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正月はアマゾンで過ごします。

Mk そばを食べる。といっても、年越しそばではない。でも、そうかもしれない。実家で予定されているのだろうか。

 近ごろ、最近知り合った人と、ほどほど気持ちのよい雑談をした後に、正月の予定を聞かれ、「えー本でも読んでます」とストレートに答えたら、しばしの沈黙があった。

 ああ、責任を感じてしまいます。ここはいち社会人として「ああ、ワイハ(ハワイ)にでも行ってきます」といえば良かっただろうか。でも、嘘はいけない。真実は「アマゾンでいっぱい本とCDを買ったので、実家でそれ三昧です。人と会う予定はありません」なのだが…。来年は、せめて旅行でも行こうかしら。

  年末になってウジウジと考える訳です。そんなことを頭の片隅に思いながら、アマゾンで買った本を、「おもしろいなー」と読み。CDを「音楽っていいよなー」とやや気の抜けたスタンスで楽しむ訳ですね。ベストだとは思いませんが、それはそれで楽しいものなのです。



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ソンビは走らなかったよ。

Dd 「DIARY OF THE DEAD」(封切作品)

 先日、会食をしていて、ソンビ(リビング・デッド)ものの映画話になった。「ここ、最近の映画のソンビって走るよねー」という話になった。リメイクの「ドーン・オブ・ザ・デッド」とかね。

 でも、元祖の監督、ショージ・A・ロメロのソンビは、続編を重ねても走らない。ゆっくり歩く。それはなぜだろう。その場では、うまく心には浮かばなかった。考えるのを中断した。デザートも来たし。

 家に帰ってみて考える。ロメロって、自分のリビング・デッドのシリーズってここまでヒットすると考えなかったかな、と思う

 ロメロは良くも悪くも今でも「元祖ソンビ映画の監督」である。他にも監督作品はあるが成功したとは言い難い。個人的には初期の作品で「マーティン」という吸血鬼の少年の作品が凄く好きなんですけどね。機会があったら観ていただきたい。「吸血鬼」ものとしてはかなり出来がいいと思う。前にも書いたね。

 話は戻りますが、ロメロにとって「ゾンビ」というのは、ひとつのメタファーというか抽象的な存在で、それは人間の内面を表現するための、特殊な状況を作りだす、ひとつの小道具だと思います。だから、空気のような存在なので、あんまり激しく動かれても困る。といっても、まんま空気でも困るので、時々、アクションを盛り上げる時もある、といった感じです。ロメロの作品には「結局、一番恐ろしいの人間」という社会的なテーマがあったりします。

 近ごろの、リメイク作「ドーン・オブ・ザ・デッド」は、ロメロのソンビ作品の「ソンビとの戦い」だけをピックアップして作品化したもので、それはそれで十分おもしろいのだけど、社会的なテーマを捨てた時「ゾンビ」が走ることを必要としたのだと思う。アクションだけが見せ場になるから。

 前置きが長くなりました。そんな、元祖ゾンビ監督のロメロ最新作「ダイアリー・オフ・ザ・デッド」を観た。ここ数年ヒットしている「走るソンビ」映画に対して、ロメロはどう回答するのか?楽しみにしながら、上映時間を待った。

 やはり本作は、ゾンビは走らなかった。さすが、ロメロである。低予算で、短期間で作られた作品であって、前作「ランド・オブ・ザ・デッド」よりはるかにスケールの小さい作品なんだけど、なかなか味わい深い作品になっている。

 話は、ゾンビ発生の初期が舞台。映像学科の学生がホラー映画を撮っていると、そこでソンビの遭遇し、その様子を記録にすることを決意する。仲間が殺されようが、つねにカメラを回し続け、ネットに映像をアップロードして、世界に真実を伝えることに使命感を持つ。

 今回は、メディアのあり方というのがテーマになってるようで、お約束の「人間の恐ろしさ」もあり。ロードムービー風に実家に向かう学生たちの道中のドラマがメインであり、アル中気味だけどアーチェリーを武器に戦う大学教授とか、口が利けないけど頼もしい農家のオヤジなど、ドラマ部分に味わいもありユーモアもある。

