00
会 場:Hanaagra Gallery 向かい特設会場(南3西2 狸小路2丁目ニコービル2F)/入場無料
jobinはオリジナルのモビールを制作している市内在住のアーティスト。
画家のpaterと「ハルナデ展」という2人展の企画やイベント装飾、 最近ならcacoiでのイベント「カーニバル」での出展を行った、彼の個展が現在開催されている。
今回はおなじみのモビール作品の他に、最近本職として動き始めているという「デザインシート」というプロジェクトのショールームも兼ねたものとなっている。「デザインシート」とは、仕事として壁面やガラスに簡単に張れるシートの発注を受けて、お客さんの要望を受けてデザインから、張る作業まですべて受注するプロジェクトである。会場では壁面に動物、植物、村の光景などをデザインした「デザインシート」作品例が張ってある。
これらは、店舗などで利用してみては良い空間演出になるのではないだろうか。また、グラスや花器などの小物にプリントしたものも展示されており、気の利いたオリジナル雑貨を作るにも大いに利用できる可能性をもっている。興味があれば下記の会社に問い合わせてはどうだろうか。いろいろな相談に乗ってくれるだろう。
ジョイント・クラフト株式会社 http://jointcraft.blog19.fc2.com
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「しおりのしおり 本展は 本展と 栞展」
2008.11.9(日)ー22(土)11:00〜20:00(最終日17:00まで)
会場:中央区北3条東5丁目岩佐ビル3F(「バスセンター前」駅出口8番から徒歩9分
入場無料
市内在住のグラフィック・デザイナー、足立しおりの企画展示が開催された。
会場は彼女が勤めるデザイン事務所「寺島デザイン」のオフィスのある岩佐ビルの一室である。札幌ファクトリーから非常に近い。
この建物はもともとはサイダー工場であったいうことで構造もユニーク。入居者のリフォームにも寛容なためか、クリエイティヴ職種の入居者も多い。
本企画は「しおりのしおり」というタイトルのとおり、彼女がデザインしたオリジナルのしおりを展示・販売している。しおり、といえば本であり、しおりと一緒にお勧めの本が「行間鑑賞」「みてくれ」など目を引くテーマごとに紹介されている。
そのため、ただデザインを見るだけではなく読書のしたくなる、興味深い内容となっている。本のセレクトについては本に詳しいスタッフに加えて「中学生はこれを読め!」で知られる市内の書店「くすみ書房」の店長も協力している。展示台は今回のために制作した本を開いたような形にものでおもしろい。紹介する本をカバーなどのない古本にしているのは「読み込まれて選ばれた」という感じで良い雰囲気。気に入ったら各テーマのお勧め本のリストも、もらうことができる。
しおりはセットで500円。しおりコレクターの方や、古本屋さんの方もお求めになるとのこと。また会場内ではお勧めの本を並んだ細長いテーブルに座って、お茶や読書もできるカフェ空間も設置されている。テーブルはしおりさんの妹さんが作ったもので、カップはしおりさんが作ったものだという。至れり尽くせりな空間作りに感心する。
良いアイディアがあっても実際に展示空間にバランス良く落とし込むことは難しい。しかし、本展示はを実際に非常に細部まで作り込まれており、会場全体をフル活用した空間が作られている。足立さん及び協力スタッフにお疲れさまといいたい。ぜひ、いろいろな人に足を運んでもらって、しおりに読書に頭のアンテナを伸ばしてきて欲しい。
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道を歩いていると彼らがいた。前はパルコ上のエキシビションで見た。その時は大きなイラストで、彼は王様の格好をしていた。
「そうか、彼は王様だったのか」と知った。庶民的なキャラクターだと思っていたのに少々、裏切られた記憶がある。
しかし、商品化され庶民の愛されるには、複雑な要素がからむし、凄いプレッシャーだと思う。それをうまく、かわしていくのは王様というバックボーンかあるから可能だったのだ。ごめん、裏切りではない。これからも僕をいたわってれるアイコンであった欲しい。
路上で出会った彼のファッションは、凄くリベラルに思えた。洋とも和ともいえない服装は僕に自由を教えてくれる。対して、彼女のファッションはどうなのだろうか。少々、品格に欠けるのではないか?頭の上にいるヒヨコは、ヤン・シュヴァンクマイエルの「ALICE」の影響は明確ではあるけど、食事ではなく、入浴であることがオリジナルだろう。品格に欠けるといいつつ、彼女の服装に惹かれてしまうのは、男性の悲しいサガだろう。