 ソンビとの正面戦争のような激しい戦いを期待するとがっかりだと思うけど、ソンビとの戦いシーンは最新CG技術か使われ、少ないながら見応えはある。それにしても、本作の見どころは「死者が蘇った」いう状況での様々なドラマであることはたしかである。アクションに頼ることなくドラマの「味わい」という部分にこだわったのは、正解だあり、風化しない作品になると思う。








 

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ボランティア・スタッフ募集について

Numerologo

▼スタッフの募集について

ニュメロデューでは、ウェブの記事およびフリーペーパー「マグネット」の制作を手伝っていただけるボランティア・スタッフを募集しております。

 基本的に在宅にておねがいしたいと思うので通勤等は必要ありません。ウェブ用のニュースの取材(記事例)、フリーペーパー「マグネット」の制作アシスタントの雑務、その他の企画についてのサポートです。編集・ライター的な業務が多いと思います。

 年齢・経験は問いません。社会人、学生さんでも可です。日々、一定の時間をアシスタントのために確保できる方を希望します。ご自分でオンラインマガジンやフリーペーパーを作りたい人に役立つかもしれません。

興味のある方がいらっしゃったら、簡単なプロフィールをお書きのうえ、qzj12432@nifty.comまで「アシスタント希望」のタイトルでメールをおねがいします。

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MAGNET 25 号発行しました+アウトテイク

Mag25c_2 MAGNET 25号・2009年 
「札幌演劇 納谷真大」

 フリーペーパー「マグネット」最新号発行いたしました。市内のカフェ等飲食店を中心に配布を開始しております。→配布先

 今号は2009年最初の新年号です。今回の特集は「演劇」。富良野塾出身で現在は札幌を拠点に活動する俳優・舞台作家・演出家、納谷 真大(なや まさとも)の取材を中心に演劇の魅力を探っています。

 冒頭は小説家 朝倉 かすみとの対談記事ではじまります。

 また、今号は2009年より、北海道文化財団による納谷真大脚本・演出の公演「ぐるぐる地獄」の公式パンフレットを兼ねたものになっています。この公演は札幌および道内6ケ所で公演されます。

以下、クリックで制作話アウトテイク(自画自賛を含みます⤵)

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8個?5個で十分ですよ?

Tf  カキフライ定食を食べに行く。お店には僕ともうひとりのお客さんのみ。おかげで4人テーブルに座れた。

 メニューを見て、カキ5個の定食をオーダーする。8個というのもあって、価格もそれほど変らないのだけど、さすがにその数はツライかも、と思う。残すと後悔しそうだし。

 カキフライ好きなんです。あんまり意識はしないけど、牡蛎好き。フライでも生でもおいしい。そうそう、カキ鍋もいいですねぇ。お店で食べるのも、多少値が張るもののほうが、やはりおいしかった記憶がある。

 今回食べた値段は普通の価格だけど、十分おいしかった。揚げたてで食べられるのはおいしいですね。タルタルソースをつけるのがいい。キャベツは普通のトンカツ・ソースで食べます。

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なめたくなる映像。

21 「2001年宇宙の旅」(1968)

 本作は「眠くなる映画」という印象を持ってはいけない。内容の深読みもいいや、と僕は思っている。
 監督のキューブリックはとにかく「自慢の映像」をみせたかった、それだけの偉大なではないだろうか。

 シーンは大きく4つに分れる。(1)類人猿とモノリス(2)月のモノリス(3)ディスカバリー号での出来事(4)木星到着である。

(1)は、類人猿のシーンは素晴らしい。初めて観た時は、ホンモノの猿だと思ったくらい。

 (2)は、宇宙船、宇宙ステーションでの、食事からトイレまで無重力での一般的な様子が紹介されていく。楽しいしオシャレ。イームズ。

(3)は、宇宙船の本命、ディスカバリー号が紹介され、その中の生活。船外活動の無音の世界。そして、ピリッとしたサスペンスの要素が加味されてドキドキ。

(4)では、スターチャイルドの誕生。めくるめくるビジュアルが楽しめる。

 ポイントは「映像美」。そのピンポイントの作戦は大成功しており、40年たった今でもハンデなしで楽しめる。いくらモノリスをめぐるミステリアスなストーリーが用意されていても、本作のような映像美がなければ、ここまで魅力的な作品にならなかっただろう。