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スピード社会。早ければ早いほどいい。その傾向はどこまで行くのだろう?スピード君は何をしたいの?それにしても機会があれば彼と会いたかった。話したかった。オープンカフェで待ち合わせをすることにした。
カプチーノを飲みながら考える。カップの泡がコーヒーに溶け込んでいく。スローライフという言葉があったけど、それは僕たちの生活のごく一部をスロー再生することだろう。映像のスロー再生の世界。その外では1秒でも早ければ喜ばれる世界が加速を止めない。
スロー再生が終われば、もとの世界に戻る。遅れた分を取り返さなければならない。早さは善。そう教えられたし、自分自身もそう思い、そうありたいと思ってきた。いや、今もそう思ってる。カプチーノを飲み干した。使わないノーカロリーの砂糖が残った。
世の中のどこかに忙しさの源があるだろうか。忙しさのコア。それは、地中か、海域かもしかしたら空中にあるのか。それを探す冒険をしたい。心にあるのか、それなら変えられると思う。来週末にでも旅に行こうか。いや、準備に時間がかかるので来月になるかも。バッグも買わなきゃ。丈夫なやつがいい。
風は静かに流れていた。1000年前も、この風はここを流れたのだろうか。心地よい光が、少し遮られた。今と昔、何があったのか。「お待たせしました」。影が実体となり視界に入ってきた。スピード君の座った丸いチェアには、不機嫌そうな自分が居た。
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洋画★シネフィル・イマジカ
「ストレイトストーリー 」(1999)
公開当時、雑誌の記事でリンチの新作は「老人が兄と仲直りにトラクターで遠い土地まで会いにいく話」と読んで、なんだそりゃ、と思った。観る気がしなかった。リンチといえばカルトな作品を期待したからである。
そんな先入観を残したまま今回観てみた。これが凄くおもしろい。老人が主人公のロードムービー。時速10キロも出ないトタクターにキャンプ道具をつけて6週間かけて公道を進む。その道中、家出少女や、鹿を轢いてしまった女性、サイクリングの若者たち、街の老人たちに出会う。
まちがえれば、世の中も悪くないよ、といったフラットな人情ものになってしまうところを、リンチの天性のカルト感は、画面をビシッと決めてくれる。監督としての手腕は奇妙な設定な作品だけではなく、本作のような平凡ともいえる話にも十分に力が発揮されている。
登場するエピソードは「家族は大切」といった、ごくごく平凡なもの。普通ならあまりノル気にならないのだけど、リンチの画面の中で語られたとき、強力なリアリティと、まばたきをするのも惜しいくらいの緊張感が走る。見逃せない。老人たちの表情だけですべてを語らせるの本当に凄い。センスのある作り手はジャンルを選ばない、というのを証明した作品になっている。平凡なこと、一般的なことを魅力的にみせるというのは本当にセンスが必要なことで、僕もそれを目指した作り手となりたいと思う。
ディテールを見ると、やっぱりリンチなのだ。なにかのふりをしたリンチではない。無理をしたリンチでもない。素のリンチの作品だとわかる。本作の後の作品がカルトな大傑作「マルホランド・ドライブ」なのもびっくりするなぁ。
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僕はすぐ、ああもうダメだと思ってしまいます。性格なんでしょうね。1日にうちに何度もああダメ、もうダメ、すべてダメなんて思ってしまう。それでも時計は進むし、日が沈むのです。
なるようになるさ、なんては思いません。それは羨ましい。なんとか自分をコントロールしようとして、すべては外れていく。僕の心の中の出来事。それは誰も知らないこと。自分しか知らない秘密。知られてはいけない。
でも、みんなそんな秘密を持ちながら日々暮らしてると思う。秘密は秘密であるのが美しく甘美。それに酔うこともたまに。この文章の後半は「秘密」というワードの使いすぎではないかと思います。
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洋画★シネフィル・イマジカ
「青い棘」(2004)
実話ベースのお話。先日観た「es」といい、ドイツ映画は「実話」が好きなのかしら。舞台は1927年のベルリン。学生の主人公は友人と別荘でのパーティに誘われる。
別荘にはたくさんの同じ学生達が一晩パーティを夜通し楽しむ。主人公は親友の妹に恋をしていた。親友は妹の彼氏に恋をしていた。そこから生まれる悲劇。
昔の学生ということで、ジャケットを着てパーティを楽しむ学生達は雰囲気はあるし、湖畔にある別荘は本当に素敵な場所だと感じた。パーティは昼間から始まり、夜となり、そして雨が降って室内に避難したり。会話を楽しんだり、寝そべったり、酔っぱらったり、ゲームをしたり。とにかくパーティのシーンが一番好きかな。
要するに「学生の飲み会」な訳なんで、それを観る側にリアルに感じさせつつ美しく撮るというのは凄く難しいと思う。楽しげで、美しさを出す映像センスに感心。ああ、僕も学生時代にこういうパーティに出席したかったなぁ、と思う。今じゃダメなのである、学生時代だからいいのである、こういったパーティは。そこに悲劇が生まれるポイントがあったと思う。
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「CULTIVATE SEMINAR05 坪井浩尚 と NOSIGNER の対談 いいデザインってなんだろう」
日 時:2008年11月9日(日)14:00-17:00
会 場:ユビキタス協創広場 u-cala(中央区大通東3-1)
「CULTIVATE SEMINAR」とはクリエイター紹介サイト「mosslinkage」等も運営している市内のウェブ制作会社インプロバイドが企画する2ヶ月に1度、最前線で活躍するクリエイターを招いたセミナー。
今回はプロダクトデザイナーの坪井浩尚さん・NOSIGNERさんが出演。デザインについてのトークが開催された。
坪井浩尚は、プロダクトデザイナーであるが出身は建築学科で、学生の頃からいろいろなことに興味があり、ミュージシャンのライブセットの空間作りの仕事をしていたという。
「自分を知るには、他人を知らなければならない」というところがデザインへの興味のルーツにひとつになっているという。また、父がお坊さんであったことから、大学卒業後、厳しい修業を行なったというユニークな経験を持つ。その後、会社に就職したが、そこで働きながら作った作品がロンドンのエキビションで高い評価を受けて自分の会社「100%」を設立。現在に到る。
作品例、電球の形をした照明器具。誰もが見慣れた電球が、照明器具になっていることがユニーク。「電球による電球。」 坪井浩尚氏デザイン(照明/ライト/100%)
あえて、本名を出さずに作品を発表するNOSIGNER。坪井浩尚と同世代で、建築学科という偶然にも似た経歴を持つ。
形のないもの、目に見えないものを作りたいという。大学在学中よりクライアントを探し、デザイン等の仕事もしてきた。大切なことは自主性であり、なにかを得たければ自分から取りに行くのが重要だと語った。
写真の作品例は、タマゴの空を使った照明器具。自然のフォルムの美しさ、再利用のムダの無さ、土に帰るモノであることに魅かれ興味があるという。
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北大の工学部の研究室にて打ち合わせ。
工学部って、初めて行ったので迷いそうになった。それにしても、北大は広い。雰囲気ある古い建物もあるし、自然も多く、敷地の奥に行けばいくほど、独自の世界に入り込んでいきそうだ。札幌にいるというより、北大にいるという感じなのだ。
打ち合わせの前に、10人ほどの学生さんのブレストを見学させてもらった。なかなか参考になりました。自由なディスカッションって大事だなぁ、と思った。
僕は、あんまり考えすぎず、打ち合わせはスイスイやるほうが好きなんだけど、時には回り道をしながら、みんなの考えを重ねるというのは大切で、そこからさまざまなアイディアをとりだして、考察して決めていくことが有用だと思うし意味があるではないか。
抽象的なアイディアを反故にしない、枠から外れた発想も大事にする、そういう打ち合わせは、じっくりやってみたいと思いながら、夜の研究室を後にした。
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アウト・オブ・コントロール。
僕はすぐ、ああもうダメだと思ってしまいます。性格なんでしょうね。
1日にうちああダメ、もうダメ、すべてダメなんて思ってしまう。
それでも時計は進むし、日が沈むのです。なるようになるさ、なんては思いません。それは羨ましい。なんとか自分をコントロールするのですが、それは難しい。結局、ダメダメだと思います。
「ダメでいいんだ」と肯定できればいいのですが、それには頭のどこかの回路がブレーキをかける「ダメでいい訳ないじゃん」。自分のダメさを肯定するには、当然他者のダメさも肯定しなければならない。それがバランスというものである。生きるとは暗闇を進むようなものだ。見えない暗闇を。