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熱帯雨林で正月準備

Am

   正月準備。僕は着々と進める… さて、何をしょうか?思いつかない。漠然とネットサーフィン。そこで、アマゾンである。

 僕の欲望の縮図、誰にも見せられない「欲しいものリスト」をチェックする。 昔のものだと、こんなの欲しかったのかな、と?なものもある。その時の精神状態がよくわかる。

 そう、物欲とメンタルというのも密接な関係があるのかな、とふと考える。そんな再考はすぐヤメて、欲望モード。コンセプトは「自分ひとりだらけの遅いクリスマス」ということで、CDと本を欲望のおもむくままクリック。まとめて送付のタイムリミットを横目でみつつ、またカートへ。それでも合計は1万を切った。これは良いことだろう、と自分をなぐさめる。おまえは成長しているぞ。
Photo by Guillermo Esteves

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セットメニューを考える生活。

Cd  お昼ご飯をそば屋で。そば屋さんの、「そば以外のメニュー」もなかなか興味深い。「そば屋でお酒」というのも興味があるのだけど、僕はほとんど飲めないので、フィールド・ワーク不可。残念。

 そんな自分を嘆いていると。特別メニューでカレーセットというのがあったのでオーダーしてみた。セットの名前はあまりヤル気がなさそうのだけど、これが予想外によかった。

 出てくるものを名前とおりだが、カレーが辛みが少なく、ルーに味わいがあって、おそばと一緒でも食べやすい。具も揚げ出し豆腐と、ナス、目玉焼きという取り合わせも工夫している感じ。ついている大根サラダもおいしかった。セットメニューという地位に甘んじることなく、魅力的なところに感動。お昼時のちいさい幸せ。

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理想のクリスマス。上から目線。

Go 「ぐりとぐらのおきゃくさま」(絵本)

 クリスマスの予定はゼロだが(前後も含む)、それっぽい話題でも書こうか。絵本を紹介しよう。最初は「さむがりやのサンタ」にしようと思ったのだけど、近所のそば屋で食べながら新聞を読んでいたら市川実和子が紹介していたから、やめた。僕は紳士なのでレディファースト。

 では、ということで「ぐりとぐらのお客さま」をお勧めします。僕は一日何度、「ああ、ぐりとぐらのように生活できたら!」と想像の世界に逃げ込むのだろうか。

 困った時、弱った時、一人で「ぐりぐらぐちぐらぐりぐら…」と呪文を唱え出したら、デッドゾーン。想像は妄想にシフトして、一枚の強化ガラスを隔てて、プラスとマイナスの境界線を作り出す。妄想もなかなか手間をかける必要がある。大変な作業だ。

 本作は、「ぐりとぐら」のシリーズ2作目。「お料理すること食べること」が大好きな双子の野ネズミの小さな冒険話。その世界観とても優しく、暖かいものに満ちている。そして、話はシンプル。僕は絵本の話はシンプルでいいと思う。彼らが見上げたものは何だったのだろう?それは読んでのお楽しみ。

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優しく語りかける都市。

Pt 洋画★シネフィル・イマジカ
「プレイタイム」(1967)

 恥ずかしながら、ジャック・タチの作品をキチンと観たのは今回は初めて。本作は都市を舞台にした実に独特な作品だと思う。ゴダールの「アルファビル」を思い出した。

 近未来のパリを延々と描いている。後半はモダンなお店が開店して朝まで続くパーティのドタバタな様子を描いている。一応、初老男性「ユロ氏」が主人公だけど、特にその行動に強いストーリーがある訳ではない。多くの匿名的な登場人物の中に埋もれていく彼の姿を必死に追っても、映画の中身がわかる訳ではない。

 終始コメディ・タッチ。監督の目指したのはアートなコメディだろううか。本作は、下品なコメディではないし(といって気取った上品なコメディとも違う)、感動のコメディでもない。まったく新しいコメディを構想して、舞台も未来都市に設定したのだろう。正直、大笑いできるようなシーンは僕にはなかったのだけど、心はなんとなく暖かい、優しい気持ちにはなった。
 都市の存在感をコメディを表現したという意味で、唯一無比の作品ではないだろうか。

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封切りを観た「地球が静止する日」。

Ts 「地球が静止する日」(2008・国内封切)

 キアヌ・リーブス好きです。この人の演技がウマイかはよくわかりませんが、存在感がいいですね。

 「コンスタンティン」や「イルマーレ」も良かったと思いますよ。でも、「マトリックス」のイメージからか、今回の大作出演はSF。SFといえば「マトリックス」よりも「JM」が好きな僕です。

 さてさて、封切り直後のリーブス主演の「地球が静止する日」を観てみました。狸小路の東宝プラザにひさびさに行く。1F以前ゲーセンだったのに「HUG」という北海道の食材のお店になっていました。良い感じです。今度ゆっくり行きたい。

 上映劇場は地下。上映10分くらい前に着きました。ロビーは上映を待つお客さん。年齢層はわりと、高い感じ。20代中ば以降か、40〜50代の男女という感じで、原作ファンの方かなと思ったり。
 さて、上映。予告は特に印象に残る作品はなく、すぐ本編上映になりました。僕は、原作や、最初の映画化された作品については、知らないのでそのあたりの比較はよくわかりません。

 自分の好みとしては、セットや美術のリアルで淡々として描き方は結構好きですね。異常事態に対処する、政府、警察・軍隊の動きかたとはかなり好みで、それだけまた観たいからDVD買おうかな。

 キアヌは、役柄のためか淡々とした演技が多いけど、雰囲気は悪くない。あと、ジェニファー・コネリー、女性科学者であり母親であるという役柄、良い感じに演じているというか、僕の好みです!本作でステップ・アップして欲しいと切に願います。「フェノミナ」から好きです。

 それで、ストーリーなんですが、なんかよくわからないです。もう、少しキアヌが、いろいろ交流を深めていくシーンがあれば、良かったような気がしましたし、ジェニファーの子供もどうも意味不明でした。いや、わかるのですけど、ラストへの収束の仕方が唐突すぎて、観るほうには説得力が欠けているような気がします。

 僕はあんまりその辺は気にしないで本作が楽しめましたが、ドラマを観たかった人や、ビジュアルでもっとインパクトの欲しい人には物足りないかもしれないですね。でも、僕はDVDを買うでしょう。ジェニファーも好きですし。



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08.12.20-09.01.10「富樫 幹 個展 imaginari drawing」(Report)

「富樫 幹 個展  imaginari drawing」
日時:12月20日(土)-1月10日(土)13:00~23:00
日曜・祝日休 (ただし12/21営業)                  
会場:CAI02(大通西5丁目昭和ビルB2)

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    市内在住の作家、富樫 幹(1982生)の初の個展が行われている。今まで、絵の具、クレヨン、墨等を使った平面画の制作、ライブペイントでの即興描画を行ってきた。

 今回の展示では、「自分の内からでてくる形や色を、経験に基き得てきた必然に沿い、雑然の上に刷り込むように紙上にイメージします。雑然はいつしか必然に取り込まれ、偶然を生み、限りのなかった空間に枠を作り、その中を感覚が生きます。それを表現と呼び、今回更には発表することとしました。」とのこと。

 抽象的な作風の中に作家の考えや、気持ちを読み取るのも興味深い。日々喧騒の中に生きていく中で、ふと作家と、そして自分について考えるさせる展示だった。

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08.12.13-12.27 黒田晃弘 個展「1900人の似顔絵プロジェクトVol,1」

「黒田晃弘 個展『1900人の似顔絵プロジェクトVol,1』」

期 間:2008年12月13日(土)〜12月27日(土)
13:00〜23:00※12/23は休廊・12/21は開廊。
会 場:CAI 02 (大通西5丁目昭和ビルB2)
似顔絵予約・問い合わせ TEL  011-802-6438(担当 佐野)

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 黒田晃弘は市内在住の美術家。現在は似顔絵アーティストとして活動している。2005年の横浜トリエンナーレ出品以降、札幌にてアート・イベント、FIX・MIX・MAX!さっぽろアートステージでも活躍。先月はTV番組にて30分にもわたり紹介され、大きな反響があったという。現在、今年を締めくくる個展が開催中。           

 「1900人の似顔絵プロジェクト」と題したこの展覧会は、黒田晃弘がの札幌市の人口0.1%の似顔絵を描く事を目標に、今後2年間を予定して行うプロジェクトである。今後の彼の活動には注目していきたい。

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08.12.20-09.01.10 富樫 幹 個展 imaginari drawing