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じゃーん。自分打ち合わせカフェベスト5に余裕でエントリーされる倫敦館。
その理由は、夜遅くまでやっている、テーブルが高く・広いので書類なども広げやすい、照明も明るい、駐車場がある(僕はなくてもいいけど、相手方が車が仕事道具の人には必要)そして、カフェとして雰囲気がいい。打ち合わせ場所は、雰囲気がありすぎると、打ち合わせするのは野暮だし、ないならチェーン系のお店で良いことになる。
あまり振り返らない過去を考えてみると、このカフェのテーブルでさまざまな問題を考え、嬉しかったり、時にはショックを話し合ったり。これから仲良くしていきたいなぁ、と思った人が後日退職していたり。いろいろありました。
ひとりで行ってもよいお店です。なんというか、日常的で気の利いたカフェという感じだろうか。僕はカフェであんまり食事はしないけど、このお店は食事もおいしいです。特にナポリタン!、まさにこれが食べたかったという麺の細さ、濃いめのソースで出てきますよ。
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先週のTV局内で行われた某映画祭控室にて。某スペース管理者の2人と。舞台挨拶のトークをやらせていただいた。こういったおしゃべりというのは難しいものである。
お客さんと距離が結構あって、照明がステージだけに強くあたっているのでステージからお客さんの顔がほとんで見えなかったので、反応がよくわからかった。椅子での3人トークでありました。
トークの最中、自分は猫背だなぁと、何回も感じて姿勢を正した。そんな謎の動きを繰り返していたら、コイツ大丈夫かと感じたのか隣の総合司会者K君がたくみにフォロー。スタンダートに話を盛り上げてくる。うまいね。慣れている感じ。僕はちよっと変なことを言ってほうがいいかな、というバランサーが働いて、グタグタなことを話した気がする。ついつい早口になるのはよくないと思う。その点、K君は、ゆっくりわかりやすく話すのは、うまいなぁと再度感心。監督の話もなめらかに進む。感心ばかりの僕でした。
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洋画★シネフィル・イマジカ
「トータルリコール」(1990)
この監督、ポール・バーホーベンが凄いと思うのは、ロバート・A・ハイラインとかHGウィルズとか巨匠というべきSF作家の原作をサラリと自分ふうに監督してしまうこと。そのおおざっぱな映像化ぶりに、原作ファンのプレッシャーとかないのだろうかと思ってしまう。でも、少なくても退屈はさせない映画にはなる。
本作も評価が高く、熱心なファンが多いフィリップ・K・ディックの原作。バーホーベンとディックというとずいぶん食い合わせが悪い感じなんだけど,これが結構いい。
デイックの繊細な哲学的ともいえる内面のドラマを、バーホーベンは、本編始まって早々、銃撃戦、肉体アクション、クロテスクな描写など、必要以上に盛り上げてくれて、お化け屋敷的なおもしろさに溢れている。SF的なビジュアルも、おもしろさ最優先で見せてくれるのが楽しい。デイックの原作ならいくらでもアートな雰囲気にできるのに、そこを捨て下世話ともいえるおもしろさにできるのがこの監督の最大・最強のセンスだろう。「ブレードランナー」最初から狙ってないから、ということだろうか。
シャロン・ストーンの安っぽさ、マイケル・アイアンサイドの悪者っぷりも実にわかりやすくて魅力的だ。悪役はいつまでも悪役で、因果応報で残酷に死ぬ。エンターティメントとしてのおもしろさ、わかりやすさは凄いと思う。ちょっとやりすぎ感のある、ところが良いスパイスだになっている。いろいろうるさい今の映画ではできないことではないか。
SFセットは大作らしく、お金がかけられていて安っぽさは感じない。まだ、なんでもCG時代の作品ではないから実物セットの質感はなかなかのものである。ラストシーンも凄く良くて、センスを隠している監督だなぁ、しみじみ思った。
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「第20回さっぽろ映画祭」
期 日:2008年11月1日(土)〜3日(月・祝)
会 場:STV特設ホール(中央区北1西8STVホール隣接)