Cai 「富樫 幹 個展  imaginari drawing」
日時:12月20日(土)-1月10日(土)13:00~23:00
日曜・祝日休 (ただし、12/21営業)                    会場:CAI02(大通西5丁目昭和ビルB2)
 

    市内在住の作家、富樫 幹(1982生)の初の個展が行われる。今まで、絵の具、クレヨン、墨等を使った平面画の制作、ライブペイントでの即興描画を行ってきた。

 今回の展示では、「自分の内からでてくる形や色を、経験に基き得てきた必然に沿い、雑然の上に刷り込むように紙上にイメージします。雑然はいつしか必然に取り込まれ、偶然を生み、限りのなかった空間に枠を作り、その中を感覚が生きます。それを表現と呼び、今回更には発表することとしました。」とのこと。
 大小の油彩、点描作品をインスタレーションのように展示する予定。

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主人公はまっすぐ、そしてヒカシュー!!

「超時空世紀オーガス02」(1993・OVA全6話)
※You Tubeリンク。音出ます。

 僕は「ガンダム」「マクロス」の無印世代です。「オーガス」って「マクロス」の後番で、当時は正直あんまり印象が…というか話が 難しかった気がしてます。

今回観た「オーガス02」はその続編。

 監督の高山文彦って、「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」の監督ですね。「ポケ戦」は正直、そんなに僕は好きではないのだけど、監督の名前はハッキリ憶えるほど、繊細でせつないドラマ部分は印象に残っている。評価が高いのは十分わかる。
 僕が気が乗らなかったのは主役に感情移入できなかっためです。

 「オーガス02」は前作を観てなくても大丈夫。主人公およびその周辺の人物も、前作的なことは知らないという設定なので、説明するシーンもありますし。

 OVAということで、作画のクオリティは高い。美術のセンスもとても良い。舞台は まだ蒸気機関車が走っているような架空の世界で、ロボット兵器を「発掘して」使っているという設定のため、日常は雰囲気あるヨーロッパの村風なレトロな生活シーンがドラマ部分に実にうまく使われており、ここは監督の見事な手腕だなぁ、と思う。主人公とヒロインの寝台車のシーン等キレイで実に印象に残る。

 ストーリーも実にテンポ良く進み、退屈させず、駆け足にもなりすぎず、バランスはかなりいい。主人公は、優しく、素直で意志が強い、そして運もいいという典型的な主役キャラ。他の登場人物も、ありがちなんだけど、僕はそれでいいと思っている。

 「わかりやすいまっすぐなキャラが実に魅力的に描かれる」それが一番大事だと思う。僕は主人公キャラは変に屈折してないほうが好きである。ストレートさをまぶしく感じたい。理想的すぎ、うまくいくすぎ、という批判があるかもしれないけど、ドラマ全体が健全な発想で作られているのが、とても大事だと思う。「オーガス02」はそんな作品である。小手先ではなくストレートに勝負している。裏設定やミステリアスなだけな伏線はない。

 メカが活躍するアクション・シーンは、本作では実に少なめなんだけど、気にはならない。要所で良い動きしてくれます。本作で監督は「ドラマを作るんだ!」とどっしり構えているのがわかっていい。実のところ本作のようなロボットもので、戦争を舞台にした作品でドラマで勝負って、かなり勇気がいることだと思う。そこを逃げてないのがお見事。凄い監督である。結果、本作は強度が高く、作画の良さも加えて名作になっているのでは。

 前期オープニングの音楽はヒカシュー。これはびっくり。テーマソングとしては風変わりだけど、オリジナリティのある魅力的な音楽だと思う。それらを含めて「オーガス02」は完成度は高いと思う。最初に出てくるメーターの感じが、スチームサイバーっぽくて好き。



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いかのしおから考

Sb  いかのしおから、のパスタを食べる。正確なレシピを知りたい。いつも食べたいから、レシピを知りたいというのは、わがままだろうか。知りたい、知りたい、知りたいことは、そんなことばかり。

 肝心なことを知りたいと思わないのは、性格的な問題か。こわいもの知らず、とは良くいったのである。知って、わかることもあるし、わからなくなることもある。

 

知識や経験は「善」だと思っていたが、時には邪魔ではないか、と思う時もある。いや、正攻法をハズしてはいけない。知識や経験は「善」でしょう。でも、その「善」が頭の中でやっかいな場合もあることだ。ふと、なにもかも無知だった頃を思い出す。知らなかった、新鮮だった。

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カッコいい歳のとり方

Mb_2 洋画★シネフィル・イマジカ   
「ミリオンダラーベイビー」(2004)

  クリント・イーストウッド監督作品はどれも好き。監督作品はとりあえず観る。大体ハズレはない。

 

しかし、本作は「女性ボクサーもの」だと知って、観るのを敬遠してました。スポーツものは基本的にそれほど興味がないのです。でも、観てみました!

 観た人はわかると思うけど、この作品は「ボクシング」はほんのお飾りの要素しかない。現実にボクシングをやっている人には、かなり変な映画だと感じるのではないだろうか。ボクシングの話として観たら、かなりガッカリだと思う。僕でさえ「ボクシング映画」として観るとかなり違和感がある。

 でも、これを孤独な男と、貧しく家族にも愛されない30代の女性の話としてみると、かなり魅力的だ。孤独な男はイーストウッド自身が演じているのだけど、僕もこんな男になれたら、とふと思った。決して、幸福な感じではないのだけど、こうだったら、こうありたい、という歳のとり方の見本にしたいと思った。こんなことを感じるは初めてだ。

 脇役のモーガン・フリーマンもいい。この人が出ると作品が良くも悪くも一気にメジャー感が出て画面が派手になる。実際、かなり見せ場が用意されている。淡々になりがちな進行に良い華を添えてくれてる。イーストウッドとのやりとりも楽しい。

 ひとつひとつのシーンを大変丁重に撮ってあると思う。なにげない場面でもその「撮りかた」が登場人物の気持ちを表現しているのがわかる。ひとつひとつのシーンに注目して欲しい。

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サービス満点

Ie 洋画★シネフィル・イマジカ   
「インランド・エンパイア」(2006)

「サービス」のある映画だと思う。

 作風としては「マルホランド・ドライブ」のような現実と夢、そして時間軸が前後する映像世界が描かれる。冒頭からして、夢のようシーン大連発なんだけど、それで3時間近くダレずに見させてしまうのは、まさにリンチ監督のセンスと「サービス」があるからだと思う。

 これがヨーロッパのアート系の監督の作品だったら、完全に爆睡するような映画になっていたかもしれない、そこはリンチ。どのシーンにも、不思議なリンチ特有の「サービス」があり、退屈をさせない。「ストレート・ストーリー」でも感じたけど、この「サービス」はリンチに自然に身についているものだと思う。

 ただ、自宅で観たのだけど、さすがにこれを劇場で一気に観るのは少しツライ。でも、DVDを自宅で、あんまり考えたくない時、これほど楽しい映画はあるだろうか。



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絵本「おばけのマールとちいさなびじゅつかん」(中西出版)

「おばけのマールとちいさなびじゅつかん」中西出版)2008.12.6発売
絵:なかい れい 文:けーたろう A4変形判/24ページ/¥1,260(税込)

Maru4  市内在住のイラストレーター中井令と石狩市在住のライター、けーたろうによる絵本、「おばけのマールシリーズ」の第4作目。今回は北海道立三岸好太郎美術館が舞台に、おばけのマールが絵の中の女のコやマリオネットたちと仲良しになり、素敵なことがおこるストーリー。

 お子さまや絵本好きの方、三岸ファンの方々へのクリスマスプレゼントとしてどうだろうか。また、出版を記念して平成2009年1月23日〜3月27日まで、三岸好太郎美術館にて絵本原画展が開催される。











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Story について

このコンテンツは小説を発表しています。

● 小説「溶けた彼女」
なぜ、彼女は溶けなくてはならなかったのか、それを考え続ける「僕」。


第1話 ”はじまり”
第2話 ”溶けた彼女の匂い” 
第3話 "転回”

 
















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小説「溶けた彼女」第3話 "転回”

小説「溶けた彼女」


第3話 "転回”

   店員が僕と彼女の居た席に近づいて、「ご会計でしょうか?」と声をかけてきた。そうだ、このお店はテーブルで精算をする。座っている僕。立っている店員。僕は店員の顔に視線を合わせることができず、彼の青いエプロンを見ている。洗いざらしのような彼のエプロン。彼は、これを自分で手洗いするのだろうか?それとも乱暴に下着と一緒に洗濯機に突っ込むのだろうか。その時の彼の表情がひどく見たい、


そんなことはどうでもいい、


 彼には僕と一緒に女性の客がいなくなっていること、そして椅子の上には彼女の抜けがらといえる衣服一式と、靴がキレイに並んであるのが気にならないのだろうか?