1982年から始まり今年で20回目を迎える「さっぽろ映画祭」。今回は特別企画「さっぽろ映画祭×映蔵庫」として市内在住の映画監督 長沼里奈が代表の「映蔵庫」による長沼監督の作品「丹青な庭」 「まぶしい嘘」と国内外の若手監督の作品上映および監督等関係者のトークイベントがSTV特設ホールにて行われた。熱心な映画ファンがつめかけていた。
http://www.sapporofilmfes.com
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題 名:「第6回学生STEP -なんでもアリの学生アート展-」
日 時:11月1日(土)/11月2日(日)11:00〜20:00(18:00よりArtistTalk 端聡・ワビサビ・引地幸生)/11月3日(月)11:00〜18:00(16:30よりClosing Party) 会場:アウ・クル(旧豊水小学校体育館・南8条西2)・入場無料
2004年の春からスタートし、年に一度開催している学生によるアート作品の発表の場「学生STEP」。会場は元小学校の体育館で開催され、平面・立体作品から映像、ステージを使ってのライブ等、幅広い作品の発表の場となっている。
展示の他にも初日はオープニング・パーティ、2日目は市内のプロ・クリエイターを招いてのアーティストトーク。そして、最終日3日目は16時30分よりクロージングパーティが予定されている。また、今年は「仕事人賞」として、市内のクリエイティブ関係者のよる審査が行なわれ、直筆の講評の展示も行なわれていた。
http://www.step2004.com/
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「フリーペーパー=小さなメディアの放つ光展」
日 時:11月1日(土)~16日(日)10:00~20:00
会 場:カフェアートリエ(博多リバレインB2F)
料 金:入場無料
福岡県博多の複合商業施設博多リバレインの地下2階にある「文化芸術情報館 アートリエ」。ここは、アートや文化を通した交流の場として、さまざまな企画や展示が行なわれている。また、コーヒーからカクテル、フードもあるカフェでもあるので、打ち合わせや、くつろぎの場としても広く利用されている。
現在、全国から厳選した約60誌のフリーペーパーの展示を開催中。バックナンバーを自由に見たり、最新号を持ち帰ることもできる。さまざまな地域から発信されるフリーペーパーも読んだり、持ち帰れるのは楽しい体験だといえる。私どもで発行している「MAGNET」も展示・配布されています。
アートリエのブログでもフリーペーパー展について紹介されています。
http://blog.ffac.or.jp/index.php?e=46#more
●展示フリーペーパー
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洋画★シネフィル・イマジカ
「善き人のためのソナタ」(2006)
ドイツ映画。お話は冷戦時代の東ドイツを舞台に、国家に反抗的な人間を取り締まるの実在した秘密警察、国家保安省(シュタージ)に属する主人公を描く。
彼はプロフェッショナルなエージェント。尋問・盗聴等の仕事を行なう。ある時、上司の命令で劇作家と、その恋人である女優の盗聴任務を続けるうちに自分の仕事に疑問を感じていく…
秘密警察のエージェントといっても、主人公は007のようなカッコいい男ではなくて、その風貌は冴えない独身の男である。年齢も初老に近い感じだろうか。しかし、優秀な工作員なのである。なのに、出世はあまりしていない様子なのは仕事に対して真面目すぎるからのようだ。
誰よりも国家に忠誠を誓い、私利私欲ではなく国家のために、市民を拘束し、眠らせないで尋問し、自白させる。自分の仕事をプロフェッショナルになしとげる男の心境の変化・行動が本作の見せ場となっている。
主人公は寡黙である。しかし、その目はいつも周囲の状況を注意深く観察している。だから、優秀な工作員なのである。しかし、その目が仕事から離れ自分の身の回りを大きく見回したときに、心境の変化が起きていく。そして、時代も冷戦時代から新たな時代に移行しようとしていた。
主人公の仕事は特殊ではあるが、仕事に真面目で、孤独な生活をしている男、という部分は十分親近感を持てる。知らずに盗聴されている、2人の恋人同士の関係も関係も、見ごたえがあるし、そこから影響を受ける主人公も見逃せない。特殊な仕事と、孤独な男の感情がうまくミックスされたおもしろい作品となっている。ラストの主人公の表情を観た時、俳優というのは凄い職業だなと思った。その表情だけでこの映画は観る価値がある。
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