 「無視を決め込んだな」と僕は思った。彼は知っているすべてを。でも、それを僕に指摘してなんのメリットがあるのだろうか?彼の心の中は、「帰って欲しい」。それだけだ。その自然な手続きのために「ご会計でしょうか?」なのだ。


 「はい」。僕はポケットから、1000円札を出しかけ、5000円札にした。いくらかわからないが、今の時代、2人分で1000円で足りるとは思わない。余計な会話を一切したくはない。


 「5000円お預かりしました」。彼は離れた。合計金額はいくらなのだろうか?

 彼は、僕の席から、5メートルほど離れた木製カウンターの中の入り、L文字型の奥の部屋に続く直前のところで、こちらに背中を向けてもそもそと動いていた。瞬間的に腕時計を見る。丸形の銀色のアナログ時計。文字盤もシンプルな算用数字。

 

 秒針を注視する。10秒…20秒。長い、長いぞ。長過ぎる。彼はなにをしているのだ。背中の肩の動き。もぞもぞと動いたと思えば、彼の姿が消えた。カウンターの中にしゃがみこんだのだ。



 それを見て、僕は持っていた2〜3泊対応用ナイロンの旅行バッグのジッパーを一気に開いた。そして、対面の席の椅子のある彼女の服一式と、床に並んだ靴をバッグに詰め込んだ。そして、ジッパーを一気にしめる。


彼は電話をしている。間違いない。


  僕は知っている。店を入った時に、僕はカウンターで「マッチあります?」と聞いた。彼は店のオリジナルの紙マッチをくれた。その時、今の彼のしゃがみこんた場所に、つまりカウンターの内側の下にある棚部分にグレーのファックス一体型の電話があったことを。


僕はすべてを推測する。頭がいいから。


 着信音は聴こえてない。お店にある電話の着信音は大抵、最大に近い。そうじゃないと、店内では気がつかない可能性がある。コーヒー豆の通販もしているお店だから、電話はよく来るのだろう。客商売、電話は素早く出ないと印象が悪い。気づかないのは最悪。つまり、彼は電話をしているのだ。客である僕を待たせて。

 

なぜなら…彼は知っているからだ!!


 準備はできた。僕は直ぐにでもこのお店を出ないといけない。多分、4000円近くのおつりもあきらめよう。次の彼の行動はわかる。お釣りを用意して、ゆっくり僕のところに近づいてくる、そして、うやうやしく釣り銭を渡し、必ず世間話をするハズだ。


「今日は午後から天気か崩れるようですよ」。


警察統計。最寄りの交番があった場合、通報から現場到着まで平均3分から4分40秒。


 僕の目線は、出口のドアまでの動線を捉える。やや斜め方向だが、ほぼ直線。障害物なし。出るまで10秒もかからないだろう。出口とは逆方向のカウンターの中にいる彼には、僕をブロックすることは不可能。これが、アメリカ映画なら、彼はショットガンをかまえるのか、と思いひとり笑う。出口ダッシュの準備ができた(続く)







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安定感のある感じで?

Ts  僕は安定感という言葉が好きだ。テキストの安定感、デザインの安定感、進行管理の安定感、ディストリビューションの安定感…こう書き連ねていくだけで、ひとつ安心できる。気のせいだけど。

 よくクリエイティブには緊張感が必要だという話を聞く。僕はどうも「緊張感」が苦手で、緊張というとトイレに行きたくなったり、うまく口がまわらない印象しかない。

 「緊張感の中で研ぎ澄まされたクリエイティブ」というのはカッコ良い。ひとつの理想だけど、そんな状況は自分にはなさそうだ。

 僕のアイディアというのは、人との対話で生まれてくるか、地下街を歩いている時など、とってもぼんやりとした状態で生まれるのが、ほとんどすべて。
 いかに、人と話すか、いかにボンヤリするか。それが、僕のクリエイティブのようです。

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上をむいて歩けるか?

Sy 僕はどんな姿で歩いているのだろうか?

 上を向いて歩こう、というのは素敵だと思う。でも、僕はといえば下ばっかりみている。

 上がまぶしい。下を見て歩いたほうが、落ち着く。上と下の中間も好きだ。それはリアルだから。未来のことを考えるのは嫌いではない。でも、未来には不安がいっぱいだ。その不安をどう取り除いてくのか。

 不安を取り除くのは自分。他人ではない。

 楽観主義?プラス思考?。それでは足りない。やっぱり、信念なんでしょうね。それと開き直り。このふたつを心にしっかり持って、日々生活すればいいのではないか。書くの簡単だが、実践は難しい。世の中はホントに難しいことばかりだ。でも、そんな世の中をなんとか生きていきたい。少しは楽しいこともあるだろう。そう、欲張ってはいけない。たまには良いことがある。それが人生だと思う。
 明日は少し上を向いて歩こう。そこには青空があるかもしれない。

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判断すること

Hd  制作の中で判断をするというのは、難しい場合もあるし、楽しい時もある。ディレクションのひとつの醍醐味だと思う。

 判断する時は、できるだけ精神状態は整理された状態がいい。落着いて考えたい。事案にもよるけど、一人で考える時間も用意したい。

 そして、紙に書いたほうがいい。
そこで、問題点、メリット、デメリット、判断によって起こすアクションを考える。「書かなくてわかるよ」、と思う時も一応書いたほうがいい。簡単なメモでいい。でも、書いて、眺めて初めてわかることもある。
 実際、進行の中では、素早い判断を求められる場合が多い。でも、少しだけ「急がば回れ」というのも大事だと思う。



 


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思い出は3AM

11  思い出はいつもやっかい。美化はされてないと思うけど、ふと戻れればとせつなく感じることも。

 ほんのピンポイントなんだけどね。普段は思い出に浸なる柄ではないけど、ピンポイントないくつかの思い出だけが、油断すると心に刺さる。

 これはずっと消えそうもないのだけど。当時は嫌だった。でも、今考えと良かったのではと。それは都合が良すぎる。結局は、今は用意されたラストなのだ。思ったよりシリアスではないのかもね。  下手な考え休みに似たりということか。そうか、これは休みだったのか。

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おお、メモ、ああメモ。

10 メモはしたほうがいい。人間の頭で一度に記憶は7項目だとかなにかで読んだ。もちろん、これには個人差があり、+ーの誤差がでるらしい。

 僕はというと3くらいしか自信がない。待てよ、ひとつでも忘れるコトがあるから僕の頭は相当アヤシゲである。

 だから、メモ帳は手放せない。今は携帯で器用にメモを取る人もいるけど、僕は携帯でメールを打つのは苦手。だから、メモ帳になる。メモをする。だから、僕にとってはメモ帳は神聖なアイテムとなり、なにかあれば買ってしまう。

 自宅には結構な数のメモ帳がある。ひとつひとつの単価はしれているから、メモ帳の小山になってもそれほどの値段ではない。でも他人が見ると少しびっくりするかも。いいじゃない。腐るものでもないですし。
 メモを整理をする時、字が下手だなぁと思う。100にひとつぐらい解読できないものもあって。それはなかなか困る。

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妄想エリート

Nn  「フタを開けてみないとわからないですね!」。それは、そうなんだけどさ。フタを開ける前にいろいろ考えることもあるでしょう。いろいろなことがさ。

 僕はフタを開けるのが苦手だ。開ける楽しみより、開ける恐怖が強い。自分は強度の保守傾向があるのかな、ふと思う。普段は頭の中は結構、妄想だらけなのにね。

 妄想といえば僕は一言ある。よくニュースで「犯罪者の妄想と現実の境目がわからなくなった犯行」なんて説明があるが、それは違うと思う。現実に簡単にシフトできる妄想なんて、弱い、弱すぎる。僕の妄想はそんなものではない。現実化なんてできない。

  僕のような妄想家は決して、それが現実になるとは必ずしも望んでいない。現実を欲するような、妄想とは情けないと思う。妄想は、妄想である。そこで完結しないといけない。妄想の中で完結しない妄想は真の妄想はないのだ。妄想とは必ずしも、「願望」ではない。僕は、自分では好きでも、願ってもない妄想をよくする。妄想の完成度を高めるのは客観性なのである。妄想という単語を使いすぎたね。


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